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【森】高御堂麻理子さん「躍動の息吹と生命のつながりが満ちる森」です。

芦生の森ネイチャーガイド

高御堂麻理子さん

プロフィール

京都大学が研究用に長年保護し、手つかずの自然が豊かに広がる原生林「芦生の森」(南丹市美山町)のネイチャーガイド。由良川の水の最初の一滴が生まれる、まさに京都府にとっては母なる森といえる芦生の森の魅力を伝える役割を担っている。

森の中では、人は謙虚になれます

南丹市美山町の東部、4,200haにわたって広がる「芦生の森」。ここは京都大学が研究用に長年保護し、手つかずの自然が豊かに広がる原生林。その手つかずの自然を守るために一般車の立ち入りは禁じられていますが、私たち地元ネイチャーガイドの同行のもとでトレッキングツアーを楽しむことができます。
 重なり合う緑の色、落ち葉の香り、野鳥の声、木々をわたる風の音、しっとりと柔らかな土の感触─。芦生の森に一歩分け入った瞬間、すべてを包み込むような森の息吹が私たちの五感をいっぱいに満たします。森の中の土や水に触れてみると「生きている」感じが確かに伝わってくる。森で過ごす時間は、そこに息づくすべての生命が一つにつながっていることを実感できる、それはもう素晴らしいひとときです。
 芦生の森では非常に多くの種類の樹木と出会えますが、中でも樹高38.5m・直径3.4mという圧倒的な存在感を誇る「下谷の大カツラ」や、樹齢400年を越えるトチの巨木が群生している「トチノキ平保存林」、は、いずれもきれいな水のそばでなければ大きく育たない渓畔木。こうした木々がこれほどのスケールで生きながらえているのも、芦生の森の水脈と土壌の豊かさの賜物ではないかと思います。
 この辺りは、由良川の水の最初の一滴が生まれる森。まさに京都府にとっては母なる森といえます。芦生の森と水との関わりの深さは、木々の様子からも窺い知ることができます。
 たとえば雨の日の森で見られる、ブナの「樹幹流」。これはがブナが雨水を自らの幹に集めて一根元へ流す現象です。目にするたび、そうして木々の根元に集まった水が土壌にしみ込み、岩の間を流れ、川となって里の暮らしを潤し、やがて海へ注いで生命を育み、再び雨となって森へと降り注ぐという大きな循環を思わずにいられません。
 ちなみにガイドをする時、雨が降ると最初は皆さんがっかりされるのですが、実は雨の日ほど森は生き生きとした姿を私たちに見せてくれる絶好のチャンスなんですよ。雨に洗われた緑の色は格別ですし、ただ歩いているだけで森の生命力や水のつながりを全身で感じることができます。雨で不安そうにしていた皆さんも、後半には目を輝かせて森を楽しんでおられます。寒さの心配のない夏の雨の日、おすすめです。
 この森には、何度も足を運んでくださるいわゆるリピーターという方たちもたくさんいらっしゃいます。新しい気づきがいつもそこに待っているような、いつもワクワクするような驚きの宝庫。知れば知るほど、歩けば歩くほど、どんどん未知の世界が広がって、人間がいかにちっぽけで何も知らない存在なのかを教えてくれるんです。だから、森の中では人は謙虚になれるんですね。ごく当たり前に「あぁ、自然って大きいな。ありがたいな」と感じる。
 都会にいると、自然が私たちの暮らしを支えてくれていることを、つい忘れてしまいがちです。しかし森という空間にただいるだけで「私たちは自然の中で生かされている」という感覚を思い出すことができます。それが、森の偉大さです。
 悠久の時を生きる大きな木。何百年という歳月をかけて積み重なった土壌。そういうサイクルで動いている空間の中に身を置くと、日常の些細な悩みごとなど忘れてしまいます。この夏、皆さんもぜひ「芦生の森」を訪れ、この豊かな自然を深呼吸してみてください。8月の森は本当に美しく、外界の猛暑が嘘のように涼しく、心地よい世界が待っていますよ。

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