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【恵】山城睦子さん「パッチャポン、パッチャポン。私にとってとても大切な音」

黒谷和紙職人

山城睦子

プロフィール

祖母、母と黒谷和紙を漉き続けてきた家に生まれ、子どもの成長と夫の転職をきっかけにUターンし、それを機に和紙づくりに取り組む。高い紙漉技術にしか出せない音である「パッチャポン、パッチャポン」という音は黒谷地区の歴史や水の恩恵を集約したような誇らしい気持ちを感じさせるという。

森の恵みを享受して800年。これからも、水とともに

川に沿って家が建ち並んでいる綾部市黒谷地区。今でも地域のみんなが川の水で洗い物をしたり、野菜を冷やしたり。森からの湧水も、家庭や仕事に当たり前に活用しながら、森がもたらす水の恵みとともに歩んできました。
 特に黒谷和紙は、水に恵まれたこの地だからこそ800年以上も育まれてきたもの。祖母そして母と、黒谷和紙を漉き続けてきた家に生まれましたが、若い頃は、和紙づくりに携わる気持ちは皆無で黒谷地区を離れて結婚。子どもの成長と夫の転職をきっかけにUターンし、それを機に和紙づくりのバトンを引き継ぎました。
 黒谷地区を出て十数年が経ち、夫から綾部へ戻る話が持ち上がった時、とても嬉しかったのを覚えています。川のせせらぎがいつも耳に心地よく聞こえた黒谷での生活から、街に出て車の音が耳に残る暮らしの中で、母や祖母のように「和紙づくりがしたい」という思いが強く、大きくなっていたからです。
 振り返ると、母や祖母は土日も紙漉き。遊びにもつれていってもらった記憶があまりありません。でも、黒谷和紙を作りたいという気持ちが高まったのは、自分でも不思議な思いでした。紙漉きを一から学び、独り立ち。その時にふと思い出した「パッチャポン、パッチャポン」と母や祖母が紙を漉く時の音…。高い紙漉き技術にしか出せない音。そしてこの音が感じさせてくれる、黒谷の歴史や水の恩恵を集約したような誇らしい気持ち…。今思えば、黒谷和紙づくりそのものよりも、せせらぎに包まれた谷の清々しい空気の中での「紙漉き」を求めていたのかも知れません。
 黒谷地区は季節が移ろうごとに、風の香りが変わり、森の色が変化します。そしてそこには、変わらない川の流れる音があります。黒谷地区だけでなく、森と関わって住まう地域は、五感を開放して暮らしているんだと思います。京都市内の鴨川のほとりに人が集い和やかな気持ちになるのも、森の恵みである水が持つ力ではないでしょうか。
 ぜひ今夏、涼やかな「森の京都」を体感してみてください。澄んだ空気を吸い込み、自然と時間を共有し、風で葉が擦れる音や川のせせらぎに耳を傾けてください。五感で感じるひとときは、街では経験できない時間です。その時は、ぜひ綾部にも足を伸ばし、黒谷和紙を手に取ってみてくださいね。

お問い合わせ

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電話番号:075-414-4071

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