ここから本文です。

イネの病害虫

いもち病

いもち病の被害 

  • イネで最も重要な病気です。
  • いもち病は、早ければ苗の発芽当初から現れ、刈取りの時まで発生が続きます。
  • 発病する部分によって、苗いもち、葉いもち、穂いもち、穂首いもち、枝梗いもち、節いもちなどと呼ばれます。
  • 穂に発病すると、籾に蓄えられる澱粉の転流が阻害され、収穫量に影響を及ぼします。
  • 病斑は、発病する部分によって様々ですが、葉に発病する場合は縦に長い紡錘型をしています。
  • 温度が摂氏25~28度ぐらいの多湿条件で、日照不足の時発病しやすくなります。
    また、窒素過多の葉色の濃い水田でも、発病しやすい病気です。
  • 病原菌は、籾、被害ワラ、各種のイネ科雑草について越冬します。

トビイロウンカ

トビイロウンカの被害

  • トビイロウンカは海外から梅雨期の気流(ジェット気流)に乗って飛来しますので、日本では越冬しません。
  • 成虫・幼虫共、油っぽい茶褐色の色をしており、成虫には羽の短い短翅虫と羽の長い長翅虫がいます。このうち、短翅虫は、繁殖能力が優れています。
  • 被害は、出穂期から登熟期にかけて数十株から数百株がまとまって不規則な円形に枯れ上がり倒伏します(坪枯れ:写真右参照)。発生が激しい場合は、複数の坪がつながって田が一面に枯れ上がります。
  • 幼虫・成虫共イネから吸汁します。一度住みつくと他所へ移らない性格が強いうえ、一匹が生む卵の数も多く、齢が進むごとに吸汁量が増加するため被害の拡大も急速になります。
  • 水分を好み、水面に近い株元で増殖します。風がふきだまるような乾きにくい水田で発生が多くなります。
  • 株元に多いので、発見しにくい害虫です。

斑点米カメムシ類

クモヘリカメムシ

  • 斑点米の原因となるカメムシは、約65種類いると言われており、その中でも、ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、コバネヒョウタンナガカメムシ、アカスジカスミカメなどが重要です。
  • 主に7月頃に雑草地から、出穂期頃の水田に飛来し、稲穂を吸汁加害し、斑点米を形成します。
  • 種によって発生回数が異なり、同じ種でも地域によって発生実態が異なりますので、その地域の発生状況を把握することが重要です。
  • 畦畔や堤防などの雑草を刈り取ることにより、発生を抑制することができます(常時刈り取りが有効です。不可能な場合は、出穂10日~2週間前までに必ず刈り取りましょう)。

ニカメイガ

  • 以前はイネの代表的な害虫でしたが、最近、少発傾向が続いています。
  • 年2世代発生し、発蛾最盛期は6月上~中旬と8月中旬です。
  • 稲ワラや刈り株内で幼虫越冬します。
  • 幼虫は初めは葉鞘の組織内に食い込んで集団で生活しますが、そのうち、ちらばって何本かの茎を食い、蛹になります。
  • もちや茎の太い品種の作付け田では発生しやすくなります。
  • 植害された茎は、枯死して穂が出ないか、穂が出ても稔らない白穂になります。

イネミズゾウムシ

イネミズゾウムシの写真

  • 年1回発生し雌だけで増え、成虫で越冬します。
  • 山林の落ち葉の下等で越冬します。
  • 田植後に水田に侵入して、6月下旬頃まで葉を食害します。この虫はイネの葉を食べると卵巣の成熟が促進されます。
  • 卵は5月中旬頃から水面下の葉鞘表皮下に産みつけられ、ふ化した幼虫は土中で根を食害して成長します。
  • 根腐するような水田では、幼虫の被害がでやすくなります。

お問い合わせ

農林水産部京都府病害虫防除所

亀岡市余部町和久成9

ファックス:0771-23-6539

bojosho@pref.kyoto.lg.jp