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23年度茶業研究所月報

このページは、本年度の茶業研究所の主な活動を月ごとにまとめています。

2月

茶業技術研修生がてん茶加工工場等を視察

 本年度、茶業研究所では、茶業技術研修生4名を対象に、茶業に関する学科講習及び実習を行っています。今回、研修生からの加工工場視察希望の声に応え、てん茶加工を先進的に行っておられる株式会社丸久小山園等の視察を行いました。
 当日は、舞鶴茶生産組合から2名の若手就農者の参加があり計6名で、代表取締役社長の小山元治氏から、茶商と生産者が共に培ってきた宇治茶への思いや、他県や京都府の茶業を取り巻く情勢など貴重な話を伺いました。研修生は、熱心に質問を行い、来年度の就農に向けて決意を新たにしました。

平成23年度茶業研究所研究報告会を開催

 2月17日、平成23年度茶業研究所研究報告会を開催しました。今年度は、「荒茶品質と保存条件がてん茶の熟成に及ぼす影響について」、「第67回全国茶品評会に向けた技術対策について」の2課題について報告を行いました。
 報告会には200名近くの参加があり、茶業関係者や生産農家の関心の高さが伺われました。参加者アンケートでは研究の進展への期待、また近年の異常気象や製茶の省エネ、機能性成分などの関心の高いテーマについての意見が寄せられました。

(1)茶業技術研修生がてん茶加工工場等を視察( PDFファイル ,192KB)

(2)平成23年度茶業研究所研究報告会を開催( PDFファイル ,190KB)

1月

煎茶用品種の選抜に向けた地域適応性評価

 茶業研究所では、他県と連携しながら、煎茶用品種選抜に向けた共同研究を行っており、京都府の土質による根の伸長状況を確認するため、地下部の調査を実施しました。その結果、系統によって根張りや根の太さが異なる状況が観察され、地上部の生育との関連がみられました。また、本調査は、茶業研修生の土壌調査方法の実習も併せて行いました。

茶タスクチーム活動「城陽産てん茶品質改善研修会」

 平成22年度から実施している茶タスクチーム活動の一環として、平成24年1月30日に「城陽産てん茶品質改善研修会」を山城北農業改良普及センターと共催しました。
 研修会では、各農家で生産された23年度産試料茶の欠点や対応方法を報告するとともに、実際にお茶を見ながら、欠点となる香りや味を確認しました。 前年の結果を受けて製茶機械を調整をし、目覚ましい品質改善につながった事例もありました。

(1)煎茶用品種の選抜に向けた地域適応性評価( PDFファイル ,246KB)

(2)茶タスクチーム活動「城陽産てん茶品質改善研修会」( PDFファイル ,104KB)

12月

てん茶用品種の育成を目指した系統比較試験

 茶業研究所では、宇治在来種からてん茶に適した特性を持つ系統を選抜することで、品種育成を目指しています。現在は、本ずとよばれる「よしず」と「わら」で一番茶を被覆する方法で栽培試験を実施しており、収量、製茶品質はもちろんのこと、一年を通じて、病害虫発生や生育量などを数年間にわたり比較調査を行います。
 また、今年のような晩秋まで高温が続く年には、系統間で秋期の萌芽や枝条の硬化程度が大きく異なります。これらは、寒害に対する抵抗性に大きく関わるため、重要な栽培特性として調査を行っています。

(1)てん茶用品種の育成を目指した系統比較試験( PDF ,163KB)

11月

侵入害虫チャトゲコナジラミに関する研究成果報告会

 キャンパスプラザ京都(京都市)において、侵入害虫ミカントゲコナジラミに関する研究成果報告会(兼 農研機構シンポジウム)が開催されました。200名を超える参加があり、研究グループ担当者は同虫に関する基礎・応用的知見、防除技術の報告などを行い、茶業研究所からは野外生態と総合防除体系について報告しました。
 さらに、招待講演者による侵入害虫・植物検疫に関する総論や、海外の状況などに関する講演が行われ、参加者は侵入害虫問題について理解を深めました。

京都府内の優良品種茶園を審査

 11月中下旬の4日間、丹後から山城地域まで合計52ほ場を審査する、京都府優良品種茶園品評会が開催されました。当所から所長(審査長)他2名が審査員(計8名)に加わり、厳正な審査を行いました。
 本年は、春先の厳しい低温により、平年に比べ一番茶期が遅れたり、二度の台風に見舞われる等気象変動が大きい年でしたが、いずれの出品茶園もきめ細やかな管理により順調に生育し、次年度の高品質な一番茶を期待させるものでした。
 また、昨年に比べて丹後地域からの出品数が増え、京都府一体となった茶生産に対する熱意を感じる品評会となりました。

平成23年度茶業技術研究発表会に参加

 11月15日に宇治市の宇治茶会館において開催されました平成23年度茶業技術研究発表会で研究成果の発表を行いました。
 本発表会は各府県の茶研究員や茶関係企業が参加して毎年行われており、京都では初の開催でした。最新の研究成果の発表や情報交換した内容を、今後の試験研究に活用することで、茶の消費拡大・茶産業の発展に役立てます。

(1)侵入害虫チャトゲコナジラミに関する研究成果報告会( PDFファイル ,133KB)

(2)京都府内の優良品種茶園を審査( PDFファイル ,169KB)

(3)平成23年度茶業技術研究発表会に参加( PDFファイル ,99KB)

10月

鳳春(ほうしゅん)・展茗(てんみょう)の最適な秋整枝条件を検討

 京都府が品種登録した新品種「鳳春(ほうしゅん)」「展茗(てんみょう)」は、府内栽培面積が両品種あわせて8.3ヘクタールに増え(平成22年度茶業統計)、これから順次成木園となります。
 これにあわせて、多収量及び高品質を実現し、品種特性を十分に発揮できる整枝方法が求められています。
 そこで、当所では両品種に対して、秋整枝の時期、高さを複数の組合せで実施し、どのように収量、品質等が変化するかを調査し、最適な秋整枝条件を明らかにする試験を行っています。

丹後地域に適した茶樹品種を選定

 丹後地域は冬期、寒冷で、雪の多い気象条件になります。これらの条件に耐え、茶樹の順調な生育を確保し、高品質で高収量を得ることのできる品種を選定することは、茶業経営の成否を大きく左右します。
 丹後農業研究所現地ほ場に、「さみどり」「ごこう」等の京都府奨励品種を中心に植栽を行い、各品種の冬期枝折れ状況、落葉、寒害の程度、萌芽日や生育状況を調査しています。
 この結果をとりまとめ、茶農家の新植・改植の際、品種決定の参考となるよう、普及センターを通じて茶農家へ伝えます。

(1)鳳春・展茗の最適な秋整枝条件を検討( PDFファイル)

(2)丹後地域に適した茶樹品種を選定( PDFファイル)

9月

紫外線照射による茶新芽の影響を調査

 太陽光に含まれる紫外線は植物の物質代謝や生育に影響を及ぼす事が確認されています。そこで、紫外線が新芽中の品質関連成分(アミノ酸、カテキン類など)や新芽形質等に及ぼす影響を調査しています。
 今後、これらのデータを、より高品質な被覆茶を生産することのできる、新規の遮光資材の開発に役立てます。

フードテック2011に参加

 9月7日にインテックス大阪で開催された「フードテック2011」に参加しました。国内外から何万人もの食品関係者が来場するなか、研究成果の紹介や宇治茶のPRを行い、多様な業種の方々と情報・意見交換を行いました。また、茶の新たな飲用形態を提案する一環として、水出してん茶を試飲していただいたところ、大変好評を博しました。
 食品産業の動向を把握することにより、茶の用途拡大や品質改善等に役立てます。

(1)紫外線照射による茶新芽の影響を調査 ( PDFファイル)

(2)フードテック2011に参加 ( PDFファイル)

8月

苗でのチャトゲコナジラミの防除試験

 チャトゲコナジラミ(旧称 ミカントゲコナジラミ(チャ系統))はチャ苗に便乗して分布を拡大するため、苗に寄生する本害虫の防除技術開発が重要となっています。チャ苗の挿し木時に防除効果が高いと見込まれる2種類の農薬を使用して防除効果を調べましたが、効果は認められなかったため、引き続き防除試験に取り組むこととしています。

茶の病害虫発生予察調査を実施

 茶業研究所では、毎年7月から10月まで山城地域の調査ほ場(11地点、計22ヶ所)において、病害虫発生予察調査を実施しています。
 発生予察とは「天気予報の病害虫版」ともいえるものです。毎月一回、同一ほ場において15種類の茶の病害虫を対象に発生動向調査を行います。この情報は、病害虫防除所が発行する調査速報、発生予報、予察月報の基礎データとなり、茶農家での防除に活用されています。

茶タスクチーム活動「丹後産茶品質改善研修会」

 平成23年度茶タスクチーム活動の一環として「丹後産茶品質改善研修会」を丹後農業改良普及センターと共催しました。
 研修会では、摘採や被覆方法の適正化による大幅な品質向上がみられたこと等を報告するとともに、施肥の効率化や製茶の精度向上等による一層の改善方向を提案しました。
 今後、タスク活動の成果が丹後における安定的な良質茶生産体制の確立につながることが期待されます。

(1)苗でのチャトゲコナジラミの防除試験( PDFファイル)

(2)茶の病害虫発生予察調査を実施( PDFファイル)

(3)茶タスクチーム活動「丹後産茶品質改善研修会」( PDFファイル)

7月 

熱画像を用いた被覆栽培茶園の樹勢診断技術の開発

 直がけ処理を行った茶新芽は、葉色が鮮やかになり旨みも増すことから付加価値が高まり、有利販売が可能になります。このため、一番茶以後、何度も直がけ処理が行われ、茶樹が弱り、翌年の一番茶収量、品質への影響が見られます。
 このような過度の被覆を未然に防ぎ、樹勢の変化をとらえ、診断する技術開発を茶生産者から強く求められています。このため、茶樹の熱変化をとらえる熱画像測定装置を活用し、樹勢診断技術を開発しています。

平成23年度 試験製茶の官能検査

 平成23年一番茶及び二番茶の試験製茶(170点)について、官能検査を行いました。
 茶の複雑な品質特性をとらえ、明らかにするには、熟練した検査員による官能検査が欠かせません。
 このため、製品の品質特性を詳しく検査、各試験区が品質に及ぼす影響を的確に評価することにより、高品質茶の効率的安定生産につなげます。

(1)熱画像を用いた被覆栽培茶園の樹勢診断技術の開発 ( PDFファイル)

(2)平成23年度 試験製茶の官能検査( PDFファイル) 

6月

宇治在来種の維持と優良系統の選抜

  宇治地方には古くから種子で繁殖してきた在来種が栽培されており、丸葉で葉肉が厚い特徴を持ち、この中から多くの優良品種が選抜されています。茶業研究所では、これまで地域から在来種約400系統を収集し、重要な遺伝資源である在来種の維持保存や優良系統の選抜を目的に挿し木を行っています。また、挿し木作業は、当所茶業研修生の育種実習の一環として実施しています。

平成23年度 各地域の茶品評会で審査

 一番茶が終わり、今年度の各地域の茶品評会が開催されました。今年は3月の小雨などにより、茶摘みの時期がかなり遅くなりましたが、どの品評会においても品質の高い出品茶が多く出されていました。
 審査の結果が各地域の茶業振興と品質向上につながることが期待されます。 

(1)宇治在来種の維持と優良系統の選抜( PDFファイル)

(2)平成23年度 各地域の茶品評会で審査( PDFファイル )  

5月

茶園の被覆条件下における特定波長光照射試験

 一番茶の新芽生育期に、慣行の被覆条件下においてLEDを用いた特定波長光照射試験を行いました。照射した特定波長光は昨年までに実施した室内試験の結果から、被覆茶の品質に有効と考えられた光です。今後は、照射区及び無照射区から採取した新芽中の品質関連成分を分析し、比較を行います。

平成23年度 一番茶の作況調査

 茶業研究所では毎年、一番茶の萌芽以降摘採までの間、作況園において標準品種‘やぶきた’新芽の生育状況を調査し、茶農家や関係機関を対象に生育調査の結果をHP等によって広報しています。
 これは、茶農家の摘採適期の判断に活用いただくことを目的としたものです。本年度の摘採日は自然仕立て園で5月11日、弧状仕立て園で5月13日となり、平年より自然仕立て園で4日、弧状仕立て園で6日遅くなりました。

一番茶試験製茶の開始

 前年より9日遅い5月11日に一番茶の試験製茶を開始しました。
 今年度は、府内産茶の特色である覆い下栽培技術の向上や栽培管理の省力化、また製茶工程における品質管理の自動化や製茶の省力化等について試験を行いました。
 これらの試験により、品質向上技術の確立や製茶能率の向上を図ります。

一番茶での製茶研修(茶業技術研修生)

 一番茶が始まり、研修中の4名は新芽の摘採について学びました。さらに、工場で製茶を研修しました。慣れない機械の操作にとまどうこともありましたが、最終的には全工程を一人で操作出来るようになり、こうした経験が、今後の技術習得と共に「茶をつくる楽しみ・喜び」につながることが期待されます。
 また、今年は舞鶴茶生産組合から2名が製茶の技術習得のために来所され、技術を熱心に学ばれた成果が舞鶴茶業のいっそうの発展につながることが期待されます。 

(1)茶園の被覆条件下における特定波長光照射試験( PDFファイル)

(2)平成23年度 一番茶の作況調査( PDFファイル)

(3)一番茶試験製茶の開始( PDFファイル)

(4)一番茶での製茶研修( PDFファイル) 

4月

平成23年 萌芽宣言を行いました 

 本年は年明けから日平均気温が低く推移し、雨量も極端に少なかったことから、新芽の動きが平年より遅くなりました。4月に入っても平均気温は低く推移したため、本年の一番茶萌芽日は前年より7日遅く、平年より1日遅い4月7日となりました。
 当所では、本年の萌芽宣言を広報し、併せて霜害対策等の注意を喚起しました。

平成23年度茶業技術研修生入所式

 4月8日に平成23年度茶業技術研修生入所式を行いました。、本年度は、宇治市から1名、八幡市から1名、相楽郡和束町から1名、京田辺市から1名の計4名が入所しました。
 修了までの1年間、実習や講義を通して茶の栽培、製造技術等について学び、あわせてプロジェクト課題にも取り組みます。

(1)萌芽宣言( PDFファイル)

(2)茶業技術研修生入所式( PDFファイル)  

  

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