ホーム > 府政情報 > 府政運営・行財政改革 > インターネット知事室 > 知事の発言 源氏物語千年紀新春対談 お客様 大地真央様

ここから本文です。

知事の発言 源氏物語千年紀新春対談 お客様 大地真央様

バックナンバー

平成20年1月1日源氏物語千年紀
新春対談 


お客様 女優 大地真央様

《この対談は、読売新聞1月1日新春対談として掲載されたものです。》 


1201498060856.jpg日本が世界に誇る至宝「源氏物語」が書かれて、今年で千年を迎える。そんな歴史の大きな節目にあたって、源氏物語ゆかりの京都府の知事・山田啓二さんと、3月から舞台「紫式部ものがたり」に主演する大地真央さんに、「源氏物語」の、そして「京都」の魅力について、熱く語り合ってもらった。

「源氏物語」と「京都」を語る

世界的文学作品としての魅力

山田 原稿用紙に直すと2000枚にも及ぶ大長編。紫式部は400人を超える数え切れないほどの登場人物を見事に描き分け、800首の和歌を登場人物に成り代わって考えた。その想像力と構想力たるや常人のものではないですね。その中に、現代にも通じるさまざまな人間模様があり、まさに人間の本質が描かれている。恋あり、仏の教えあり、政争ありの大河ロマン。「カラマーゾフの兄弟」や「失われた時を求めて」と肩を並べる、読めば読むほど、すごい話だと思いますよ。
大地 光源氏を通して、多くの女性たちの思いや生き方も描かれていますよね。
山田 物語に登場する男性は、皆カッコよく地位も名誉も財産も持っている。だけど結構ダメで(笑)。女性は立場を踏まえた上で生き方を考え、自己探求していく。物語が進むにつれ、和歌に仏教的な要素が加わって、表現に深みがでてくる。そんな作者自身の成長物語でもありますね。



大作家・紫式部の人物像

大地  3月から大阪松竹座で「紫式部ものがたり」を演じさせていただくので、舞台を通しての紫式部像なんですが、まず彼女は近眼だったのでは(笑)、と思います。千年前の明かりが十分でない暗がりの中、あれだけの大量の執筆活動を続けたんですから。劇中ではちゃめっけたっぷりに、ひとつの個性としてそのあたりを描いています。また現代の女性が共感しやすいところも魅力的。彼女はキャリアウーマンでシングルマザーでもあります。純粋な少女っぽいところもあったり、一方ではあれだけの作品を作り出す特別な才能を持っている。それでいて少しファザコンで。ご覧になられた方は、文子(あやこ・劇中の紫式部の本名)に親近感を持って、いとおしいと感じていただけるのでは。
山田 彼女は同時代を生きた清少納言や和泉式部らライバルも含め、日本の女性文化を花開かせた代表選手ですね。男性から見るとあそこまで大胆に自分のことを書かれたらたまらないです(笑)。当時は印刷技法もなく、写本だったので思い切り書けたのかも知れない。いずれにせよ才気煥発だったんでしょうね。
大地 それから、周囲に彼女のことを大切に思ってくれる、物語を楽しみにしてくれる人たちの支えがあったのでは。だから、その人たちの期待に応えるためにも、ますます書かなきゃという気持ちになったんだと思います。
山田 それって、そのまま女優業にも通じるところがあるのでは?
大地 そうですね。とても分かる気がします。



次の千年に向けて-京都の将来像-

大地 京都は京都でずっといてほしいです。まちの雰囲気、独特の世界観や京都ならではのものを、守っていただきたいですね。
山田 なんといっても京都の面白さは、京都駅など現代的な建物がある一方で、紫式部が千年前に見ていたものと同じことが現在でも行われており、暮らしの中でそれらを体感できることですね。
 上賀茂、下鴨の両神社では、源氏物語に出てくる「葵祭」が今も行われています。そこで祭りに参加する人は「フタバアオイ」という葉を身につけるのですが、これが粋なんですね。光源氏が、もちろん彼は空想上の人物ですが、彼がつけたらりりしいだろうなぁ、とそんな光景を目に浮かべることができる。時空を超えて千年の昔と接点を持っているまちです。
大地 日本人の心になじむ、というんでしょうか。来るといつもホッとします。
山田 四季の移ろい、人の移り変わり、世代を超えて語り伝えられる思い。それらが創り出す普遍的な輝き。これが京都に受け継がれている魅力ではないかと思っています。


自然や環境 歴史と共生

大地 私が初めて京都に来たのは5歳の時、家族旅行だったのですが、そこで見た舞妓さんのインパクトは強烈でした。日舞をしていたこともあったと思うのですが、どういうものかも分からないまま、美しい姿にあこがれて。私の一番最初「将来の夢」は、舞妓さんになることだったんですよ。次の夢はバスガイド(笑)。
山田 京都の山並みは千年前と変わりません。また千年前の祭りがあって、人々が暮らしを営んでいく。これからの千年でもぜひ守っていきたいですね。独特の稜線、町家、石畳、京都は日本人の感性に訴えるまちとして、今も、そしてこれからもあり続けるべきです。
大地 大切にしたいですね
山田 それともうひとつ面白いのは、京都は同時に「生きているまち」であることです。常に「創り出す」んです。例えば祭りでも、平安時代には葵祭を生み出し、中世では祇園祭、明治で時代祭と続いて、最近では京都学生祭典という大学生の祭りができた。残すものは残し、新しいものを日本文化の中から創り上げていく。京都人は大胆なんですね。自然や環境、歴史と共生しながら、知恵をしぼる。そこが京都の文化であり魅力のひとつです。こちらも大切に守っていきたい。
大地 四季や伝統的な行事を大切にしている京都は日本の中でも特別なまちです。源氏物語にも四季が感じられる場面がたくさんあり、日本人として大事にしていきたい共通の価値観を感じます。
山田 今年、京都では源氏物語を通じてさまざまな事業を催します。優れた文化と伝統に立ち戻ろうと。千年にわたって伝えられてきたこのつながりに思いを寄せ、「源氏物語千年紀事業」を成功させることで、新しい京都を切り開いていきたいです。
大地 「千年紀事業」と「紫式部ものがたり」が同じ年にあるのもご縁ですね。京都の方にはぜひ舞台もご覧いただきたいです。双方を色んな視点から比べてみてください。新しい発見があると思いますよ。
 ふたつの千年紀を楽しんでいただきたいですね。
 

(だいち・まお)
女優。兵庫県出身。元宝塚歌劇団月組トップスター。
3月3日からの大阪松竹座「紫式部ものがたり」公演では主役の紫式部と光源氏の二役を演じる。  



 

 

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

電話番号:075-414-4071

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?