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インターネット知事室 知事の発言-平成26年知事年頭挨拶

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平成26年 知事年頭あいさつ 【動画を見る(外部リンク)

 

 新年あけましておめでとうございます。職員の皆様におかれましては、新年を健やかに迎えられたことと、心からお祝いを申し上げます。

知事年頭挨拶2014_1

 

 また、本日は、多賀京都府議会議長様をはじめ、府議会の皆様、市町村長の皆様、府政の推進に協力をいただいております様々な団体の皆様など、多くの皆様にもお立ち会いをいただきまして、心からお礼を申し上げます。

 今年は、正月休みが通常より長かったわけでありますが、この間も、府民の安心・安全を守るために、警察、消防、病院関係者など、多くの皆様には、休日・夜間を問わず、この年末年始にも業務に励んでいただいており、改めてお礼を申し上げます。

 さらに、中小企業の皆さんや求職中の方が安心して新しい年を迎えられるよう、中小企業の経営相談や生活・就労相談を年末の遅い時間まで実施していただいた多くの皆様にも、心から感謝を申し上げたいと思います。

 昨年を振り返りますと、全国で大きな災害が相次ぎ、その中で、京都府におきましても、9月の台風第18号により全域で甚大な被害が発生いたしました。現在、一日も早い復旧に向けて全力を挙げて取り組んでいるところですが、頻発する豪雨や南海トラフ巨大地震など、府民の皆様にとりまして、本当に安心を揺るがす状況が発生をしていると考えているところであります。

 ただ、その一方で、昨年は交通事故の死者数が70名という大変少ない数字になりました。これは昭和23年に統計を取り始めて以来、最低の数字でありまして、これまでの記録を20名以上も下回るというものでございます。かつては360名もの年間死者が出たこともあり、そして、一昨年は祇園や亀岡で悲惨な事故が相次ぐ中、警察の皆様に先頭に立っていただき、さらに教育委員会や市町村、そして各種市民団体からPTAの皆様までオール京都での取組がこうした素晴らしい成果につながった、このことを本当にうれしく思っているところであります。

 さらに昨年は、経済にもようやく明るさが見え、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定や、和食のユネスコ無形文化遺産への登録など、改めて日本の力が世界に認められた年でもありました。

 不安と希望の入り交じった2013年から、なんとしても今年は希望を実現する年にしたいものでありますが、多分、日本にとっても本当に大きな変化の年になるのではないかと考えているところであります。

 今、経済の面でも、また政治外交の面でも大きな変化が生じております。東日本大震災、そしてそれに伴う原発事故は私たちの社会に大変な衝撃を与えました。また、南海トラフの巨大地震の脅威が迫る中、連年の異常気象は京都に2年続いての大きな洪水をもたらしました。今までにない安心・安全の対策の必要性に、私たちは迫られていると思います。

 また、経済にようやく明るさが見えてきたものの、まだ地域に明るい日差しは差していないまま、4月には消費税の値上げが待っております。少子高齢化の波は容赦なく迫っており、高齢化時代の医療福祉体制の整備や、抜本的な少子化対策は待ったなしの状態にあります。

 しかも、近隣諸国とは緊張状態が続いており、その中で外交・防衛問題が国民の間に大きな議論を巻き起こしております。我が国は決して順風満帆とは言えない難しい時期を迎えており、国民の皆様の不安感は確実に高まっていると感じております。

 こうした年において、京都府のなすべきことは何かということを、私たちは年頭に当たってもう一度再確認する必要があると思います。今こそ私たちは、府民の皆様の安心を確立するため、住民福祉施策を再構築する必要があります。

 災害からの安心については、今までの枠やスピード感を超えた取組が必要であります。流域の治水を根本から見直し、天井川など危険な事態に向き合い、高度成長期にできたインフラの徹底的な再整備を行う必要があります。

 再生エネルギーから新エネルギーまで幅広いエネルギーを創り出し、エネルギーマネジメントによって省エネを徹底し、原発に依存しない社会を創っていかなければなりません。

 高齢化時代に、できる限り住み慣れた自宅で暮らしながら、医療・介護・福祉がそれぞれの皆様の状態に応じて受けることのできる包括ケアの確立を図らなければなりません。

 将来を見通した仕事にしっかりと就くことができるように、正規雇用を確保し、ライフスタイルに応じた働き方でワークライフバランスを保つことが求められています。京都の雇用を支える中小企業や伝統産業の皆様が、新しい時代に安心して仕事に励めるように人的・技術的・金銭的な支援を徹底し、女性がどんどん社会で仕事ができ、また、お子さんを産むことができるように、京都府は安心を創り出す原動力にならなければなりません。

もちろん、こうした安心創造はたやすいことではありません。全く経験したことのない大きな構造変化の中で、今までの貴重な経験や知識も活きないような状況が生まれる厳しい世界に投げ出されていくと考えることが正しいと思います。

 しかし、私たちには団結の力があります。

 この10年あまりで犯罪を半減させたオール京都の団結力があります。3000を超える地域力再生事業が成し遂げた府民の力があります。都市部では低いのが当たり前と言われたがん検診におきましても、乳がん検診は全国平均を上回るところまできました。私立の学校が強いので公立の中学校の学力は低いと言われていた学力テストも、短期間で全国平均を上回るまで持ち上げました。

 まさに、京都府の力が各所で発揮されていることを皆さんとともに確認をしたいと思います。和食の無形文化遺産に結集された京都の力、私たちには北から南まで本当に多くの人々に支えていただいていることを思い出すべきです。オール京都の体制が、地域包括ケア推進機構でも、産業育成コンソーシアムでも、ジョブパークでも府民協働防犯ステーションでも、私たちは日常的なものとして築き上げてまいりました。これはかけがえのない力です。

 京都の安心・安全を生み出す基盤はどこよりも強いと思います。府民の皆様の力、地域の力、伝統の力を信じて、私たちは新しい時代にチャレンジしていかなければなりません。それが、私たちの第一の責務であります。

 消費税率の引き上げによる景気の下振れもくるでしょう。府民の皆様の不満も募るはずであります。しかし、それだけに私たちは福祉の安全を確立するために、いただいた税金をしっかりお返しすることによって、私たちのこれからの政策という形で示さねばなりません。国の経済対策とともに、府民福祉の確立にこそ私たちの役割はあるということを訴えていかなければなりません。実現しなければなりません。

 今までにない大きな安心を創る必要があります。今までの発想を超えた安心を創る必要があります。そして、その上に京都の力を花開かせる安心を創る必要があります。

 しかし、安心だけでは十分ではありません。もう一つ皆さんに努力をお願いしたいと思います。これから私たちの暮らす社会は、ますます高齢化し、人口が減少していきます。何もしなければ、衰退の途をたどることになりかねません。こうした状況に立ち向かい、前に進んでいくために、安心の上に咲く夢と希望をもう一つの目標に掲げたいと思います。

 昨年、私は、行政、産業、大学、文化芸術、メディアの代表の皆さんと30年後の京都のありたい姿として、「京都ビジョン2040」をまとめました。その中で、将来のあるべき姿として「世界の交流首都・京都」を掲げました。何か施設を造るとか、具体的にこれをしていくとか、そうした目標ではなく、交流という一見大変地味なものを掲げました。

 しかし、交流こそ京都の未来を輝かせるものだと確信しております。人と人との交流は、「心」の関係を生み出します。科学・学問の交流は、新しい未来を創り出します。文化の交流は、平和を生み出します。産業の交流は、どこにも負けないものづくりの力を生み出します。

 幸い、交流のための基盤が整ってまいりました。いよいよ、京都縦貫自動車道が来年全線開通をいたしますとともに、平成28年度には京丹後市まで延伸し、京都の南北の背骨も出来上がります。国際埠頭が完成した京都舞鶴港には、外航クルーズ船の寄港が倍増しており、JR奈良線の複線化の第二期事業も始まってまいります。

 学研都市には今、次から次へと交流を求め、企業や研究施設が立地しています。学生祭典をはじめ、大学のまち京都に多くの若者が集まっております。和食の無形文化遺産は、また新たな京都の文化を生み出していきます。それは、宇治茶や日本酒にさらに広がりを見せていくと確信をしております。国内外からの多くの学生が集い語り合う大学のまちは、京都のかけがえのない魅力であります。

 「京都R&D・ビジネス国家戦略特区」や「医療イノベーション国家戦略特区」、京都の北から南まで進みつつある14の「みやこ構想」や「海の京都」は、交流の中に活力を生み出します。来年の「京都国際現代芸術祭」、「琳派400年記念祭」、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせた日本文化の祭典、さらに2021年にはワールドマスターズゲームズの関西での開催も決まりました。

 人の交流、産業や文化の交流が人を育て、さらに新しい文化、技術、産業を京都から生み出します。日本人のこころや生き方、伝統や文化を学ぶために世界中から様々な人が訪れる、そういう京都をめざそうではありませんか。

 そして、その中から創り出される「人」に対する思いやり、「環境」に対する優しさなど、世界の人々に共通する「こころ」が、これからの少子化やグローバル化など、私たちを取り巻く多くの課題を解決する希望になると信じております。私たちは、未来への希望をこの京都から、日本へ世界に発信していくことができるのです。それが私たちの責務だと思います。

 そのためにも府庁も進化しなければなりません。府民本位のワンストップ化を民間も交えてさらに推進し、多様な主体との連携・協働によって、「オール京都方式」という京都ならではの取組をさらに進めて多くの課題を解決し、府民の活動を支える新たな仕組みをつくり、府民の皆様のニーズにこれまで以上に迅速・的確に対応できる府庁づくりに全力を尽くしましょう。

 昨年は、やむを得ず皆さんの給与を減額することになり、大変御苦労をおかけしております。また、台風第18号災害におきまして、本当に職員の皆さんには、大変な状況の中、応急措置や被害状況調査、補正予算への対応、市町村へのボランティア支援など、迅速に対応いただきました。

知事年頭挨拶2014_2

 本当に皆さんの力は、素晴らしいものがあります。まさに私にとりまして、皆さんは、かけがえのない宝であり、私の力のすべてであります。それだけに家族や友人、職員同士のつながりはもとより、仕事の内外の様々な人との出会いを大切にして、さらに皆さんも交流を深めていただき、交流の中から希望のある京都府の未来を創り出していただきたいと思います。

 昨年3度目のエベレストに最高齢で登頂された登山家の三浦雄一郎さんは、「エベレストに登るという夢を持った途端に人生が変わった。そして、夢を持てば実現できることを改めて知った。」と述べられております。京都府庁の一人一人が、府民の安心のために何ができるのか、大きな活力を交流の中から生み出すために何をすべきかを、しっかりと考えていただきたいと思います。そして、府民の皆様とともに今年も進んでまいりましょう。未来は皆さんとともにあると思います。

 今年の干支であります「午」は、旺盛な生命力の象徴とされ、縁起が良い干支であると言われております。馬が元気に飛び跳ねるように、すべての府民の皆様とともに、未来に向かって大きく飛躍できる年にしたいと思います。

 まず、将を射んと欲すれば先ず馬を射よと、目標をしっかり持って、それぞれの仕事に取り組んでいただきたいと思います。苦しいときもあると思いますが、万事塞翁が馬と、乗り切っていただきたいと思います。馬には乗ってみよ人には添うてみよと、現場感覚を持って仕事に当たっていただきたいと思います。そして、健康にだけは馬耳東風とならないように心から願い、新年のあいさつとさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

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