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インターネット知事室 知事の発言-平成27年知事年頭あいさつ

平成27年 知事年頭あいさつ 【動画を見る(外部リンク)

 

 新年あけましておめでとうございます。職員の皆様におかれましては、新年を健やかに迎えられたことと、心からお祝いを申し上げます。

知事年頭挨拶2015_1

 

 また、本日は、多賀府議会議長様をはじめ、府議会の皆様、市町村長の皆様、そして、府政の推進に大変日頃から御協力をいただいております各種の団体の皆様など、多くの皆様にもお立ち会いをいただき、本当にありがとうございます。心からお礼を申し上げたいと思います。

 今年はいきなり、大雪で幕開けを迎えることになりました。各地で交通が乱れ、また停電や孤立した集落が出たり、転倒による救急搬送など、府民の皆様にとりましては大変なお正月になったのではないかと思います。

 この間、警察、消防、病院関係者、土木事務所など本当に多くの皆さんに府民の皆様の安心・安全を守るために、この年末年始の寒い雪の中、昼夜を分かたず業務に励んでいただき、改めてお礼を申し上げたいと思います。

 さらに、中小企業の皆様や求職中の方が安心して新しい年を迎えられるよう、中小企業の経営相談や生活・就労相談を年末の遅い時間まで実施していただくなど、本当に多くの皆さんに御尽力いただきましたことを、心から感謝を申し上げます。

 それにいたしましても、最近の異常気象は大きな脅威を私たちにもたらしていると思います。

 京都市内において積雪が20cmを超えたのは、61年ぶりだということであります。昭和29年ですから私が生まれた年、正確に言いますと、その時点ではまだ生まれていませんでしたが、それ以来の大雪となります。

 それだけではなく、京都府におきましては、3年連続で集中豪雨による甚大な被害に見舞われました。特に、福知山市では2年続けての大洪水により大きな痛手を被りました。改めて被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、今年の大きな課題として、一日も早い復旧と将来にわたっての安全確保に、国・市町村と連携し、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

 「観測史上最高」という言葉を最近どれほど聞いたことでありましょうか。今までの常識や今までの対策では、既に対応できない時代になっていることを痛感しています。

 今までの対策では対応できない事態というのは、災害だけではありません。昨年7月の全国知事会議で、私は「少子化非常事態宣言」の決議に取り組みました。地方消滅とまで言われる少子化の問題はまさに非常事態であります。さらに、急速に進む高齢化は福祉・医療のあり方を根本的に変えようとしています。

 このままでいけば、京都だけではなく日本全体が若年者の人口減と高齢化の進展に対応できないまま、衰退していくということになりかねません。残念ながら、まだこの処方箋はないというのが正直なところであろうかと思います。この事態に私たちは真っ向から立ち向かわなければなりません。

 さらに、地域の中小企業や農林水産業は、長い不況に苦しみ、また、最近の円安による利益を未だ享受できないまま、逆に原材料や燃料の価格の高騰によって厳しい状況にあります。この他にも、東京一極集中の是正や環境・エネルギー問題など、社会に大きな歪みが生じており、今、日本社会は全く未知の社会に突入しようとしています。

 こうした事態に対し、国は地方創生を大きな政策の柱に掲げました。「少子化対策」、「東京一極集中の是正」、「地域経済活性化対策」が三本の大きな柱になっています。ただ、国は一貫して頑張る地方を応援するのであり、ばらまきはしないとしています。

 私はこれに対し、「この時代において、頑張る気持ちがない地方などない。それよりも頑張ろうとしても、頑張れない地方があることを国は認識すべきであり、そうでなければ弱肉強食になる」と申し上げてまいりました。

 これからも国に対しては、真の地方創生になるように厳しく対応を求めていきたいと思いますが、そうしたことを言えるためにも京都府自身が頑張り、一層府民の皆様のために我々が尽くしていくことが、今、求められていると思います。

 将来を見通した仕事にしっかりと就くことができるように、正規雇用を確保し、ライフスタイルに応じた働き方でワークライフバランスを保つことが求められています。京都の雇用を支える中小企業や伝統産業の皆様が、新しい時代に安心して仕事に励めるように人的・技術的・金銭的な支援を徹底し、女性がどんどん社会で仕事ができ、また、お子さんを産むことができるように、京都府は安心を創り出す原動力にならなければなりません。

もちろんこうした状況の中、職員の皆さんには、この間、私は大変頑張っていただいたと感じております。

 京都府におきましては、先ほど部局長会議で報告がありましたが、昨年、刑法犯の認知件数がついに3万件を下回るまでに減少しました。私が知事に就任いたしました平成14年には約6万5千件も刑法犯の認知件数がありましたので、まさに半減どころではなく、ついに3万件を切るところまでまいりました。警察の皆様を先頭に、職員を挙げての取組や市町村や各種団体の皆様、そして府民協働防犯ステーションに代表される府民の皆様によるオール京都での取組が大変大きな実を結びました。

 交通事故死者数も、一昨年が70名で、その前年が106名でありましたが、昨年は更に下回る69名と、もう記録にない数字であり、記録を更新することができました。

 さらに、京都の観光客数も大幅な回復を見せております。円安効果もありますが、外国人の観光客数は史上最高になるでしょう。府の施設でも、府立植物園は近年最高の入園者数を記録しましたし、京都市以外でも「海の京都」観光圏に認定された府北部5市2町で開催された「海フェスタ京都」では、140万人を超える方々に来場いただきました。

 ものづくりも、国際戦略総合特区に指定され、お荷物だった「私のしごと館」が「けいはんなオープンイノベーションセンター」として動き始め、京都産業育成コンソーシアムのもと、中小企業施策の一本化も進んできております。京都ジョブパークの就職内定者は4万人を突破することができました。

 教育では、学力テストなどで、子どもたちの学力が着実に伸びていることが実感されておりますし、府立医科大学、府立大学、京都工芸繊維大学の3大学による全国初の教養教育共同化施設も完成、留学生ハウスも新たに2棟加わるなど、大学のまち・京都への進展も見られました。

 地域力再生プロジェクトは3800件を超え、府民公募型整備事業では約1万件近くの提案を行っていただきました。府民を挙げての頑張りが、京都にはあります。

 そして、今年は、府域の均衡ある発展を成し遂げるために、長年の悲願でありました京都縦貫自動車道も、いよいよ全線開通を迎えることになりました。京都舞鶴港の整備やJR奈良線の複線化事業など、人とモノの交流基盤の整備が着々と進んでいます。

 本当に皆さんには頑張っていただきました。

 ただ、私たちは、この頑張りの上に、さらに頑張りを重ねなければなりません。

 緊急防災対策には、国・市町村と連携し、府民の皆様にしっかりと現状をお知らせしながら、とにかく命を守るために、今年も全力を尽くしましょう。

 その安全の上に、子どもを産みたい人が何の躊躇もなく産め、京都全体で子育てを支え、そして、育った子供たちがこの京都で自分に合った教育を受け、未来に向かって自分を活かすことのできる仕事に就く。そして、また家庭を育み、高齢者になった時には、生きがいを持って暮らすことができ、いざとなったら医療・福祉がしっかりと支え、看取りまで安心して人生を送れる・・・こんな京都を、私たちは今、創らなければなりません。

 日本の技術の粋、伝統産業を再生し、農林水産業の六次産業化や循環型の環境政策を通じ、未来に向かって持続可能な京都への挑戦を、さらに進めなければなりません。

 「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「クール京都」など北から南まで、京都の魅力を日本に、世界に、発信しようではありませんか。

 若者も高齢者も、女性も男性も、みんな輝く京都を創りましょう。

 新たな時代の「安心」を確立し、北から南までの京都の資源と魅力を活かし、広範な「交流」による「未来」を創り上げていかなければなりません。

 今年は「琳派」の誕生から400年であります。日本の美に大きな影響を与え、世界を魅了した琳派400年の「記念祭」とともに、「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」によって、京都文化の新時代のスタートを切りましょう。

知事年頭あいさつ2015_3

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック、その前年のラグビーワールドカップ、そして2021年のワールドマスターズゲームズ、その前には全国育樹祭もあります。

 私たちには、誰にもまねのできない力があります。京都の力があります。次世代のために、それを発揮する責務が私たちにはあります。

 「安心」と「交流」の向こうに「新しい京都」があります。そのために皆さんの力をお貸しいただきたいと思います。皆さんの力を活かしてください。それが京都の創生だと思います。

 確かに財政は厳しい、人はそう簡単に増やせない。今の仕事だけで精一杯と思うかもしれません。しかし、それで終わってしまえば、もう京都府という組織は必要ないのかもしれません。世の中の大きな変化は、これまで前提としてきたことが通用しない時代をつくっています。

 私たちが抱える課題は、あまりにも大きく、厳しいと思います。しかし、私たちが今、ここで立ち向かっていかなければ、誰が京都府の将来を創り、守ることができるのでしょうか。

 出来ない言い訳は、いくらでも出来ます。しかし、苦しい状況の中でも少しでも、3万人の職員の皆さんとともに小さな一歩を前進させたいと思います。それが京都の大きな未来を創ると思います。

 最後にお願いがあります。そのためにも、何よりも皆さんが心身ともに健康でなければなりません。どうか皆さんには、健康に万全の注意を払っていただきたいと思います。そして、日頃から職員同士で、日々助け合い、支え合いながら仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 「未(ひつじ)が来る」と書けば、それが「未来」になります。私たちは「京都の力」を信じ、未来への希望をここ京都から創り上げていくために、今年一年楽しく、明るく進みたいと思います。

 平成27年が、京都府とすべての府民の皆様にとって、京都未来創生の年になることを願って、新年のあいさつとさせていただきます。

  御清聴ありがとうございました。

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