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インターネット知事室 知事の発言-平成28年知事年頭あいさつ

平成28年 知事年頭あいさつ 【動画を見る(外部リンク)

 

 新年あけましておめでとうございます。職員の皆様におかれましては、平成28年の新年を健やかに迎えられたことと、心からお祝いを申し上げます。

知事年頭挨拶2016_1

 

 また、本日は、植田府議会議長様、巽副議長様をはじめ府議会議員の皆様、市町村長の皆様、そして、府政の推進に御協力をいただいております団体の皆様など、多くの皆様にもお立ち会いいただき、誠にありがとうございます。

 まず、警察、消防、病院関係者など本当に多くの皆様に、休日・夜間を問わず、この年末年始も府民の皆様の安全のために業務に励んでいただきましたことに対しまして、心から感謝を申し上げます。こうした皆様の努力があってこそ、京都府政の信頼の元があるのではないかと感じている次第であります。

 さて、昨年は、長年の悲願でありました京都の南北軸、京都縦貫自動車道が、着工から34年という長い年月を経て全線開通いたしました。この完成により、30年前には、宮津から京都まで3時間程度を要していたものが、半分の1時間30分に短縮されました。安心・安全の確立はもとより、物流や交流人口の拡大、企業立地から地域振興まで、本当に多くの効果が期待できますし、実感できるようになりました。

 この開通を期し、北部7市町において4ヶ月にわたりまして「海の京都博」を開催いたしましたけれども、府北部の主要な観光地では、一昨年も舞鶴で「海フェスタ京都」を行いまして大勢の人を集めたのですが、夏季観光シーズンにおける観光客が昨年に比べ約3割増、とりわけ4月にリニューアルした丹後王国「食のみやこ」では約5倍となるなど、大きな成功を収めることができました。この間、携わった多くの皆様にお礼を申し上げます。

 そして、上下分離方式の導入で新たな姿に生まれ変わった「京都丹後鉄道」や、京都舞鶴港では日韓露の国際フェリー航路の開設、3千人規模のクルーズ船の寄港など、人や物の交流がより一層活性化する環境が整い、「大交流」時代の幕開けとなりました。

 南部においても、学研都市に多くの企業が立地し、ほとんどの地域で用途が決まりまして、いよいよ都市としての完成の時期を迎えることができました。「私のしごと館」改めKICKも順調に稼働し始めるなど、学研都市が日本のイノベーションの中心として、今、確固とした地位を築こうとしています。

 こうした事業は、林田知事、荒巻知事、そして私たちが38年間の歳月をかけて作り上げてきたものでありまして、政治・行政というものが、目の前の事にとらわれるだけではなく、次の世代、次の次の世代を見つめて、長い時間をかけて練り上げていかなければならないものであることを実感した年でありました。

 改めて、先人・先輩の皆さんの努力に対して心から敬意を表しますとともに、今その責務を負っている私たちが、こうした先輩の達成された、先輩たちが一生懸命、志を高く持って作り上げてきた京都をさらに発展させていく、さらに未来へ前進していく、そういう年にしなければならないと、思いを新たにしているところであります。

 こうした思いも含めまして、私たちは、昨年、京都の未来を見据えた総合戦略を作り上げました。これは、10年間の将来を考えた「明日の京都」、そして2040年のありたい姿を考えた「京都ビジョン」を踏まえて、かくあるべき京都の姿を求めたものであります。

 特に京都で厳しい少子化への対策や高齢化対策、京都の活力の源である中小企業への対策を通じた京都経済の確立、そして京都だからこそできる東京一極集中の打破、そのために北から南まで全ての市町村・地域や多くの皆様との絆と協調の確立を目指し、オール京都でこの戦略を作り上げました。

 今年は、この地域創生の実質的なスタートの年、まさに京都の将来がかかった年であります。今こそ私たちは、少子化に歯止めをかけ、子育て環境を改善し、雇用の質を上げ、若者の就労支援を行い、中小企業のイノベーションと観光のさらなる躍進、農林水産業の六次産業化など将来への道を切り開き、文化という京都の宝を日本の強みに高めていくべき年であります。

その中核を担うのが皆さんです。しかし、どれをとっても大変険しい道であります。なぜなら、こうした道は、私たちが今まで全く経験したことの無いことばかりだからです。東京一極集中や今までにない人口減少に直面する私たちの社会、高齢化の急速な進展、国際化に戸惑う中小企業、雇用形態の変化など、こうした課題の根底には、私たちが当たり前と思っていることが通用しない現実があり、社会構造が硬直化しているという現状があります。

 夫婦・子ども2人を標準とする世帯モデルは、もはや過去のものとなりました。一番多い世帯が一人世帯、二人世帯であります。大手企業を志向する就労意識は、若者の未来を狭めています。正規と非正規就労の賃金格差、子どもの貧困の連鎖、太平洋側に比べ日本海側のインフラ整備の遅れによる地域間格差など、私たちの社会を歪めているそうした現実に、今こそ目を向けなければなりません。

 さらに、ICT、IoTの進展、国際化、超高齢化社会の到来など、大きな社会の変化に私たちはついて行かなければなりません。

 私たちを取り巻いている現実は急速に変わりつつあります。この視点を持たず、ただ漫然と行政を進めてしまえば、地方創生の取組も後追いの対症療法に止まってしまい、根本的な解決には至らないと思います。

 言うのは簡単ですが、これほど難しい話はありません。せっかくの今までの皆さんの経験や積み上げてきたノウハウが役に立たないことほどつらいことはありません。

 もちろん、こうした経験やノウハウが全てだめになるとは考えておりません。しかし、視点を変えることは必要であります。もう一度、今のやり方でよいのか、是非とも見直すことが必要です。「故きを温ねて新しきを知る」という有名な言葉があります。この場合、「温ねて」という言葉は「温める」という意味でもありますので、故(ふる)いことを大切にしながらも新しいことを知って進んでいく、更に言えば、私たちが「温ねる」のは府民であり、府民を温ねて新しきを知る、このことを徹底する年にしていただきたいと思います。

 京都の地域創生戦略では、少子化問題や子どもの貧困対策、若者の就労支援など、京都の「人づくり文化」を確立していく。マネーゲームにはない真の豊かさを取り戻すため、産学公の力を結集して産業を発展させ、京都の豊かな農林水産資源を六次産業へと進化させる「産業文化」を育成する。京都ならではの、伝統・文化に恵まれた大都市と豊かな自然をもつ田園の両方の魅力を享受できる、ある意味で贅沢な「京都ぐらし文化」を生み出す。そして、こうした文化を統合し、京都が多様性に富み、躍進的な地域として魅力を世界に発信できる「地域づくり文化」へと昇華させていくことを目標にしています。

 今まで通りにやっていても未来は来ません。それどころか、邪魔になるだけです。一生懸命仕事をしていて邪魔になることほど悲しいことは無いと思います。新しい京都の文化、価値観を実現するのは皆さんです。皆さんがその主体になれる、皆さんがその主導権を握って京都の未来をつくっていく、これこそ、京都府庁で働く者の誇りであり、喜びであると思います。全力をもって、共に新しい時代に立ち向かってまいりましょう。

 京都には、どこにも負けない力があります。京都には素晴らしい資源があります。そして、今まで皆さんがやり遂げてこられた多くの実績があります。

知事年頭挨拶2015_2

 今年は、今では年間1万2千人を超える皆様が参加する森林保全運動へと発展したモデルフォレスト運動が10周年を迎えます。京都ジョブパークの就職内定者は5万人を突破しました。地域力再生プロジェクトは4千6百件を超えます。1万1千件以上の提案をいただいた府民公募型整備事業。中学校の学力テストは、全国36位から12位まで飛躍しました。犯罪の発生件数は、私が就任した平成14年は6万5千件でしたけれども、平成27年は2万4千件まで減らすことができました。

 私たちには実績があります。後は、新しいことを恐れず、自らの力を信じチャレンジできるかどうかです。挑戦なくして前進なし。立ち止まることは京都の未来を閉じることです。

 幸い、昨年は、府内で大きな災害はありませんでした。しかし、全国各地では大きな水害があり、南海トラフ巨大地震の発生も高い確率で見込まれています。犯罪も、さらに減少させなければなりません。エネルギーについても、これからしっかりと安心を確立していかなければなりません。

 28年度は、新名神高速道路の城陽・八幡間、山陰近畿自動車道「野田川大宮道路」の開通が予定されています。東京オリンピック・パラリンピックに向け、秋には京都でスポーツと文化の国際フォーラムが開催されます。1千9百万人を突破した訪日外国人客は、今後さらに増えると思います。

 今年は、「森の京都」の年でもあります。府域の4分の3を占める森林は、水を清め、空気を創り、災害を防ぎ、さらには貴重な木材資源を提供してくれています。今年は新たに、由良川・桂川上中流域が国定公園に指定されます。そして、秋には「全国育樹祭」を中心に「森の京都博」が行われます。

 多くの挑戦が、今年も私たちを待っています。

 本日、通常国会が招集され、経済対策などを盛り込んだ本年度の補正予算や、来年度の当初予算などの審議が始まります。今も、世の中はどんどん動いております。職員の皆さんには、年始早々ではありますけれども、大変御苦労をおかけすることになると思います。

 そのためにも、何よりもまず皆さんが心身ともに良好な状態を保っていただきたいと思います。どうか皆さんには、健康に万全の注意を払っていただきたいと思います。そうはいっても、いろいろな課題・ストレスはありますので、職員同士で支え合い、話し合って、お互いにしっかりとスクラムを組んで仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 今年の干支は「申(さる)」でありますけれども、人という字を付ければ「伸びる」という字になります。本年が「京都流 地域創生」の芽を伸ばし、京都を支える大木へと伸びる一年となるよう心から願っております。改めまして、今年一年の皆様の健康、そして京都府のために全力を尽くしていただくことを心から願い、新年のあいさつとさせていただきます。

  御清聴ありがとうございました。

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