室町時代の公卿で古典学者であった一条兼良(いちじょうかねら)が、応永29(1422)年頃、宮中の年中行事のあり方とその根源・由来について記したもので、盛んに利用され、その注釈書も書かれました。 展示資料は、蔵書印や奥書から推測すると、出納(すいとう)中原(平田)家が江戸時代の初期(17世紀初)に書き写して所蔵していたと思われる写本です。 平田家は蔵人方の地下官人60余家を取り締まる立場にあり、儀式・公事の基本資料として必携すべき有職故実書だったのでしょう。 −展示箇所−四方拝について正月元日に行われる宮廷行事。天皇が寅刻(午前5時頃)に清涼殿の東庭に出て、天皇の属星、天地四方の神霊や父母の天皇陵などの方向を拝し、その年の国家・国民の安康、豊作などを祈る儀式。 |