京都で働きたい医師・医学生の方へ 京都で暮らし、京都で築くメディカルキャリア
KMCCキャリアパスのススメⅣ
京都の救命救急センターを訪ねて
卒後3年目以降の後期研修をサポートする「KMCCキャリアパス」は、全国でも屈指指導医のもと、救急科専門医資格の早期取得をめざすなどの魅力的なキャリアプランです。KMCCキャリアパス救急科コースの研修施設の核となる救命救急センターで活躍されている先生方に、それぞれのセンターの特徴、救急医療の魅力について語って頂きました。
2013年2月取材
重症患者の急性期治療を専門に行う救急医療 |
|
|
京都第二赤十字病院救急部長飯塚 亮二先生 #01 |
京都における災害医療の先端を
|
|
|
京都第一赤十字病院救急科部長髙階 謙一郎先生 #02 |
救急医療の「標準」を求めて! |
|
|
国立病院機構救命救急センター長 |
#01
重症患者の急性期治療を専門に行う救急医療
京都第二赤十字病院 救急部長 飯塚 亮二先生
京都府庁の南、けやき並木沿いにある京都第二赤十字病院の救命救急センターは、昭和53年に京都で最初に設けられました。 当センターの役割は救急患者に初期治療を施し、高度な集中治療を通して急性期を離脱することにあります。30歳前後の医師たちをメインに7名の救命医が働いています。なかには多発外傷の手術ができる先生、血管内治療ができる先生もおり、全国的にみても大きな特徴といえるでしょう。 また日ごろから積極的に勉強会に参加するなどして、教育に力を注いでいます。 |
|
米国外科学会のATOM(外傷外科トレーニングコース)に定期的に参加し、重症の外傷においてはダメージコントロール手術(Damage control surgery,DCS)術式を選択し救命率の向上を図っています。特に塞栓術などを併用する血管内治療が救急科内にて完結できるのが当院の特色の一つです。
救急医療のやりがいは、自分が関わることで目の前の人の命をすぐに救うことができる、あるいは回復へ方向付けることができること。昨今、各科の専門性が強まっていますが、多様な分野が診られる救命医のスキルは今後救命医を目指す先生に限らず、専門科へ進む先生方にとっても大きな力になると確信しています。
|
|
|
#02
京都における災害医療の先端を担う
京都第一赤十字病院 救急科部長 髙階 謙一郎先生
|
|
東福寺のほど近くにある京都第一赤十字病院は、脳卒中センター、腎透析センター、総合母子周産期センターなどを擁した病院で、京都府の災害医療の中心となる基幹災害医療センターにも指定されている医療機関です。 当院の救命救急センターの主な特徴は、市内の救命救急センターとしては唯一ヘリポートがあること。1分1秒を争う救命救急の現場にとって、また災害が起こった際の運搬手段として、当センターのヘリポートは大きな影響力をもっています。 |
救命救急センターで働く医師は8名。24時間365日、各診療科のバックアップのもと、患者さんの治療にあたっています。
一方で定期的にICLS(蘇生トレーニングコース)やJATEC(外傷初期診療トレーニングコース)といった研修会を開催し、さまざまな分野の先生方との交流も行っています。また今後は、東日本大震災の際に災害派遣医療チームとして現地で行った医療活動などの経験を活かして、災害医療をテーマにした勉強会にも力を注いでいきたいと考えています。
救命救急センターで培った力は、日本のみならず世界中どこでも通用します。研修医の先生方には、今はとにかくさまざまな疾患を診ていただきたい。そして多くの人の話を聞き、多くの情報を得て、今の自分の立ち位置やその後の進路などを決めていってほしいと思います。
|
|
|
#03
救急医療の「標準」を求めて!
国立病院機構京都医療センター 救命救急センター長 金子 一郎先生
藤森駅から徒歩約8分、大岩街道沿いにある京都医療センターは明治41年からの歴史がある病院。39の診療科、600の病床をもち、京都市のみならず近隣市からの受け入れも積極的に行う京都府南部地域の基幹病院です。 当院の救命救急センターは昭和59年に開設されました。現在、当センターで働くのは救命救急科の8名の医師たち。救急医学会専門医や救急医学会認定指導医もおり、24時間365日、各科の協力を得ながら交代で質の高い治療、管理にあたっています。救命救急センターには救命救急科の他、循環器チーム、脳卒中チームの医師が専従しており、標準的救急医療を目指し努力しています。 |
|
|
|
また当センターは日本救急医学会専門医指定施設の指定も受けており、日々専門医の育成にも尽力しています。 救急医療の現場は、外傷はもちろん多種多様な疾患に対し速やかな診断、適切な治療が求められる大変な現場です。しかしさまざまな知識や経験が身につく場でもあります。そのようなあらゆる病態の患者に対応できる環境で、「救急専門医」を目標に経験豊富な医師と若い世代の医師が多方面からサポートしま す。また病院全体でも研修医の先生方に安心してトレーニングしていただけるよう、研修環境づくりにも力を注いでいます。 |