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重点的な被害防止対策ーアライグマ・ヌートリアー:外来生物対策マニュアル:京都府 外来生物情報

特定外来生物の中でもアライグマ、ヌートリアによる被害は近年特に増加しています。これらの個体数の拡大を抑え、被害を未然に防ぐためには、重点的な対策が必要です。

3.1 アライグマ

3.1.1 基礎情報

(1)国内(府内)への移入及び定着の経緯

アライグマ本種の国内への移入は、昭和37年(1962年)に愛知県犬山市の動物園飼育個体が野外に逃亡(12頭)したことに始まります。
1977年にはアライグマを題材にしたテレビアニメによってペットしての人気が高まり、多くの個体が輸入されました。この頃から飼いきれなくなって野外に放されたり、飼育檻から逃亡したりするケースが続出し、各地で野外への定着が進みました。
人間の生活圏を積極的に利用して定着するのが特徴です。本種は民家周辺から河川沿いまでの様々な環境に生息地を拡大し、現在では42都道府県で生息情報があるといわれています。京都府内でも、全市町村で生息情報があります。

(2)形態的特徴

  • 頭胴長は42~60cmで、体重は4~10kg で、毛色は灰色~明るい赤褐色です。
  • 尾には5~10 本の黒い輪があり、ふさふさしています。
  • 灰白色の顔に両眼を覆うような黒い帯が目立ちます。
  • タヌキやアナグマと誤認されることもありますが、ふさふさした尾の形状と縞模様で区別できます。
アライグマの形態 アライグマの顔(左)と、尾(右)

(3)生態及び生息環境

  • 夜行性で、森林や湿地帯から市街地まで多様な環境に生息しますが、一般的には水域に近い場所を好みます。
  • 近年、住宅地や林縁部に多く生息し、住宅の屋根裏、納屋等を営巣場所としている例が多くみられます。
  • 食性は雑食性で、昆虫類、魚類、小動物全般から果実・野菜・穀類まで食性の幅は広いといわれています。
  • 寿命は、野生では5年程度、飼育下では13~16年で、天敵は知られていません。

(4)繁殖生態

  • 出産期は春で、一度に出産する数は通常3~6 頭ですが、流産や出産初期に仔が死亡した場合は、再度出産することもあります。
  • 妊娠期間は約2ヶ月、子どもは生後1~2年で成熟します。春~秋にかけては、当歳仔が雌(母親)とともに行動するといわれています。

(5)行動特性

  • 幼獣のうちは人間になついてかわいいですが、成獣になると気が荒く凶暴になり、力も強くなります。
  • 学習能力が高く、手先が器用です。
  • 捕獲罠にかかった個体は気が荒くなるので、取り扱いには注意が必要です。

(6)特徴的な痕跡

  • アライグマは指が長く、足跡には5本指の跡がつき、条件が良ければ指の先端に比較的短い爪跡が残ります。前足の長さは約5.5cmで幅は約6.0cm、後足の長さは約6.5~8.0cmで幅は約5.0~6.5cmです。
  • 足跡には5本の指が目立ち、幅広い印象を受けます。
  • 柱や板に登る際には、爪あとがつきます。
アライグマの痕跡

アライグマの足跡

アライグマの爪あと

3.1.2 生息情報

アライグマの生息情報は、府内全ての市町村から得られています。
広い範囲に分布しているため、被害の拡大と、さらなる分布域の拡大、生息数の増大が懸念される状況です。

出典:
平成18年度自然環境保全基礎調査 種の多様性調査(アライグマ生息情報収集業務)生息情報収集アンケートによるアライグマ全国分布図:京都府(速報版)(環境省自然環境局 西部ツタ保養性センター)
京都府内における捕獲実績(京都府調べ)

3.1.3 捕獲状況

(1)捕獲数の推移

平成13年度から平成18年度までの府内でのアライグマ捕獲数の推移を右図に示します。
アライグマは主に有害鳥獣として捕獲されており、繁殖力が旺盛で、日本には天敵がいないため個体数が激増していると考えられます。捕獲数は平成15年頃から急激に増加し、平成18年度の総捕獲数は、府内で577頭でした。

(2)地区別捕獲数

平成13年度から平成18年度までの府内での地区別アライグマ捕獲数の推移を下図に示します。
アライグマの捕獲数は、中丹地域、南丹地域で特に多く、近年急激に増加しています。

3.1.4 被害状況

アライグマの屋根裏への侵入痕跡府内での被害は生息分布域として知られている各地で確認されています。

農作物等の被害

  • スイカ、トウモロコシ、ブドウなど農作物や果実、養魚場の魚等を食害します。
  • 京都府におけるここ数年の農業被害額は水稲や野菜を中心に年間約500万円です。

生態系への影響

  • 湿地の両生類やは虫類、鳥類の卵を食べるため、在来の生態系への影響が懸念されます。

人体への影響

  • 近年はアライグマ回虫症など感染症を媒介することが知られています。
  • 人家や社寺に侵入して巣を作り繁殖します。この際、屋根裏などがふんで汚染されます。

3.1.5 自衛策

(1)早期発見

  • 地域で目撃情報の収集・把握に努めるなど、地域ぐるみで被害予防に取り組むことにより、被害の事前回避、軽減が可能です。

(2)誘引条件の排除(生ゴミ、廃果、未収穫物)


祠のお供えものの例

  • 一見かわいい、珍しいからといって、えさを与えてはいけません。
  • えさとなるものを放置してはいけません。えさを与えているのと同じになります。
  • 犬や猫などペットのえさの食べ残しを放置してはいけません。
  • ゴミ集積場では、ネットをかけ、ゴミ出し時間を厳守します(特に夜間に出してはいけません)。
  • 農作物は収穫時期に達したら早めに収穫します。
  • 農地での廃果や生ごみ(収穫残渣)は放置せず、持ち帰って廃棄するようにします。
  • 被害が一度発生すると常習化し、被害箇所を中心に新たな被害地拡大のおそれがあるため、注意が必要です。
  • お墓のお供えもの、ハイキングやバーベキューでの生ゴミなどは持ち帰ります。

(3)収穫時期の集中的対策

  • アライグマはトウモロコシやスイカなど甘みのある作物を好み、主に収穫期に食害します。
  • アライグマによる農業被害は、収穫時期の少し前から収穫が終わるまでの短期間に集中して対策を行うことで、効果的に防ぐことができます。

(4)柵の設置

a)電気柵
  • 電気ショックによる忌避効果のある電気柵が最も有効です。
  • 電気柵は、周囲の安全に十分注意して設置します。電線がたるみ雑草と接触すると漏電で効果が低下します。
  • 架線は地面から約10cm間隔で3~4本が目安です。
b)網囲い・トタン囲い

  • アライグマが飛び上がっても手が届かないよう、柵の高さは1.5m以上にします。網を使った場合、アライグマは柵を登ることができるので、上面にも網を張ります。網のすそは、アライグマが潜り込まないよう、重いものでしっかりと押さえます。トタンであれば、接地面を20~30cm程度埋めると下からの潜り込みを防げます。
c)その他
  • アライグマは池のコイや養殖魚を補食しますので、池を細かい金網で覆います。アライグマは手先が器用なので、金網が外されないよう、しっかり固定する必要があります。
  • 果樹被害を防ぐには、根際に有刺鉄線やネズミ返し、トタンを巻き付けることも有効です。

(5)営巣場所・隠れ場所の排除

アライグマが侵入した祠の例

  • 廃屋、空き家等はアライグマの営巣場所となるため、そのような条件をつくらないようにします。
  • 耕作地や民家の周囲の見通しを良くし、隠れ場所をなくします。
  • 侵入ルートとなる田畑周辺の草地は刈り取り、営巣の可能性の高い廃小屋などの構造物は取り除きます。
  • 侵入を確認した場合、室内用の殺虫剤を炊き込め、追い出します。床下や土台の換気口から侵入するおそれがあるため、定期的な点検・修理が必要です。

3.1.6 捕獲方法

アライグマの駆除は、中型ほ乳類用の捕獲器を用いた捕獲により実施します。
なお、捕獲は外来生物法の防除計画に基づいて実施するか、鳥獣保護法の許可を受けて行う必要があります。

(1)捕獲器の設置場所

  • 人が利用している山道やU字側溝などを利用して移動することが多いため、アライグマの侵入経路上に捕獲器を仕掛けるようにします。
  • 足跡、ふん、食痕などのフィールドサインを探してアライグマの移動経路に捕獲器を設置すると効果的です。

(2)誘引えさ

  • 誘引えさとしては、甘い菓子、トウモロコシ、果物、パンなどを使用します。
  • 魚や魚介類など、ネコが好む食品の使用は避けます(錯誤捕獲の原因となります)。
  • 捕獲器設置直前にえさを少しまいて、えさを食べにくることを確認後、翌日設置すると高い捕獲効率が期待できます。

(3)取り逃がしの防止

捕獲器の例

  • アライグマは手先が器用なので、ふたを持ち上げて逃げる可能性があるため、ふたに返しをつけて開かないようにします。
  • 非常に力が強く金網に穴を開けることもあるので、できるだけ丈夫な捕獲器を使用するようにします。

(4)捕獲器の設置期間

  • 設置期間は、1~2ヶ月程度が目安です。

3.1.7 防除実施計画

野外に生息するアライグマを放置しておくと分布を拡大しながら様々な被害を及ぼすおそれがあります。外来生物法では、特定外来生物が被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある時には、必要に応じて防除を実施することとされています。
防除を行うときは、主務大臣(アライグマの場合は環境大臣と農林水産大臣)に防除の確認(国及び地方公共団体以外の者が防除を受ける場合は認定)を受ける必要があります。防除の確認を受けるときには、防除実施計画書を作成し、主務大臣あてに申請する必要があります(環境省近畿事務所及び農林水産省近畿農政局に申請)。以下に防除実施計画書に記載する項目と考え方について説明します。

京都府内では、長岡京市、京都市、亀岡市でアライグマの防除計画が策定されています。

防除実施計画書に記載する項目及び考え方

1 特定外来生物の種類

防除対象となる種名と学名(アライグマ:プロキュオン・ロトル)を記載します。

2 防除を行う区域

防除を行う区域を記載します(縮尺5万分の1程度の図面を添付)。なお、計画的な防除はアライグマが広範囲に蔓延し、被害を及ぼしている(恐れがある)場合に行われるため、被害低減に向け機動的に対応するには市町全域を区域とすることが望ましいです。

(参考)
府内で計画が策定されている3例ともに全市域が防除区域です。

3 防除を行う期間

防除を行う期間を記載します。普通3~5年間程度です。

(参考)
長岡京市:
平成18年5月24日から平成23年3月31日まで
京都市:
平成19年4月1日から平成23年3月31日まで
亀岡市:
平成19年9月13日から平成23年3月31日まで

4 防除の目標

本計画の防除区域内における最終的な目標を記載します。アライグマ被害が軽微な場合と、甚大な場合で目標は異なりますが、「地域からの排除」若しくは、「被害の低減、個体数の減少」を目標とします。

(参考)
新たな定着又は生息域の拡大をふせぎ、最終的には防除を行う区域から完全排除することを目標とするが、当面の目標としては防除区域における被害の低減を図ることとする。

5 防除の方法

防除を行う際の方法や留意事項について個別に記載します。

(1)調査

防除区域内の生息状況調査の結果を記載します。

(参考)
防除を行う区域において捕獲実績や被害状況により、対象となる特定外来生物の生息分布等を把握したところ別添のとおりであった。今後防除の実施と平行して詳細な生息状況及び被害状況の調査を行い、効率的な防除を進める。
(2)捕獲の方法

捕獲猟具(わなを使用するなど)や捕獲従事者、捕獲した場合の対応方法について記載します。

(参考)
被害があった地域で捕獲要請があったところを中心に捕獲用箱わなを設置し捕獲を実施する。その方法は次のとおりである。
  • 捕獲に従事するものは特定外来生物防除計画の捕獲従事者として届け出る別紙名簿のとおりとする。
  • 従事者は餌を入れた箱わなを設置し監視する。対象わなでアライグマが捕獲された場合は、速やかに市役所内に設置する一時保管所へ移送する。その後、安楽死処理する所定の動物病院などへ移送して安楽死処置後その遺体を処分する。
(3)捕獲の際の留意事項

捕獲時の留意事項(鳥獣保護法との関係や捕獲猟具に関すること)を記載します。

(参考)
捕獲の際は次の事項に留意して行う。
  • 錯誤捕獲及び事故の発生防止に万全の対策を講じ、事前に関係地域住民等に周知を図るとともに、本法に基づく防除を実施していることを証する書類の携帯をする。
  • 防除に使用する捕獲猟具には猟具ごとに本法に基づく防除のための捕獲であることを証明するため、防除実施者の住所・氏名・連絡先等を記載した標識等を捕獲用ワナに装着する。
  • 鳥獣保護法の第2条第5項に規定する狩猟期間中及びその前後における捕獲にあたっては、同法の第55条第1項に規定する登録に基づき行う狩猟又は狩猟期間の延長と誤認されることのないよう適切に行う。
  • 捕獲用箱ワナに餌を入れて捕獲を行う場合は、他の鳥獣を誘引し、結果として捕獲業務の円滑な進行を妨げることのないよう適切におこなう。
  • 鳥獣保護法の第12条第1項又は第2項で禁止・制限された捕獲は行わない。(保護鳥獣の捕獲等はしない)
(4)捕獲した個体の処分方法

捕獲された個体を何処でどのように処分するのかを記載します(飼育か殺処分か)。処分する場所への運搬方法についても記載します。

(参考)
捕獲した個体はすべて処分場所(指定動物病院等)へ搬送し、できるかぎり苦痛を与えない方法(麻酔薬大量投与による安楽死)により殺処分する。
なお、捕獲して殺処分した後の個体は原則として焼却処分するが、学術研究等のために必要と認められる目的で学術機関等から譲り受ける旨の目的で要請があった場合は、譲り渡すものとする。
(5)モニタリング

防除の効果を点検するためのモニタリング実施方法を記載します。

(参考)
防除の実施と並行して従事者による生息状況の観察と被害状況にかかる地域住民からのヒアリングにより、防除の効果を点検するとともに、その結果を防除の実施に適切に反映するように努める。

6 普及啓発

防除実施に対する市民への普及方法について記載します。

(参考)
府と連携して、講習会の開催やパンフレットの活用などにより、住民、農業者等に対しアライグマの生態等の基礎的知識、被害予防対策等の普及啓発に努める。
また、防除実施内容については広報誌やホームページへの掲載を行う。

3.2 ヌートリア

3.2.1 基礎情報

(1)国内(府内) への移入及び定着の経緯

本種は南アメリカ原産種ですが、明治38年(1905年)に上野動物園へ初めて輸入され、昭和14年(1939年)~昭和24年(1949年)まで軍服用などの毛皮獣として、各地で盛んに養殖されました。しかし、終戦とともに需要が減少し、養殖場は相次いで閉鎖されました。その当時養殖されていたものは野外に放逐され、主に西日本に定着しました。京都府内では北中部を中心に生息が確認されており、近年目撃例が増えています。

(2)形態的特徴

  • 眼や耳は小さく大きなドブネズミのような体つきです。
  • 前・後足ともに鋭い爪があり、後足は前足より長く水かきがあります。
  • 頭胴長は成獣で雌雄とも50~70cm、尾長は35~50cmです。
  • 体重は成獣で雌雄とも平均で4~5kg程度です。
  • 毛色は灰褐色で、尾は扁平でなく円筒状で長く、黒くて毛がありません。

(3)生態及び生息環境

  • 本来は夜行性ですが、昼間でもえさを食べているところがよく観察されます。
  • 主に水辺の植物の葉、茎、地下茎等を食べます。
  • 池沼や河川の中・下流域の流れが緩やかな場所の周辺に巣穴を作り繁殖します。
  • 天敵は知られていません。

(4)繁殖生態

  • 特定の繁殖期はありません。
  • 年に2~3回出産し、産仔数は1回あたり2~6頭と繁殖力はおう盛です。
  • 妊娠期間は約130 日で仔は生後6~7ヶ月で成熟します。生後6ヶ月程度は母子で行動をともにするといわれています。

(5)行動特性

  • 泳ぎが得意で、水面を泳いでいる姿をよく見かけます。5分程度の潜水が可能です。
  • 陸上では主に水際を移動し、水辺を離れての行動範囲はあまり広くないといわれています。

(6)特徴的な痕跡

  • ヌートリアの前足の長さは約6.0cmで幅は約5.0cm、後足の長さは約12~15cmで幅は約7.0~8.0cmです。後足の第2~5指の間には発達した水かきがあります。
  • 前足跡は4本の指が目立ち、後足跡は柔らかい泥地では爪とともに水かきの跡が残ります。
  • ふんの長さは3~4cm程度で、形はウインナーソーセージ状、色は緑色から黒褐色です。
  • 繁殖や休息、避難の場所として土手などに直径20~30cm、奥行き1~6mの枝分かれしたトンネル状の巣穴を掘ります。
ヌートリアの痕跡

ヌートリアの足跡

ヌートリアの後足

ヌートリアのふん
 

3.2.2 生息情報

ヌートリアについては、以下の市町村で生息が確認されています。

丹後地域:
京丹後市、宮津市、伊根町、与謝野町
中丹地域:
舞鶴市、福知山市、綾部市
南丹地域:
南丹市、亀岡市、京丹波町
京都地域:
京都市

なお、山城地域の八幡市、南山城村では、目撃情報が得られています。

出典:
京都府内における捕獲実績(一部目撃情報を含む、京都府調べ)

3.2.3 捕獲状況

(1)捕獲数の推移

平成13年度から平成18年度までの府内でのヌートリア捕獲数の推移を右図に示します。
ヌートリアは主に有害鳥獣として捕獲されており、捕獲数は平成15年から増加傾向が続いています。平成18年度の総捕獲数は、府内で316頭でした。

(2)地区別捕獲数

平成13年度から平成18年度までの府内での地区別ヌートリア捕獲数の推移を右図に示します。
ヌートリアの捕獲数は、地区ごとに年度によって増減しますが、丹後地域、中丹地域で多くなっています。

3.2.4 被害状況

府内での被害は生息分布域として知られている各地で確認されています。

生態系への影響

  • 在来の水生植物や二枚貝を採食するため、タナゴ類をはじめとする魚類など、在来の生態系への影響が懸念されます。

左:ヌートリアにより食害を受けたと考えられるミクリ(希少植物)、右:ヌートリアにより食害を受けたと考えられるヨシ(水辺の代表植物)。写真提供(2枚とも):西川博章

農作物等の被害

  • イネをはじめとする水辺の農作物を食害します。
  • 水稲の被害が多く、水田では畦の破壊による漏水もおきます。
  • ニンジン、サツマイモ、キャベツなど、様々な野菜も被害を受けます。
  • 京都府におけるここ数年の農業被害額は水稲や野菜を中心に年間約1,000万円です。

3.2.5 自衛策

(1)誘引条件の排除( 生ゴミ、未収穫物)

  • ヌートリアのえさとなるものを放置してはいけません。えさを与えているのと同じになります。
  • 農作物は収穫時期に達したら早めに収穫します。
  • ヌートリアは水辺を活動範囲としますので、水辺の周囲にえさとなるものを放置しないことが大切です。

(2)柵の設置

  • 電気ショックを与える電気柵の設置が有効です。
  • 電気柵は、周囲の安全に十分注意して設置します。電線がたるみ雑草と接触すると漏電して効果が低下します。
  • トタンやネットで柵をする場合、1m程度の高さで耕作地を囲います。ヌートリアは柵の下に穴を掘って侵入することもあるので、柵の接地面に波板等を30cm程度埋めると侵入しにくくなります。
  • 柵の周囲に本種の好まないネギ・ニラ・ピーマン等を畑の周りに植えると忌避効果があります。

(3)営巣場所・隠れ場所の排除

  • 耕作放棄地(ヨシ原など)はヌートリアの営巣場所となるため、そのような条件をつくらないようにします。
  • 水田周囲の見通しを良くし、隠れ場所をなくします。

3.2.6 捕獲方法

ヌートリアの捕獲は、中型ほ乳類用の捕獲器を用いて行います。
なお、捕獲は外来生物法の防除計画に基づいて実施するか、鳥獣保護法の許可を受けて行う必要があります。

(1)捕獲器の設置場所と方法

  • 捕獲の効率が高い場所は、巣穴の前、ヌートリアが休んだり採食したりしているのを目撃する休憩場、上陸場です。1m四方以上のイカダで人工的に休憩場を作り出すのも効果的です。
  • ヌートリアは水辺から離れるのを極端に嫌うため、捕獲器はできるだけ水際に仕掛けるようにします。入り口は水辺側に向けるか、ヌートリアの進行方向を考えて決めるのがよいでしょう。

(2)誘引えさ

  • 誘引えさとしてはニンジンやサツマイモがよく使われます。捕獲器の周りにえさをまくと、捕獲器に誘い込むのに効果があります。

(3)捕獲器の設置期間

  • 捕獲器の設置期間は、1週間程度が目安です。

3.3 捕獲に当たっての留意事項

3.3.1 法律上の留意事項

(1)捕獲及び運搬について

  • 捕獲については外来生物法若しくは鳥獣保護法に基づいて行わなければなりません。
  • アライグマ、ヌートリアともに外来生物法の特定外来生物に指定されていますので、捕獲後に放獣や移動したりすることは禁止されています。
  • 生きた個体の運搬に当たっては、外来生物法に基づく手続きが必要です。

(2)捕獲の従事者について

  • アライグマやヌートリアの捕獲には狩猟免許が必要です。
  • ただし、特定外来生物の防除計画を策定すると、狩猟免許がなくても、捕獲のための講習を受ければ、捕獲が出来るようになります。

3.3.2 技術上の留意事項

  • 捕獲用の罠を設置したら、毎日1回から少なくとも数日に1回は巡回するようにしてください。他の動物(野良犬、野良猫、カラス、イタチなど)を間違って捕獲してしまう誤捕獲が起こることがありますので、えさや設置場所には十分留意が必要です。
  • 捕獲器や捕獲した動物の取扱い時には、けがや衛生管理に十分気をつけて下さい。

お問い合わせ

環境部自然環境保全課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

電話番号:075-414-4706

ファックス:075-414-4705

shizen-kankyo@pref.kyoto.lg.jp

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