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北海道博物館は、平成27年4月1日、北海道開拓記念館と道立アイヌ民族文化研究センターの統合により、歴史だけでなく、新たに北海道の自然や文化も広く扱う総合博物館として開館しました。
開館に伴い策定された基本方針の下で、北海道の中核的な博物館として北海道の道内各地の博物館と連携するほか、道民に愛される博物館、専門的、総合的な研究を行い道民の「知りたい」という気持ちに応える博物館づくりが目指されています。
リニューアルに合わせて、展示の方法が変更されました。北海道開拓記念館では時系列で展示されていたものを、北海道の自然、文化、歴史を5つのテーマ別に整理し、どのテーマからでも回覧できるようにされています。また、パネル展示については、解説の詳しさの違うパネルを設置するとともに、スマートフォンを使った展示解説サービスを導入し、代表的な展示物の解説を英語や中国語、韓国語などの6つの言語で読めるようにし、年齢や母語を問わずすべての利用者がわかりやすく楽しめる展示空間を提供されています。
調査研究については、学芸員、研究職員の個別研究のほか、専門分野ごとに5つの研究グループに分かれて様々な研究が学術的に行われており、研究の成果を広く伝えるため研究紀要の発行などが行われています。海外の博物館との学術交流も行われています。
開館後の初年度は、入館者数が開館前の約5万人から3倍の約15万人になりました。好調を維持していくため、地道な資料収集や展示の魅力向上が課題になるとのことです。
また、学校との連携にも課題があるとのことです。団体利用の中で件数として一番多いのは学校団体による利用ですが、利用する学年や学校が限られています。そのため、より多くの学校に北海道を総合的に知ることができる唯一の施設として同館を利用してもらえるよう、学校教育にあったプログラムを開発するため、教員との意見交換会なども実施しているとのことです。
概要説明を聴取した後、施設を視察
両校は、平成25年度から平成27年度にかけて文部科学省の※インクルーシブ教育システム構築モデル事業のモデルスクールに指定されました。
指定を受け、両校では通園施設である社会福祉法人や家庭とも協力しながら、障害のある生徒が障害のない生徒と共に学ぶために必要な「合理的配慮」の内容の検討、提供、評価に取り組まれました。
まず、両校では校内委員会を活用し、合理的配慮協力員や教育委員会指導主事も参加して、対象事例に対する合理的配慮の検討を定期的に行われました。検討に当たっては、学校での状況の他、合理的配慮協力員から保護者の考えなどについての情報提供を得て進められました。
実際に行われた合理的配慮の例として、小学校では、対象生徒に得意でないことをどう乗り越えさせ、自己肯定感につなげさせるかという視点から、理解を促すための視覚的支援や生徒の能力や人間関係に配慮した班づくりといった直接的、間接的な合理的配慮の提供を行われました。
中学校では、事業開始当初は教員の合理的配慮についての知識が乏しかったことから、ユニバーサルデザインを意識した授業について学び、教員同士で授業の実践報告や交流を行うための任意の学習会を立ち上げられました。この学習会は現在も続けられており、この学習会で学んだことが授業に活かされているとのことです。
具体的には、学習課題の焦点化やプリントのルビふり、授業の流れの可視化、成功体験や友人から認められる機会の設定、受容的な学級の雰囲気づくりなどに取り組まれました。
こうした様々な取組の成果として、合理的配慮の対象児童を誰もが受け入れられる学級風土の醸成や合理的配慮により小さな成功体験を繰り返していけるようにすることで、対象生徒が安心して登校できるようになったとのことでした。
さらに、3年間継続して事業を進め、実践事例を蓄積したことにより、合理的配慮の考え方などを整理することができたとのことでした。
※インクルーシブ教育とは、障害の有無に関わらず、誰もが地域の学校で学べる教育のこと
概要説明を聴取した後、小学校を視察
オホーツク地域は夏の冷涼な気候を有し、スポーツ合宿チームの受入開始から20年以上の実績があることに加え、グラウンド、陸上競技場などスポーツ合宿に利用可能な施設が管内18市町村に252カ所もあることから、全国でも有数のスポーツ合宿先進地です。
平成27年度のオホーツク管内におけるスポーツ合宿受入実績は、370団体、9,865人にのぼり、主な種目は陸上、ラグビー、野球といった夏季種目やスキーやカーリングといった冬季種目、バレーやバスケ、剣道といった屋内種目です。
しかし、この気候の特性や天然芝を有する施設が充実していることから、夏季にスポーツ合宿が集中する傾向にあること、PR不足などの課題を抱えており、通年での合宿誘致やPR強化に向け、地域として連携し取組を図ることとされました。
具体的には、平成26年5月に管内の各市町村、オホーツク教育局、オホーツク総合振興局を構成員とした「オホーツク・スポーツ合宿誘致に係る地域連携協議会」を設置されました。主な取組として、平成26年度からスポーツ合宿総合サイトの開設・運用や、管内、道外のスポーツ大会で応援隊によるPRなどが行われています。その他、7人制ラグビーやカーリングといった今までに受け入れ実績のない、あるいは少ない競技の合宿誘致に取り組んでおられます。こうした取組の成果として、平成28年6月30日から7月2日にかけて、7人制ラグビーの大会である「2016オホーツクセブンズ」がオホーツク管内の北見市で開催されました。大会に併せ、参加チームによる近隣市町の合宿候補地視察が行われ、各施設の質の高さが十分にPRされ、次年度以降の合宿受入につながる足がかりになるとのことです。
今後は、関係市町村と連携のもと、これまでの成果を活用した合宿誘致の取組を継続するとともに、平成29年4月に網走市に開校する日本体育大学附属高等支援学校や、障害者スポーツ用具の研究・開発を行う北見工業大学との連携も視野に、障害者スポーツの合宿誘致も検討するとのことです。
概要説明を聴取
同校は、平成29年4月17日に開校予定の知的障害のある男子生徒を対象とした全寮制の学校であり、国内初のスポーツ教育を主軸とした特別支援学校として注目されています。
平成24年に網走市が障害者スポーツ教育に関心を持つ学校法人日本体育大学に学校設立の提案をしたことから設置が実現しました。
校舎は、網走市から譲渡された旧北海道立網走高等技術専門学院、旧網走市能力開発センターを改修して使用され、寄宿舎は新設されました。
学科は普通科のみで、定員は3学年で120名、初年度は1学年の40名を北海道及び全国から募集されました。9つの普通教室が設置されており、1学級の人数は13人から14人になるとのことです。
同校では、学習指導要領に基づき、「スポーツ教育」を中心に教育活動を行われますが、トップアスリートの養成に特化した学校ではありません。農業や園芸、流通サービスなどの「労作教育(職業教育)」のほか、美術や書道などの「情操教育」に関わる内容を取り入れた様々な教育活動を行われます。
園芸実習では、敷地内にある園芸用地3アールやビニールハウスで鑑賞植物、夏野菜などを栽培されます。
農業実習では、校外の「大曲湖畔園」地内の60ヘクタールを借用し、農業協同組合やNPO法人の協力の下、ジャガイモやトウモロコシ、小麦を栽培されます。収穫した作物は地域住民にも提供するなどして、地域との関わりを大切にする開かれた学校づくりを目指されるとのことです。
就労支援については、農業や園芸の他、ビルメンテナンスやバックヤード、運搬、食品加工、販売といった流通サービスを通して、職業に関わる学習を行うとともに、職場見学、現場実習を行い、全員が卒業後に一般就労できる資質を育てていかれます。
同校では、こうした「労作教育(職業教育)」や「スポーツ活動」、「情操教育」を通して、また、いろいろな生徒たちが集まった寄宿舎生活を通して自己実現や自立ができる生徒の育成を目指されています。
概要説明を聴取した後、施設を視察
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