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文化・教育常任委員会管内調査(平成29年11月22日)

本隆寺(京都市上京区)

歴史的建造物等保存伝承事業及び文化財緊急活用事業について

本隆寺は、長享3年(西暦1489年)に四条大宮に建立され、天正12年(1584年)に現在地に移転された寺院です。現在の本堂は、明暦3年(1657年)に建立され、享保15年(1730年)の「西陣焼け」、天明8年(1788年)の「団栗焼け」などの京都市内の大火にも焼け残り、「焼けずの寺」として親しまれています。

洛中に残る最古の日蓮宗寺院本堂として、隣接する祖師堂とともに昭和61年4月に京都府の有形文化財に指定され、平成26年1月には国の重要文化財に指定されています。

国宝・重要文化財建造物で、国の補助を受けて行われる修理は、文化財保護法や国の補助金交付要綱により、京都府、奈良県、滋賀県は教育委員会が所有者から委託の申し出を受け、事業を受託し、実施しています。現在、京都府教育委員会では、府の職員である建造物技師が、調査、設計監理、技術的な指導等を行っています。

本隆寺では、経年劣化により建物の傾斜が進行し、軒先が大きく乱れ、柱や梁の損傷が見られ、屋根瓦の傷みも顕著となったため、平成28年11月から平成39年12月の事業期間で、本堂及び祖師堂の半解体修理を府教育委員会に委託して行っています。今回の修理は、建立以来初めての根本修理となり、総事業費は現在の試算では、約14億円の予定です。

平成28年度は、半解体修理工事の期間中、本堂を覆う丸太組みの素屋根の建設と、造作等の解体、本堂内部に安置された宮殿の彩色調査、養生、剥落止めなどが行われました。また、修理をしている重要文化財建造物を多くの府民に親しんでもらう環境整備のため、文化財緊急活用事業により、素屋根の外部に本隆寺の歴史、本堂の特徴、修理事業の概要を記した看板が設置されています。

平成29年度は、屋根瓦おろし、瓦の下部の土居葺の撤去、木部の解体、建具修理、内陣・後陣の彩色調査、養生、剥落止めなどが行われています。

今回の調査では、本隆寺の歴史や文化財保護事業の概要について説明を受けた後、実際に修理が行われている本堂の修理現場を調査しました。

主な質疑

  • 総事業費の財源内訳について
  • 総事業費における府補助金の基準等について
  • 若手技術者育成の取組について
  • 修復事業の発注について
  • 府の嘱託技術者(宮大工等)について など

説明聴取後、修理現場を視察

京都文教大学(宇治市)

大学・学生の力を活かした地域活性化の取組について

京都文教大学では、学生、教職員、地域住民、企業・行政が共に学び合い、共に生かし合い、共にいきいきする「ともいき(共生)キャンパス」の創造に取り組まれています。そのため、1年次から学生が地域で活躍していくために必要な知識をさまざまな授業を通して学び、講義だけでなく、地域が抱える問題の解決に「現場」で実践的に取り組む学外実習も設けられています。

教育の特色をより一層明確にしていこうと、平成26年には文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(COC)」に、また、平成28年度からは「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」に採択され、地域人材の育成と学生の地域定着に取り組まれています。

あわせて、平成28年度から開始した京都府の「1(ひと)まち1(ひと)キャンパス事業」に宇治市と連携し、学生が地域を知り、貢献する活動にも取り組まれています。これは、大学教員の指導のもと、大学生が府内各地へ飛び出し、現地調査や地元の方へのインタビュー、グループ討議等を重ねて地域の課題や魅力を発見し、地域活性化に向けて取り組むもので、京都文教大学では「『ともいきキャンパスin宇治』で育む地域人材の育成」として取り組みをされています。宇治市の地域課題である「高齢者福祉」「障がい者支援」「子育て支援」「観光・まちづくり」「定住促進」などをテーマに、学生が正課内外を問わず、地域をキャンパスと見立てて活動し、地域の方々とともに学び会う機会を創出されるという目標を持ち、平成28年度の地域連携学生プロジェクトでは、宇治茶の振興や宇治橋通り商店街の活性化、宇治を舞台としたアニメファンの交流など、宇治の地域特性や地域課題をテーマに活動され、また、地域を知る取組として総合社会学部観光・地域デザインコースでは学生が、宇治市内のフィールドワークやアクトパル宇治でワークショップを行われました。

今回の調査では、3つの地域連携学生プロジェクトの代表の学生のみなさんから活動内容の説明を聴取しました。

主な質疑

  • 地域との開かれた関係について
  • 地域連携学生プロジェクトの仕組み及び位置づけについて
  • 今後の方向性について
  • 外国の方との関わり(対応能力等)について

関係者から概要等について説明を聴取

京都府立木津高等学校(木津川市)

主権者としての高校生育成支援事業について

京都府立木津高等学校は、明治34年に相楽郡立農学校として開校し、現在、同校には、普通科、システム園芸科、情報企画科が設置されています。

同校では、選挙年齢の18歳への引き下げに伴い、若年層の政治参加の意識と投票率の向上を図ることを目的として、平成28年7月に実施された第24回参議院議員通常選挙で、木津川市選挙管理委員会からの依頼を受け、期日前投票所が設置されました。

当日は、選挙権を持っている木津川市在住の生徒16名の中から立会人、生徒会役員等が誘導ボランティアを行うなどの取組が行われました。

今回は、期日前投票が可能である生徒が木津川市在住の生徒に限られたことから、対象者が16名と少数になったことが課題であるとのことでした。なお、実際の投票所を目の当たりにすることにより、学年に関係なく生徒の選挙への関心は高まったとのことです。また、法改正後の初めての国政選挙ということもあり、予想以上のマスコミへの対応に困難さを感じたとのことでした。

今年度は、衆議院議員総選挙における取組として、地歴公民の授業を活用し、「日本の未来は!選挙について学ぼう」との内容で衆議院議員選挙について学ぶ授業を、3年生すべての学科において実施されました。前回と異なり、投票時期が10月であったことから、「多数の3年生が選挙権を持つこととなったため、自分自身の問題として捉える生徒が多くなった」「『選挙運動』について具体的な例を挙げ、どういったことが法に触れるかということについても確認をさせた」「最後に校歌の替え歌を使い投票を促すことができた」といった成果があったとのことでした。

また、同校では、地域の課題や地域へ積極的に参画していくことを通じた、主権者としての自覚を促すための取組も大切にされています。

なお、専門学科では先進的な取組をされており、11月17日付けで国際認証の「グローバルGAP」(農業生産工程管理)を「荒茶工程」で取得され、この規準は、世界的な農業の規準で、府内初の認証取得で、同校農場内で使用している肥料・農薬はもとより、環境への配慮や労働福祉条件が「国際基準に適合している」というお墨付きを頂いたことになるとのことでした。

主な質疑

  • 主権者教育を通じた今年度入学生徒の反応について
  • 現実社会の諸課題に関するテーマについて
  • 期日前投票所の未利用理由の把握状況について
  • 期日前投票所設置の今後の方向性について

関係者から概要等について説明を聴取

説明聴取後、施設を視察

お問い合わせ

京都府議会事務局委員会課調査係

京都市上京区下立売通新町西入

ファックス:075-441-8398