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京都府では、ICT、IoT活用によるスマート農業プロジェクトや次世代農業システム開発プロジェクトに取り組んでおり、ICTを活用した最先端の栽培管理システムを取り入れている農業者の状況について調査する。
京都杉田農園では、京都府の農業経営体育成事業を活用し、平成29年9月、最新設備のトマトハウス(次世代型ハウス)を新設。ICT技術によりハウス内の光、温度・湿度、二酸化炭素濃度など栽培環境を自動制御し、トマトの生産に最適な環境を作り、高品質で良食味のトマトの安定生産に取り組まれている。今年度は収量130トン、総売上額5,000万円を見込まれている。
取組に当たり、府(京の農業応援隊)、京田辺市、JA京都やましろ及び京都府農業会議の支援を受けているとのことである。
導入当初は、栽培管理システムの操作に慣れるのに苦労されたが、1作目の目標収量と売上額が達成できたことで自信が付き、栽培環境条件を整えれば、収量や品質を向上させることができることを実感されたとのことであった。
今後は更に同システムを使いこなして、収量、品質の向上を目指すとともに、経営を法人化する中で、従業員の働きやすい職場づくりにも取り組みたいとのことである。また、消費者に喜ばれ、地域に貢献できる取組についても推進していきたいとのことであった。
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トマト栽培状況について視察
ITの活用や多様性のある人材確保等により事業のイノベーションを推進する同社の取組について調査する。
HILLTOP(ヒルトップ)株式会社は、多品種・単品・少量生産のアルミ切削加工を手掛ける企業である。本社には120名が勤務されており、女性比率は約40%、外国人比率が約10%となっている。「理解と寛容をもって人を育てる」を企業理念とし、「楽しくなければ仕事じゃない」をモットーに事業を展開されている。
同社では、下請けからの脱却を目指して、「ルーチンワークは機械、人は人にしかできない知的労働を」との考えから、職人技と言われるような技術をデータベース化し、全生産工程を最適化する「HILLTOP system(ヒルトップシステム)」と呼ばれるオリジナルの生産管理システムを開発された。このシステムにより、多品種・単品生産・24時間無人稼働を実現し、常に最適・最短の工程を構築して対応されており、月に約3,000品種にも及ぶ試作品(金属・樹脂加工品)を生産しているとのことである。
また、業務を効率化することで、より創造性の高い仕事を手掛けることができるようになり、平成27年には、最新機器を導入したオープンモノづくりラボ「Foo's Lab(フーズラボ)」を開設し、人・会社・製品が持つアイデアや想いを形にされている。
魅力ある企業で就職先としても注目されるようになったが、三次面接までは社員が実施するとのことで、自分たちが採用に関わることが社員のモチベーションアップに繋がっており、採用後も新人の育成に力を注いでおられるとのことであった。
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社内施設を視察
大学や企業、研究機関の連携による化学分野における産業競争力の確保や新産業創出の推進状況について調査する。
京都市成長産業創造センターは、平成25年に、公益財団法人京都高度技術研究所が京都市、京都大学と連携し、化学分野における研究開発拠点として、らくなん進都内(伏見区)に、経済産業省の「先端技術実証・評価設備整備費等補助金(「技術の橋渡し拠点」整備事業)」等の補助を受けて整備された。
同センターでは、産学連携により化学分野の研究開発を行う大学・研究機関、企業等が連携し事業化を進めるレンタルラボ等を提供している。多くのベンチャー企業のほか、地元の大手企業、新規に京都に進出してきた企業も入居しており、現在入居が100%で、7社が入居待ちとのことである。
また、大学・研究機関、企業等の産学公が連携して最先端の大学の技術シーズを事業化につなげる研究プロジェクトや、事業を行う企業を支援している。さらに、地域の大学等研究機関や企業とのネットワークを構築し、地域コミュニティの活性化支援など地域産業活性化に向けた取組も展開されている。
今後は、入居者を発展的に支援するため、競争的資金の獲得や大手メーカーへの販路開拓、地域の大学等研究機関・企業とのネットワークによる交流を深める地域活性化支援に取り組むとのことであった。また、地域情報の収集が課題であり、5年後には、地域経済情報の提供サービスの実施を考えているとのことであった。
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入居企業の取組状況を聴取
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京都府議会事務局委員会課調査係
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