[Q&A]
第1章 こんなときは?
Q1 心の病気ではないかと心配しているのですが?
元々おとなしくて手のかからない子でしたが、一日中部屋に閉じこもり、昼夜逆転の生活を送っています。ふさぎこんで身だしなみも構わなくなり、なんだか性格まで変わってしまったようです。
A1 大人になる前の青年期は人生の大きな節目であり、それだけに心の病にもかかりやすい時期です。また、他の年代でも、それぞれの時期に起こりやすい心の危機があります。こういうとき、多くの家族は混乱したり、厳しく叱責してしまうものです。しかし、ここはひとつ、本人に何が起こっているのか考えてみましょう。ご本人は理由もなく怠ける人だったでしょうか?非常識な人だったでしょうか?
こういう生活を余儀なくされ、苦しくてつらいのは、むしろご本人ではないでしょうか。あまり責めずに、どうしたのか辛抱強く聴いてみることから始めましょう。ご本人が信頼している第三者を交えて話を聴くのも、ひとつの方法です。
それでも問題がなかなか解決しそうにないと思われたり、起きている事態がよく分からないということは往々にしてあるものです。そのようなとき、秘密が守られ、安心して相談できるのが保健所や市町村、精神保健福祉総合センターや精神科医療機関などです。最初は家族からの相談でも結構ですので、ためらわず相談されることをお勧めします。
また、自分自身が誰かに相談したいが、気が引けて一人で悶々としているような場合、匿名での電話相談もあります。精神保健福祉総合センターでは、「こころの相談電話」を設けています。
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Q2 お酒の問題で困っているのですが?
真面目で優しいけれど酒好きな夫が、定年退職後は昼間からお酒を飲んでいます。食事もあまりしなくなり、お酒を飲んでいるか寝ているかの毎日です。近くの内科医からは、お酒を控えるように言われているのですが…。
A2 定年退職されて、生活の張りを失ってしまったのでしょうね。そのことが、元々たしなんでおられた飲酒に向けられたのかもしれません。ところが、体を壊して初めて、お酒を控えるように言われても、すでに自制が効かなくなっているということがあります。
このような中高年の方は、最近、増加してきています。「意志の弱さ」や「性格の問題」ではなく、うつ病やアルコール依存症などの「病気」と考えられます。これは自分だけでは克服することが難しい病気ですが、適切な治療を受けることにより、回復することが可能です。もし、ご本人が納得されないようでしたら、まず家族だけでも、お住まいの保健所か精神保健福祉総合センターに相談されることをお勧めします。病気のことや家族の対応の仕方、アルコールに関する専門医療機関や地域の断酒グループのことなど、丁寧にご説明します。
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Q3 本人が精神科受診を嫌がるのですが?
心の病気だと思うのですが、本人は「病気ではない」といって精神科へ行きたがりません。以前に、「そんなことをするなら、病院へ連れて行くよ」とおどかしたことが原因でしょうか。
A3 残念なことですが、多くの人々が、正しい知識がないために差別や偏見を多少なりとも持っているものです。心の病や精神科の治療についても、同様のことがいえます。その意味では、本人も家族も例外ではありません。簡単にぬぐいされるものではありませんが、まずは家族の方が、保健所や医療機関などで病気や治療について相談されることをお勧めします。
病気への初期対応が功を奏することは、心の病気でも同様です。ところが、病気が進むとますます受診を拒否する心理が強くなる、ということがあります。そのため早めに相談し、家族の方が病気について理解を深めるとともに、精神科の治療に安心感を持つことが大切です。次に、本人の辛いこと、困っていることを一緒に解決しようという気持ちで接しましょう。そして本人の悩みを共有しつつ、専門機関に相談に行こうという態度を示すようにしましょう。本人が信頼している方に、同様の態度を取ってもらうことも、精神科への抵抗を減らすことに役立ちます。そうした家族や周囲の人たちの態度が、実は、本人が治療をしようという意欲の土台となるものなのです。どの医療機関に行ったらよいか分からないときにも、保健所や市町村、精神保健福祉総合センターに相談されることをお勧めします。
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Q4 家族に病気を理解してもらえないのですが?
私の家族は病気に対して理解がありません。私がしんどくて寝ていると、「またゴロゴロして!そろそろ働きに行ったらどう!」と毎日のように責められます。どうしたら良いでしょうか。
A4 精神的な病気は目に見えないことが、理解を得にくい理由とも考えられます。目に見えないので、家族にさえ理解してもらいにくく、かえって家にいることがストレスになってしまうことがあります。また、家族自身も「どのように感じているのか分からない」「どう対応したらよいのか」と悩んでいるのです。
しんどいときには、ゆっくりしていることが大切です。そうしているうちに、少しずつ気力が充実してきます。こういった時期は、家族にも静かに見守ってもらうことが、回復のために重要です。そう説明されてみてもいいかもしれませんし、このようなホームページやパンフレットを見てもらうのも一案です。また、あなたの主治医から、現在の状態を家族に話してもらい、病気について理解してもらうのもいい方法です。
最近では、家族自身の不安の軽減や、家族同士の交流、病気の理解の場として、病院や保健所などで「家族教室」を実施しているところもあります。そういう場を利用してもらうのも良いでしょう。家族自身も疲れていることがありますので、時には優しい言葉をかけてあげてください。「ありがとう」とお礼を言うだけでも、家族との関係は良い方向に向かうものですよ。
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