[Q&A]
第8章 財産の保護と権利擁護
Q1 障害をもつ子供が、財産を管理しながら地域で生活できるかどうか心配なのですが?
精神障害の子供を持つ親です。将来、親亡き後、子供が自分で生活していけるかどうか、自宅や財産を管理できるのか心配です。成年後見制度という新たな制度ができたようですが、どのような制度か教えてください。
A1
1.成年後見制度
成年後見制度は、以前にあった禁治産制度をより利用しやすいように改められた制度です。
対象となるのは、判断能力が十分ではない成年者です。その方たちに後見人を選任し、当事者の意志をできるだけ尊重した上で、その権利を保護することが目的となります。
後見人の仕事は財産管理と身上監護(療養・看護につき適切な配慮をすること)となります。後見人になれる人は、親族、弁護士、司法書士、社会福祉士、及び法人です。家庭裁判所に申し立てをされますと、裁判所から依頼された医師が本人の意思能力を鑑定(評価)し、その資料をもとに適切な後見人を選任されるというのがおおまかな流れになります。本人の能力によって、後見、補佐、補助という分類に分かれます。
また、申立にかかる費用や後見人等への報酬等はすべて本人の財産から支払うことになります。
詳しい手続き方法は家庭裁判所にお問い合わせください。
2.地域福祉権利擁護事業
地域で生活をしていく上で、「福祉サービスの手続きをどうしたらいいのかわからない」「水道・電気などの料金や家賃の支払いが心配」「印鑑や通帳をしまい忘れてしまう」などの不安や困難がある方について、相談や助言、手続きの代行、印鑑や通帳などを預かってもらえる、などのサービスを提供する事業が、地域福祉権利擁護事業といわれる制度です。
利用の申込や相談は社会福祉協議会で行います。契約に基づいて行われるサービスには費用がかかります(1時間あたり平均1,200円+職員の交通費を負担することになります)。
詳しくは、市町村社会福祉協議会にお尋ねください。
Q2 私たち家族が亡くなった後の生活費のことなどが心配なのですが?
「心身障害者扶養共済制度」という制度があると聞きました。精神障害者でも利用できるのでしょうか?
精神障害者も他の障害者と同様に、心身障害者扶養共済制度を利用できます。
心身障害者等を扶養している保護者が、その生存中に掛け金を支払い、保護者が死亡または重度の障害となった場合に、残された障害者(児)に対して、終身一定の給付を支給する制度で、保護者が死亡または重度の障害を負ったとき、その者が扶養していた心身障害者に対して年金(給付金)の支給が始まり、心身障害者が死亡するまで続けられます。
掛け金は保護者の年齢によって異なります。減免制度もありますので、詳しくは市町村の福祉関係窓口にご相談ください。
市福祉事務所・町村役場の担当課