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[心の健康について]

〈ストレス〉 ストレスの仕組み−生物、心理、社会的に見た場合−

それでは、ストレスはどのようなメカニズムで起きてくるのでしょう。ここでは、3つの観点(生物、心理、社会)から見ていきたいと思います。

ストレス説1 生物としてみた場合(生理学的仮説)

急なストレス反応説 セリエの全身適応反応症候群

ストレスという言葉をはじめて用いたカナダのセリエは、生体が外部から寒冷、外傷、疾病、あるいは怒りや不安などの精神的緊張(ストレッサー)を受けたとき、これらの刺激に適応しようとして生体に一定の反応が起こることを発見しました。これを「適応症候群」とし、全身におきる反応を全身適応症候群と名づけました。

グラフ
(クリックすると拡大表示します)

全身適応症候群は大きく以下の3期に分けることができます。

警告反応期は、ストレッサーによる身体の緊急反応の時期です。これはショック相と抗ショック相に分けられます。ショック相は、ショックに対して適応できていない段階です。たとえば、森で熊とはちあわせになったことをイメージしてみてください。体温・血圧・血糖値の低下、筋緊張の低下、血液の濃縮、急性胃腸潰瘍の発生などが見られ、数分〜1日くらい続きます。抗ショック相は、ショックによる生体防衛反応が高度に現れる段階です。副腎肥大、胸腺リンパ組織の萎縮、血圧・体温・血糖値の上昇、筋緊張の増加などが見られます。生体の適応現象が始まる時期です。

ストレスが続くと適応反応は抵抗期に入ります。この時期は持続するストレッサーと抵抗力とが一定のバランスをとり、生体防衛反応が完成される時期です。しかし、エネルギーが消耗すると、適応力が徐々に低下していきます。

疲はい期では、適応エネルギーの消耗からストレッサーと抵抗力のバランスが崩れ、再びショック相に似た兆候を示すことになります。体温の下降、胸腺・リンパ節の萎縮、副腎皮質の機能低下などが起こり、ついには死に至ることになります。

慢性のストレス反応説 ホメオスタシスの三角形

ストレス刺激は、脳の視床下部というところに伝えられます。視床下部は、交感神経と副交感神経をあわせた自律神経系と内分泌(ホルモン)系を統合し、生体のバランスを維持しています。また、免疫系には、生体に異物が侵入すると、それを攻撃する働きがあります。自律神経系と内分泌系に免疫系が加わり、心身のバランスを保つ機構(ホメオスタシス)が維持されていると考えられますが、過剰なストレスが長期にわたってかかることにより、このホメオスタシスが崩れて病気になることがあります。

ストレス説2 心理という側面からみた場合(心理学的仮説)

ストレスは、個人がおかれている条件にも関係しています。条件とは、その人のもともとの“性格”や、「体調が悪い」とか「近親者に不幸があった」など、その人自身がおかれている“状況”、そして、近隣や職場など、その人にとって好ましい“環境”にいるかどうか、などの要素が、相互に絡み合っていると考えられます。

ストレッサー × 個体の条件(性格、状況、環境など) → ストレス状態

【性格】 ストレスを受けやすいとされる性格には、4つの代表的なものがあります。

真面目・神経質タイプ

何事にも熱心で、負けず嫌いなタイプ。完璧を目指し、いつも忙しくしていないと物足りない。寛容さがなく、短気で怒りっぽい。

感情抑制タイプ

感情表現が苦手で、自分の本当の気持ちに気付かないままに、いろいろなことを引き受けてしまうタイプ。真面目で仕事熱心なため、周囲からの信頼も厚いが、無理がたたって身体の不調という形で出てきやすい。

愛他的・気配りタイプ

責任感が強く、仕事をそつなくこなし、人付き合いではたえず気を配るタイプ。世話好きで、自分よりも周囲や会社のことなどを優先しがち。慣れ親しんだ環境が変わったり、尽くしてきた人がいなくなったりすると、喪失感に襲われやすい。

内向型こだわりタイプ

内向的で、細かいことをクヨクヨと考えるタイプ。また、人一倍、理想が高いために、自分のダメな部分や、できていないことに注意が向きやすい。自分自身の問題にとらわれるあまり、よけいに苦悩が深まり、思考の悪循環にはまりやすい。 

【状況】 ストレスを受けやすいとされる状況には、以下のようなものがあります。

  • 近親者の死や、目標を見失ったなど、喪失感が強まっているとき。
  • 睡眠不足や過労、体調不良など、身体的に調子がよくないとき。
  • 転居や転勤などの環境の変化。
  • 女性であれば、出産や更年期などホルモンのバランスが変化する時期。

【環境】 ストレスを受けやすいとされる環境には、次のようなものがあります。

  • 自信や自分が価値のある存在であると認める感覚をもてない環境。
  • 人からの協力やサポートを得にくい環境。
  • たえず身体的・心理的に脅かされ、安心感を維持できない環境。

ストレス説3 社会という側面からみた場合

高度情報化社会における職場でのテクノストレス、経済的不況によるリストラや就職難、核家族化などからくる仕事と育児の両立の難しさ、子どもの受験競争、また、高齢化社会のなかでの介護疲れなど、現代社会には、ストレスがつきものです。また、「他人とうまくやらねばならない」「世間に迷惑をかけてはいけない」という気持ちから、本音を言えずにためこんでしまい、自分自身が調子を崩す人が増えているとも言われます。

このようななかで、ストレス状況から逃れられずに、ご自身が病気になったり、自殺などの不幸な顛末をたどってしまうことがあります。人間が生きていくうえで、社会的な要請に応えようとすることは必要ですが、時には息抜きをし、自分を追いつめすぎないことが大切です。



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