[豆知識] エンテロトキシンについて-黄色ブドウ球菌がつくる毒素-
1.エンテロトキシンとは?
黄色ブドウ球菌がつくる毒素はいろいろあることが知られています。そのうち、エンテロトキシン(腸管毒)と呼ばれるものは、大きく AからE型に分けられています。
黄色ブドウ球菌食中毒事例の80~90%はA型毒素、あるいはその複合体によって起こっています。
2.エンテロトキシンの特徴
100度、30分の加熱でも毒素は壊れません。また、胃の蛋白消化酵素でも壊れないという性質があります。
3.エンテロトキシンを摂取すると
だ液がよく出るようになり、おう吐をくり返します。ほかに腹痛、下痢を伴うことがあります。重症になると、脱水症状や血圧の低下、脈拍微弱などが起こります。
ふつう、症状は1日から3日で回復し、予後も良好です。ただし、他の疾患を有する高齢者などは、合併症を起こして、死亡する例もあります。
4.どうして、おう吐が起きるの?
エンテロトキシンは胃や小腸の上部で吸収され、それが迷走神経と交感神経を経て、脳内のおう吐中枢を刺激し、おう吐を起こすと考えられています。
5.エンテロトキシンの毒性
エンテロトキシンB型の毒素を使った研究では、一般健康人が20から25マイクログラム(1マイクログラムは1万分の1グラム)摂取すると、おう吐の症状が出るとされています。
6.治療法について
対症療法です。頻回のおう吐による血圧低下や脈拍微弱のための管理を行う必要があります。点滴などによる十分な水分補給を行ってください。
(参考:食中毒予防必携、日本食品協会)

