[豆知識] ツブ貝による食中毒に注意

 ツブ貝による食中毒に注意! 貝毒テトラミン

  1. 食中毒の発生
     平成12年3月に、京都府内で、ツブ貝をさしみや煮物にして食べたところ、食べた3名全員が約2時間後に視覚異常、頭痛やふらつきなどの症状を訴えるという食中毒が発生しました。
  2. 貝毒検査
     当研究所でそのツブ貝について検査したところ、エゾボラモドキという種類の貝で、1個当たり約17mgから45mgのテトラミンを含んでいました。
     エゾボラモドキの写真
  3. テトラミン
     寒海に棲む肉食性巻貝のうち、エゾバイ科のエゾボラモドキやヒメエゾボラなど、通称「ツブ貝」と呼ばれる貝の唾液腺中にはテトラミンという神経性食中毒を起こす貝毒が含まれているものがあります。
     テトラミンの構造式
    唾液腺の写真
  4. 原因と食中毒症状
     テトラミンを含む唾液腺を除去せずに食べると、食後約30分から2時間後に、ものが二重に見えるなどの視覚異常や、めまい、ふらつきなどの酩酊感、吐き気、頭痛などの食中毒症状が現れることがあります。ただし死亡例はありません。エゾボラモドキなどは1個分の唾液腺でも食中毒を起こすのに十分な量のテトラミンを含んでいます。なお、季節による毒量の変化はありません。
     今回の食中毒は、この唾液腺を除去せずに食べたために起こったものです。
  5. テトラミンの毒性
     テトラミンは煮ても分解されず、筋肉や内臓、煮汁に一部移行するので、煮る前に唾液腺を除去しておく必要があります。
  6. 調理法について
     北海道や東北地方などの産地では、この貝毒のことはよく知られており、唾液腺は除去されて食べられているようですが、他の地域ではあまり知られておらず、時折食中毒が発生しています。
     唾液腺は厚い外套膜の下に隠れていてわかりにくいのですが、食品業者は販売する際に購入者によく説明すること、料理店や消費者も調理する際きちんと除去することが重要です。
     参考に調理法を図示しました。
     調理方法の説明。貝の身を取り出し、内臓と肉を切断する。唾液腺は肉に残る。貝の蓋を下にして切り口を入れる。内臓は食べない方がよい。切り口を開き、中から白色の唾液腺を取り出す。肉に唾液腺が残っていないか確認し、十分水洗いして食べる。
       (参考:川崎市発行のパンフレット)

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