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京都府内のカワゲラ

1 はじめに

  カワゲラは、幼虫の期間を水中で過ごし、成虫になると水中から飛びたちます。水生昆虫の多くは春に羽化しますが、カワゲラの中には、冬に成虫になって、雪の上を歩き回る変わりものも知られています。河川、特にきれいな河川では、色々な種類のカワゲラの幼虫が暮らしています。今回は、京都府の河川でよくみつかるカワゲラの幼虫を紹介します。

注※PDF版は、以下からダウンロードしてご利用ください。
 京都府の水生昆虫(カワゲラ)(PDF:1,768KB)

2 カワゲラの体

 カワゲラの体は、「頭部」、「胸部」、「腹部」の3つからなります。
 「頭部」には複眼、単眼、触覚、口があります。胸部は前胸、中胸、後胸の3つからなり、それぞれに1対の肢があります。また、中胸と後胸には翅芽(しが)(成虫になった時に翅になる部位)がありますが、これは若い幼虫では目立ちません。「腹部」は10個の節からなり、鰓(えら)と尾毛があります。

画像:カワゲラの体

口について

 カワゲラの口は、上唇、舌、大顎、小顎、下唇の5つのパーツからなります。みつけたカワゲラの名前を調べるためには、各パーツを顕微鏡で観察しなければならないこともあります。例えば、下の写真のカワゲラ科では、側舌が中舌より大きいという特徴があります。

 画像;カワゲラの口

鰓(えら)について

 カワゲラによっては、肢の付け根や首に鰓をもつものがいます。鰓の形や位置は種類によって特徴がありますので、みつけたカゲロウの鰓を観察することは、その名前を調べるのに役立ちます。例えば、下の写真のカワゲラ科では、肢の付け根に糸状の鰓をもっています。

画像;カワゲラのエラ 

肢について

 カワゲラの肢は、基節(きせつ)、転節(てんせつ)、腿節(たいせつ)、脛節(けいせつ)、跗節(ふせつ)、爪の6つのパーツからなります。跗節は3節からなっていて、付け根から、第1跗節、第2跗節、第3跗節といいます。
 カワゲラと同じく、きれいな河川でよくみつかる生き物に、カゲロウがいます。カワゲラやカゲロウを見慣れていないうちは、両者を見間違えやすいのですが、肢に注目すると、カワゲラの爪は2個であるのに対して、カゲロウの爪は1個であるという違いに気づきます。カワゲラ、カゲロウに限ったことではありませんが、こうした小さな、あるいは、大きな違いを1つ1つ認識し、経験を積み重ねていくと、肉眼でさっとみるだけでも、その生き物の名前が分かることがあります。

カワゲラの脚

3 カワゲラの名前を調べる

 みつけたカワゲラの生態を知るには、まず、名前を調べなくてはなりません。カワゲラに限らず生物は、「界・門・綱・目・科・属・種」からなる階級に基づく分類がされていて、界から種へと下の階級に進むにつれ、体の形などが似たグループがまとめられています。

動物界、節足動物門、昆虫網、カワゲラ目、カワゲラ科、カミムラカワゲラ属 


 カワゲラの幼虫について、属あるいは種まで名前を調べることは非常に難しいですが、科までであれば、肉眼やルーペで名前を調べることができるものも多いです。
 次のページからは、京都府の河川でよくみつかるカワゲラを科ごとに紹介します。

(1)アミメカワゲラ科 (2)オナシカワゲラ科 (3)カワゲラ科
(4)クロカワゲラ科 (5)シタカワゲラ科
(6)ヒロムネカワゲラ科
(7)ミドリカワゲラ科    

(1)アミメカワゲラ科

画像:アミメカワゲラ科 

特徴

1.側舌は中舌より大きい。

2.側舌は三日月形。

3.肢の付け根に鰓がない。

メモ:春に羽化する種が多い。

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(2)オナシカワゲラ科

 画像:オナシカワゲラ科

特徴

1.側舌と中舌はほぼ同じ長さ。

2.後胸の翅芽は外側に張り出す。

3.腹部は短い(後肢を伸ばすと先端が腹部末端にとどく)。

メモ:体から粘液を出して砂粒などをつけている(左下)。

また、首の付け根に糸状(右下)や指状の鰓をもつものがいる。

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(3)カワゲラ科

画像:カワゲラ科 


特徴

1.側舌は中舌より大きい。

2.側舌は球状にふくらむ。

3.肢の付け根に糸状の鰓がある。

メモ:比較的大型のカワゲラ。2~3年かけて成虫になる種もいる。

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(4)クロカワゲラ科

画像:クロカワゲラ科


特徴

1.側舌と中舌はほぼ同じ長さ。

2.後胸の翅芽は外側に張り出さない。

3.腹部は長い(後肢を伸ばすと先端が腹部末端にとどかない)。

4.腹部第8、9節の腹板と背板は分かれる。

メモ:幼虫は夏眠することが知られており、秋から冬の限られた期間のみ採集することができる。

成虫は冬から春に現れる。

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(5)シタカワゲラ科

画像:シタカワゲラ科

特徴

1.各肢の第1跗節と第2跗節はほとんど同じ長さ。

2.腹部第9節の腹板は舌状に伸びる。

メモ:幼虫は夏眠することが知られており、秋から冬の限られた期間のみ採集することができる。

成虫は冬から春に現れる。

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(6)ヒロムネカワゲラ科

画像;ヒロムネカワゲラ科

 

特徴

1.体が幅広くゴキブリに似ている。

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(7)ミドリカワゲラ科

画像:ミドリカワゲラ科

特徴

1.側舌は中舌より大きい。

2.側舌は細長く中舌とほぼ平行。

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参考図書

  • 丸山 博紀、高井 幹夫(2016)
    「原色川虫図鑑 幼虫編」全国農村協会
  • 河合 禎次、谷田 一三共編(2005)
    「日本産水生昆虫―科・属・種への検索」東海大学出版会
  • 谷 幸三(1995)
    「水生昆虫の観察―安全できれいな水をめざして」トンボ出版

 

 

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健康福祉部健康福祉総務課 保健環境研究所

京都市伏見区村上町395

ファックス:075-612-3357

hokanken-syomu@pref.kyoto.lg.jp

環境衛生課 075-621-4162
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