
No.67 平成12年11月

● 海外技術支援報告 中国における酸性雨技術支援
● 食中毒菌が産生する毒素
● 保健環境研究所紹介(理化学課)
● 最近の地下水と土壌汚染について
海外技術支援報告
−中国における酸性雨技術支援−
平成12年6月に中華人民共和国において、酸性雨の調査に関する技術指導を行う機会がありましたのでその様子を報告します。
<国際協力事業団(JICA)について>
今回私は国際協力事業団(JICA)の短期専門家として派遣されました。JICAは政府開発援助(ODA)による、開発途上国の人材の養成を事業の主体としています。その活動は次のようなもので、1955年以来すでに44000人以上の専門家が派遣されています。
*
技術協力事業
* 青年海外協力隊
* 人材養成及び確保
* 無償資金協力事業の調査・実施促進
* 開発協力事業
*
移住事業
* 災害緊急援助業務
<日中友好環境保全センター>
日中友好環境保全センターは中国の環境保護総局(日本では環境庁に相当)直属の機関であり、環境に関する総合研究及び管理を行うとともに、国際環境技術協力と国際交流を行う窓口です。1996年に日本からの無償資金協力を得て北京に開設されて以来、JICAとの連携のもとに日本と中国の様々な環境協力が行われています。両国の協力体制を調整するために、センターにはJICA、環境庁、地方自治体から派遣された7名で構成する、日本人長期専門家チームが活動しています。
<東アジア酸性雨モニタリングネットワーク>
世界の3分の1を超える人口をかかえる東アジア地域では、急速に経済が発展しています。そのため、エネルギー消費量が増大し大気汚染物質の排出量も著しく増大しています。このままでは将来、広い範囲で大気汚染や酸性雨が出現することが予想されます。そこで国際的な環境対策を講じるために必要な基礎データを収集することを目的に、東アジアの各国が協力して酸性雨の調査を行うことになりました。
国際的な環境対策を行うには、国によって測定方法が異なったり、測定技術に差があってはうまくいきません。そこで、統一された手法で高い水準の調査データが得られるように、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)が発足しました。EANETは現在インドネシアからロシアにかけて東アジアの10カ国が参加し、今年度中の正式稼動を目指して組織や調査体制を整えています。
EANET参加国のとりまとめを行うモニタリングセンターは、日本に置かれる見込みです。これは京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)に象徴されるように、日本の熱心な環境問題に対する取り組みの評価と同時に、日本の酸性雨調査技術水準の高さを表すものです。特に技術水準については、当所をはじめとした地方公共団体の環境(公害)研究所が酸性雨調査をリードしてきたことにより培われたものです。
<酸性雨調査について>
「pHが5.6以下の雨を酸性雨という」というのが一般的な酸性雨の定義ですが、酸性雨が環境にどのような影響を与えるのか、また、何が酸性雨の原因か、というようなことを調査するためには雨を酸性にする成分を詳細に調べることが必要です。例えば都市部で硝酸イオンなどの酸性成分が多い場合でも、それを中和するカルシウムイオンなどのアルカリ成分も多いために酸性度はそれほど高くならないことがよくあります。しかし、環境への影響を考えるときには、酸性成分がどれほど環境に負荷されているかを見積もる事が大切であり、また、酸性成分の影響は気流に乗って数千kmに及ぶことにも注意する必要があります。
最近では、樹木の衰弱や建築物あるいは文化財などの腐食の原因として、雨だけでなく空気中の二酸化イオウや塩化水素などの酸性ガスも注目されています。雨や雪を湿性降下物と呼ぶのに対して、こちらは乾性降下物と呼んでいます。気候などにもよりますが、乾性降下物は湿性降下物と同じくらい環境への影響があると推定されています。
<中国におけるEANET>
中国では西安、重慶、珠海、及び厦門(アモイ)の4都市がEANETの調査地点となっています。内陸の大工業地域にある重慶は、EANET全体でも最も重要な調査地点の一つです。
この4都市を総括する中国内のネットワークセンターが日中友好環境保全センター内に設置されています。
<酸性雨測定法に関する中国ワークショップ>
今年度中のEANET正式稼動に向けて中国でも準備を急いでおり、調査担当者に対する技術指導の場として6月14日から3日間、日中友好環境保全センターでワークショップが行われました。技術指導には、EANETのモニタリングセンターとなる新潟の酸性雨研究センターから3名、北海道環境科学研究センターから1名、そして私の5名が日本から派遣され、乾性降下物調査法のほかに、土壌や植物への影響調査法、陸水調査法などについて講義と実技指導を行いました。
EANETに対する中国側の期待は大きく、開会式では環境保護総局の副局長の挨拶をいただきました。参加者もEANETの担当者にとどまらず、中国各地から環境調査の専門家も多く参加され、聴講者は30名を超えていました。
中国では調査機材の調達が日本ほど容易ではないため、機材の操作には不慣れな点がみられましたが、調査のマニュアルには皆熟知していることに大変驚かされました。また、新しい調査項目に対しても非常に積極的に取り組んでおられることが伺われ、大変有意義なワークショップとすることができました。
<おわりに>
中国と日本では、降雨量や気温などの気候の違いや経済産業基盤の違いがあるため、日本で用いられている測定手法がそのまま中国で使えるとは限りません。今回の技術支援がその場限りのものではなく、今後とも日中双方の緊密な情報交換によって、より効率的で質の高い測定網が構築できるように努力していきたいと思います。
(大気課 都築英明)

食中毒菌が産生する毒素
<はじめに>
毎年、春から秋にかけては食中毒発生が多くなる季節ですが、大部分はその時期に活動性が高まる細菌によるものです。その原因となる細菌の増殖を防ぐ手だてをしっかり取りさえすればほとんどの食中毒は防ぐことができます。
それでは、どうして細菌が増殖すると食中毒が起こるのでしょうか。
<発症メカニズムによる分類>
一般的に食中毒菌が体の中に入るだけでは食中毒は起こりません。菌ごとの特徴的な発症メカニズムで症状が発生します。それらは大きく3つに分けることができます。
まず、食中毒症状を呈するためには腸管内での菌の増殖が必要となる感染型食中毒菌と呼ばれているものの中に
の2つがあり、それ以外に腸管内での増殖の必要性がない
があります。
<産生する毒素の種類>
食中毒菌の毒素には、
などが知られており、特に、下痢症等を引き起こし腸管を攻撃あるいは刺激する毒素は、エンテロ(腸の)トキシン(毒素)と呼ばれています。コレラ菌が産生するコレラトキシン、病原性大腸菌のE.コリトキシンなどはその代表例です。また、今夏牛乳の汚染により大規模な食中毒を発生した黄色ブドウ球菌は外毒素型食中毒菌で嘔吐が主症状となりますが、産生される毒素は腸を刺激することからエンテロトキシンと呼ばれています。
<エンテロトキシンの発症メカニズム>
コレラトキシンはその発症メカニズムがよく研究されており、一種のホルモン類似の働きをすることで、激しい下痢を引き起こすことが分かっています。この毒素は、2つのサブユニットからなり、一つが腸管細胞に付着し、もう一つのサブユニットを細胞内に侵入させます。侵入したサブユニットが、ナトリウム等の塩類吸収を調整している体内タンパク質を不活化することによって、腸管へ大量の電解質が流出し水様性下痢を引き起こします。
| コレラトキシン コレラトキシンが細胞に侵入するメカニズム |
コレラトキシンとよく似た毒素を持ち、同じ発症メカニズムで水様性下痢を引き起こす大腸菌の仲間があることが分かっていて、毒素原性大腸菌と呼ばれています。このコレラ様毒素は熱に対して弱く、加熱することで活性を失うことから易熱性エンテロトキシンと呼ばれています。また、この大腸菌の仲間で、熱に強い毒素(耐熱性エンテロトキシン)を持つものがあることが分かり、この毒素は、易熱性エンテロトキシンと異なり、腸の粘膜上皮細胞の膜内に存在している酵素を活性化させることにより、水様性下痢を引き起こします。
また、堺市の食中毒事件で広く知られるようになったO157を仲間とする腸管出血性大腸菌もエンテロトキシンを産生します。この毒素は赤痢菌の産生する志賀毒素とほぼ同じもので、コレラトキシンと同じく2つのサブユニットを持っていますが、異なるのは、上皮細胞に侵入したサブユニットがタンパク合成を阻害することにより、細胞が傷つき水分の吸収が阻害されて発症すると考えられるところです。
一方、黄色ブドウ球菌による食中毒は、嘔吐が主症状の場合が多く、上述のエンテロトキシン類とその発症メカニズムは異なっており、胃腸に吸収された毒素が腹腔内に存在するレセプター(受容体)と反応し、その刺激が神経組織をへて脳の嘔吐中枢に伝達され発症すると考えられています。
<その他の毒素の発症メカニズム>
腸炎ビブリオなどは細胞を破壊する溶血毒を産生することが知られています。この毒素は、赤血球の内圧を上昇させることにより赤血球膜の破壊を生じさせると考えられています。しかし、下痢の血便に関係していることは確からしいのですが、水様性下痢との関係については分かっていません。
外毒素型食中毒菌であるボツリヌス菌が産生する神経毒素は、ボツリヌス毒素と呼ばれ、消化器系ではなく運動神経に作用して、筋肉麻痺を引き起こし、重症では死亡する場合もあります。
<おわりに>
食中毒が発生した場合には、私たちは、その原因となった菌の検出のためにさまざまな検査を行いますが、これらの毒素の検査も行っています。
このような細菌毒素を腸から吸収して食中毒を引き起こさないようにするためには、食品中で菌を増殖させないように、食中毒防止の三原則<菌を付けない、増やさない、殺菌する>、すなわち、食品や手、器具等の十分な洗浄、低温処理・低温保存、加熱殺菌を実行することが大切です。
(細菌・ウィルス課)
保健環境研究所紹介 (理化学課)
20世紀に残された日数も60日を切りました。保健環境研究所(以下研究所)も、来る21世紀と共に新しく生まれ変わる土台作りに入りました。研究所だよりでの事業課の紹介も4回目となり今回は理化学課です。
理化学課は英語で「Food
& Drug Chemistry
Division」と称されています。具体的に申しますと、消費者の安全と安心を得るために食品衛生法、薬事法及び家庭用品規制法に基づいて、食品、医薬品及び家庭用品などに関する試験検査及び調査研究を行っている事業課です。このうち二、三の例を挙げて説明いたします。
皆さんが日頃用いる食材で、例えば野菜類は店頭に出る前に、農地で病害虫の防除に農薬が使われます。キャベツなどの野菜には蝶の幼虫により葉が食べられると商品にはなりません。一方、輸入食品が随分増えてきました。例えば、輸入柑橘類には農薬が使用されている上、長時間の船旅のため防かび剤も使用されています。そこで、安心して食べるためには農薬や防かび剤などの残留実態を調べる必要があります。保健所の職員が小売店等に出向き、国産の野菜類や輸入柑橘類を収去して当研究所に運び込みます。野菜に含まれている農薬や果物に付着して
![]() |
果皮 1.7μg/g 果肉 0.05μg/g未満 |
| チアベンダゾールは防かび剤です。 皮と実を分けて調べてみると、皮に多く残留していましたが、果実全体の基準値(10μg/g)と比べると低い値でした。 気になる方は、洗って、皮をむくと良いでしょう。 |
|
いる防かび剤の検査は、次のように行います。写真は野菜を細切してミキサーで均一にしているところです。図は測定結果が出るまでの検査工程を示したもので、一品目についての検査が終了するまでに少なくとも3週間が必要です。
もし、この検査結果で基準値を越えると、保健所は小売り店等に対し商品の回収等を指示します。
一年間の食品検査は、輸入柑橘類の残留農薬と防かび剤、野菜、果物、穀物、茶中の残留農薬、養殖魚、食肉中の残留動物用医薬品と合成抗菌剤、更に食肉中の有機塩素系農薬、魚介類中のPCB、水銀、有機スズ化合物等や、貝類の麻痺性貝毒などの計約250の品目について行い、府民の皆様の食生活の安全に心がけています。
次に薬事法に基づく医療用後発医薬品の品質再評価について述べてみましょう。医薬品には新薬(先発医薬品)と後発医薬品があります。新薬として開発された先発医薬品は、一定期間が経つと、別の製薬会社が新たに同一処方の製剤を製造し別名で販売しても良いことになっています。このような医薬品は、薬理学的効果を示す主成分を変えてはならず薬理効果も同等で後発医薬品(通称ゾロ品)と言い、開発経費等が少なくて済むことから薬価が低く抑えられます。しかし、これらの後発医薬品の中には先発医薬品に比べ有効性に乏しいものがありました。そこで、厚生省は後発医薬品を再評価する事業を行っており、当所でもこの事業に参画して、試験方法の規格策定を行い、日常的に分析を行っています。 これら後発医薬品のうち、錠剤や顆粒剤など固形の飲み薬は、胃又は小腸などで溶けて吸収されることから、胃や小腸の酸度に合わせ、人工的に似た状態を作り、有効成分が溶け出す時間を調べ、先発医薬品と同等の薬理効果が発揮されるかを確認するのが溶出試験と呼ばれる規格を定める試験方法です。
さて、遺伝子組換え食品をめぐっては既に多くの議論が沸き起こっています。厚生省は、従来から遺伝子組換え食品について「食品等の製造指針及び安全性評価指針」を検討していましたが、2001年4月から法的に義務化します。即ち、これらの遺伝子組換え食品の含有率等を表示することを生産者に義務づけ、選択は消費者に委ねられることとなります。従って、当研究所においても遺伝子組換え食品の試験検査を行っていくよう鋭意準備中です。
次いで、調査研究について少し触れておきましょう。最近の新聞紙上でよく環境ホルモンとか魚貝類特に巻貝(イボニシ)の[雌が雄に]などのインポセックス現象が起こっている記事を見かけます。これは、船底塗料や魚網防汚剤として使用されてきた有機スズがホルモンのような働きをしてこの様な現象を引き起こしているのです。このような化学物質を外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)と称し、環境庁は約70種をリストに挙げ全国調査を行っています。当研究所では、1988年から府内で水揚げされた魚介類の有機スズの残留実態を調べていますが、調査を始めた当初からは漸次減少し、最近では約1/10程度に減少しています。
保健環境研究所の重要な業務は、府民の健康と環境に係る試験検査や調査研究を行い、府民の健康の維持・増進と環境対策の推進を目的としています。殊に調査研究を行う目的は、法に従った行政が科学的根拠に基づく試験検査により公平、かつ公正に行われるため、事業課毎に各種の業務が展開されています。以上のように、理化学課は、食品、医薬品、家庭用品など、お茶の間や台所と言った生活に密着した部分の安全性確保に努めており、検査に従事している職員はまさに府民生活の縁の下の力持ちです。
(所長 前田知穂)
最近の地下水と土壌汚染について
<はじめに>
地球上の水の約3%を占める淡水のうち、身の回りにあって使える水は0.8
%と極わずかで、その90%以上を占めているのが地下水です。
地下水は、一般に水質が良好であり、温度変化も少ないこと等から、重要な水資源です。現に、上水道等の水源別取水量では、地下水がその約30%を占めており、約3000万人が飲料水として利用していると言われています。
さて、地下水に関わる環境問題では、昭和40年代にかけて地下水汲上げによる地盤沈下の問題、水質面では、フッ素による斑状歯問題やヒ素等地質に由来する汚染が知られています。
昭和56年アメリカのシリコンバレーにおいて有機塩素系化合物による地下水汚染問題が起こり、これをきっかけに環境庁が昭和57、58年度に全国調査をした結果、有機塩素系化合物による地下水・土壌汚染が、多くのところで見つかり、新たな物質(人工的に作られた化学物質)による汚染が顕在化しました。
このため、有機塩素系化合物のうちトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが平成元年の10月から水質汚濁防止法において有害物質として規制され、平成6年度には、更に、有機塩素系化合物9物質について河川水、地下水、土壌等の環境基準が定められ、今日に至っています。
<有機塩素系化合物による地下水と土壌汚染>
有機塩素系化合物の特性として、
が挙げられます。 更に、人間への影響として発ガン性があるとされています。
図に示したように、汚染の仕組みは前述した性状により、汚染源から出た原因物質は地表面から垂直方向に土壌から地下水へと汚染が進み、更に、地下水の流れる方向に沿って拡散していきます。
有機塩素系化合物による地下水・土壌汚染の状況は、環境庁の平成10年度調査では、292件と公表されていますが、ある文献によると世界の汚染箇所は、アメリカでは50万箇所、ドイツでは26万箇所、オランダでは11万箇所あると言われており、日本においても顕在化していない汚染を考えると数百のオーダーではなく、それ以上に多くの箇所があると推測されます。
なぜ、このような状況になったのでしょうか。有機塩素系化合物は、その特性から、“安くて効果の高い魔法の洗浄剤”といわれ、機械部品や衣類等の油汚れを取除く洗浄剤として大量に使用されましたし、現在でも使用されていることにあります。
水質汚濁防止法など法律による種々の規制により、これらの取扱いも慎重になり、環境への排出は極力抑えられていますが、過去の汚染だけでなく、新たな汚染が見つかる状況にあります。
一方、最近、土地売買において地下水・土壌汚染の有無が売買の条件になってきています。ある会社が工場を閉鎖しその跡地を売買しようとした場合、その跡地から有機塩素系化合物等による地下水・土壌汚染が見つかれば(売買の段階で土壌調査の実施が常識になっている)、その汚染を取除かなければ売買は成立しないといったことが起きています。
<京都府の現状>
京都府における平成10年度の地下水汚染の現状
は表のとおりです。
| 調査地点 | 176 |
| 環境基準*項目検出地点 | 70 |
| 有機塩素系化合物検出地点 | 63 |
| テトラクロロエチレン | 57(16) |
| トリクロロエチレン | 19(4) |
| 注)( )内は環境基準超過地点数 | |
環境基準*は、地下水の水質汚濁に係る環境基準のことで、有機塩素系化合物など26項目について設定されています。
京都府においても有機塩素系化合物による地下水汚染がみられ、特に、ドライクリーニングで使用されるテトラクロロエチレンによる汚染が多く見られます。
そこで、京都府では、有機塩素系化合物を取扱う可能性がある事業場約300
社に対し地下水汚染防止の文書指導を行い、汚染がみられる事業場に立入調査を実施し、その状況を公表するとともに浄化対策を指導しています。
<地下水・土壌汚染対策に向けて>
地下水・土壌汚染は、河川の水質汚濁や大気汚染に比べ、汚染状況が非常に分かりにくい状況にあります。一旦、汚染されるとそれを除去し、正常に回復させるためには、非常な労力と膨大な経費と時間がかかります。
汚染を未然に防止するためにも、有機塩素系化合物を使用する事業者は取扱いに細心の注意(使用の中止も含め)を払い、地下水・土壌汚染を引起こさないように極力努める必要があります。もし、汚染の懸念がある場合は早急に調査し、汚染が確認された場合は汚染除去対策を迅速に行えば汚染の拡大を防げるだけでなく対策にかかる時間、経費、労力が抑えられることになります。
20世紀も余すところわずかになりましたが、今世紀の負の遺産の一つといわれる有機塩素系化合物による地下水・土壌汚染を早期に改善し、新世紀を迎えようではありませんか。
(水
質 課)