ホーム >> 感染症情報(週報)

<平成24年第28週>平成24年7月9日〜平成24年7月15日

今週のコメント

 第28週、夏風邪の一つであるヘルパンギーナは引き続き増加傾向、手足口病は徐々に増加傾向ではありますが昨年と比べ低水準で推移しています。咽頭結膜熱は、第26、第27週と報告数が減少していましたが、第28週は増加に転じています。
 先週に引き続き風しんの報告がありました。2012年の風しんの報告数は、これまでに全国で累積692人(第27週は594人でした)。過去5年間で最も多くなっています。7月からは東京都など関東地方からの報告も増加しています。
 風しんに罹患すると発熱・発疹・リンパ節腫脹といった症状が現れ、多くは軽症で経過する疾患ですが、成人(とくに女性)では関節炎を合併することがあります。また免疫のない女性が妊娠初期に風しんに罹患すると、胎児に感染し、先天性風しん症候群(白内障、心疾患、難聴など)を引き起こすことがあります。 臨床症状だけでは、伝染性紅斑(“りんご病”)など他の疾患と紛らわしい場合もあり、風しんに対する抗体検査なども参考に診断します。
 風しんは風しんウイルスによる感染症でウイルスを直接抑える薬はありませんが、ワクチン接種により予防可能な疾患で、定期接種が行われています。定期接種は、MRワクチン(麻疹・風しん混合ワクチン)として第1〜第4期まであります。ただし第3、4期は平成20年度から平成24年度までの5年間の期間限定で、今年度が最終年度となっています。平成24年度MRワクチン接種対象者は、
   ・ 第3期 平成11年4月2日〜平成12年4月1日に生まれた方(中学1年生相当)
   ・ 第4期 平成6年4月2日〜平成7年4月1日に生まれた方(高校3年生相当) です。
 今回の流行では、20歳代〜40歳代の男性患者が多く、この年代は抗体を持つ方が少ないことが要因と考えられています。先天性風しん症候群を防ぐためには、妊婦さんへの感染をできるだけ防ぐ必要があります。妊娠の可能性のある女性、妊婦の夫・子どもや同居家族は、風しんワクチンの接種を検討して下さい。
 なお風しんワクチンは生ワクチンであり、妊婦には接種しませんので、妊娠していないことが確実な時期に接種すること、接種後2ヶ月間は避妊することが勧められています。
  国立感染症研究所の風しんに関してのQ&A も参照して下さい。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 報告がありません
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が6件報告されました
4類感染症 レジオネラ症が1件報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢が1件、風しんが2件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.60 4.47
2 ヘルパンギーナ 2.11 4.42
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.25 1.70
4 水痘 0.89 1.09
5  流行性耳下腺炎  0.44 0.55 
咽頭結膜熱 0.44   0.53

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が2件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が5件報告されました

▲ページTOPへ

■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

▲ページTOPへ

今週のヘルパンギーナ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 0.25
中丹西 - -
中丹東 - -
南丹 24 4.80
乙訓 1 0.33
山城北 17 1.89
山城南 7 2.33
京都市 104 2.54
京都市版はこちら
近隣版はこちら
▲ページTOPへ
インフルエンザ 咽頭結膜熱 A群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 水痘
手足口病   伝染性紅斑   突発性発疹   百日咳   ヘルパンギーナ  
流行性耳下腺炎   急性出血性結膜炎   流行性角結膜炎   RSウイルス感染症
▲ページTOPへ
丹後中丹東中丹西南丹京都市乙訓山城北山城南