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<平成24年第42週>平成24年10月15日〜平成24年10月21日

今週のコメント

 第42週、インフルエンザの報告数は少なく、増加はみられていません。A(H1N1)pdm09が流行した2009/2010シーズンの他は、例年12月〜1月に急増し1〜2月にピークを迎えます。なおインフルエンザが今夏にも流行した沖縄県では、報告数は減少傾向にあります。
 A群溶血性連鎖球菌咽頭炎の報告数は、例年よりやや多めに推移しています。第41、42週と増加傾向です。A群溶血性連鎖球菌咽頭炎は、例年冬から初夏にかけて報告数が増加します。感染性胃腸炎の報告がやや増加傾向。昨年よりも早めに増加傾向です。 例年11、12月頃から報告数が増加し、冬から初夏にかけて多くなります。水痘は、例年同様の水準です。例年これから増加していきます。伝染性紅斑は、一昨年から昨年にかけて報告数が増加していましたが、今年は少なくなっています。 突発性発疹の報告数は、例年同様に推移しています。 流行性耳下腺炎は過去5年間の中で、報告数は少なめで推移しています。 RSウイルス感染症の報告数は、第41週は第40週より低下していましたが、第42週は前週より増加しており、報告数の多い状況が続いています。

 マラリアの報告がありました。
 マラリアはハマダラカの仲間によって媒介されたマラリア原虫によって起こる疾患です。ヒトに感染するのは4種類で、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫があり、それぞれ熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリアの原因となります。症状としては、高熱が特徴で、マラリアの種類によって熱の出方に違いがあります。熱帯熱マラリアは病状の経過が早く、早期に治療を開始しないと重篤な経過をたどります。
 日本で報告される例は、現在では海外で感染したもので、熱帯熱マラリアか三日熱マラリアの頻度が多くなっています。マラリア原虫の種類により潜伏期間は異なり、潜伏期間の平均日数は、熱帯熱マラリアが最も短く12日、三日熱マラリアで15日です。ただ熱帯熱マラリア以外は、帰国後一ヶ月以上たってからの発症もありえます。診断にはマラリア流行地域への渡航歴の有無も重要な情報ですので、医療機関受診時には海外渡航歴につき申告するようにしましょう。
 マラリアに有効な予防接種は開発されていません。予防法は蚊にさされないようにすることです。また日本では保険診療としては認められていませんが、抗マラリア薬の予防内服という方法もあります。
 海外で感染する危険のある感染症に対する予防接種、抗マラリア薬に関する情報などは“ FORTH(厚生労働省検疫所)のホームページ”などでご確認ください。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が3件報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 マラリアとレジオネラ症が各1件報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢が1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.21 3.74
2 RSウイルス感染症 1.04 1.19
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.97 1.13
4 流行性角結膜炎 0.81 0.52
5 突発性発疹 0.44 0.59

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が1件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が13件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のRSウイルス感染症地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 - -
中丹西 1 0.33
中丹東 1 0.20
南丹 14 2.80
乙訓 2 1.00
山城北 1 0.11
山城南 3 1.00
京都市 53 1.29
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