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<平成24年第46週>平成24年11月12日〜平成24年11月18日

今週のコメント

 感染性胃腸炎の報告数の増加が続いています。寒さが厳しくなっていく時期ですが、手洗いを励行するようにしましょう。RSウイルス感染症は、引き続き報告数が多い状況が続いていますが、増加傾向にはありません。現時点で府内におけるインフルエンザの報告数は少なく、増加傾向はみられません。また全国的に報告数が多くなっているマイコプラズマ肺炎については、府においては全国レベルよりも少なく、先週、今週では報告がありませんでした。
 今週つつが虫病が一件報告されました。つつが虫病は、野山でツツガムシというダニに吸着され、リケッチアという細菌の一種に感染することで発症します。今回のケースは府外での感染と推定されていますが、これまで京都府では北部地域での感染例が、春から初夏あるいは秋〜初冬に報告されています。
 つつが虫病では、ダニの吸着後1〜2週間してから39度以上の高熱で発症し、ついで体幹を中心として発しんがみられるようになります。頭痛、倦怠感も伴います。肝機能検査異常をともなうことが多く、重症例では播種性血管内凝固症候群という合併症をきたし生命に関わる場合があります。ダニの刺し口は特徴的で黒いかさぶたがついたようになっており、発しんとともにつつが虫病を疑うきっかけになります。
 なお、つつが虫病は東南アジアなど他地域でも発生しており、海外で感染することもあります。抗体検査での確定診断は結果が出るまで時間を要しますし、つつが虫病では早期に治療を開始することが重要であるため、発症前に発生が報告されている地域へ行ったことがあるといった経緯や、高熱・発しん・刺し口という所見、血液検査所見などからつつが虫病が疑われれば、テトラサイクリン系という抗生剤で治療を開始します。一般的に抗生剤への反応は良く、1日ほどで解熱します。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が6件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました
4類感染症 つつが虫病とレジオネラ症が各1件報告されました
5類感染症 報告がありません

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 12.24 11.39
2 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.26 1.66
3 水痘 1.15 1.28
4 RSウイルス感染症 0.81 1.08
5 突発性発しん 0.50 0.59

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が8件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 24 6.00
中丹西 19 6.33
中丹東 94 18.80
南丹 54 10.80
乙訓 45 22.50
山城北 93 10.33
山城南 - -
京都市 552 13.46
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