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<平成25年第19週>平成25年5月6日〜平成25年5月12日

今週のコメント

 京都府では15人の風しん患者の報告があり、今年の報告件数は累計で75人となりました。これまでのところ東京を中心とした関東(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、大阪府や兵庫県の他、鹿児島県、愛知県、福岡県、静岡県で累積報告数が多くなっています。
 風しんは予防接種により予防可能な疾患で、現在1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象として麻疹・風疹ワクチンとして定期接種しています。成人の方も予防接種をご検討ください
   ≫厚労省のホーページ(風しんについて)
 侵襲性肺炎球菌感染症の報告がありました。肺炎球菌は名前の通り、肺炎の原因となる細菌で、細菌表面の膜(莢膜:きょうまく)の成分により90種類以上の型に分類されています。実は非常にありふれた菌で、乳幼児ではのどや鼻に保菌していることが多く、中耳炎や肺炎の原因となることがありますし、成人では市中肺炎(病院外での通常の生活のなかでかかる肺炎)の主要な原因の一つです。
 「侵襲性」肺炎球菌感染症というのは、肺炎球菌による髄膜炎菌血症(血液中に細菌が検出される状態)、敗血症(細菌感染により引き起こされた全身性の炎症)といったより重症の病態であり、成人では肺炎に併発するものが多く、小児では感染部位がはっきりとしない菌血症が多くなっています。また小児、成人ともに細菌性髄膜炎の主な原因菌の一つです。  命に関わる侵襲性肺炎球菌感染症を予防するために肺炎球菌ワクチンの接種が行われます。小児においては、同じく細菌性髄膜炎の原因菌であるヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)に対するワクチン(Hibワクチン)とともに肺炎球菌ワクチンが2013年4月から定期接種となりました。成人に対しては、脾臓を摘出した患者(肺炎球菌感染が重症化する危険が高くなる)や高齢者、糖尿病などの持病がある方などへの接種が行われますが、この内、保険適用となるのは脾臓摘出後の患者さんに対する肺炎球菌感染予防目的での接種のみです。(なお肺炎球菌ワクチンは、成人に用いるものと小児用とではワクチンの種類が異なります。成人あるいは小児に感染することが多い型を大部分カバーしていますが、90種類以上存在する型の全てに対するワクチンではありません。)
 治療は、ペニシリン系の抗生物質の投与を行いますが、近年ではペニシリン系抗生剤への抵抗力をもった肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌)が増えているため、肺炎球菌感染が疑われた場合には、まずはペニシリン耐性肺炎球菌にも有効な抗生剤を選び、培養検査で抗生剤の効き目を確認してから、最適な抗生剤への変更を検討するようにします。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が4件報告されました
3類感染症 細菌性赤痢が1件報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 侵襲性肺炎球菌感染症が1件、風しんが15件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 6.01 8.04
2 インフルエンザ 1.86 1.91
3 水痘 1.31 1.55
4 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.18 1.88
5 流行性角結膜炎 0.89 0.65

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が16件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の流行性角結膜炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 1.00
中丹西 1 1.00
中丹東
南丹 1 1.00
乙訓 - -
山城北 - -
山城南 - -
京都市 13 1.30
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