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<平成25年第23週>平成25年6月3日〜平成25年6月9日

今週のコメント

 “夏かぜ”の一つである咽頭結膜熱の報告が増加しています。また風しん患者の報告が続いており、京都府では第23週に15件の報告があり、累積で165件となっています。
 咽頭結膜炎は、アデノウイルス3型やアデノウイルス2型などが原因のウイルス感染症です。症状は発熱の他、疾患の名前のとおり、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)、結膜炎(結膜充血、眼痛、流涙、眼脂)がみられます。感染力が強く飛沫感染、接触感染で拡がります。
 デング熱が1件報告されました。デング熱は中南米、アフリカ、オセアニア、アジアの熱帯、亜熱帯地方の国々で流行しているウイルス感染症です。WHOでは毎年世界中で5千万人から1億人の患者が発生していると推計しており、今年は、これまでのところラオス、ニューカレドニア、フィリピン、シンガポールで昨年同時期よりも多く報告されています。
 日本で報告される患者の推定感染地は、日本人の旅行先として人気の東南アジアなどのアジア諸国が多くなっています(インドネシアなど)。媒介する蚊は人家周辺に生息するネッタイシマカが主なものですので、“人里離れた自然豊かなところ”ではなく、都市部など人家の多いところで流行していることに注意しましょう。
 蚊に刺されて4〜10日間後に発症。発熱、頭痛、眼の奥の痛み、筋肉痛、関節痛、嘔気・嘔吐、皮疹などが出現します。症状は、2〜7日間続きます。デングウイルスに対する抗ウイルス薬は無く、症状に応じて鎮痛剤の一種であるアセトアミノフェンの投与や輸液などが行われます。ワクチンは無く、予防は蚊に刺されないようにすることです。
 デング熱に限らず、海外には日本には存在しない感染症が多くあります。渡航前に必ず、感染症対策も含めて事前に情報収集をしておきましょう(厚生労働省検疫所や、外務省海外安全ホームページが参考になります)。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が4件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました
4類感染症 デング熱が1件報告されました
5類感染症 風しんが15件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 5.91 5.99
2 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.73 2.15
3 水痘 1.07 1.30
4 手足口病 0.51 0.99
5 咽頭結膜熱 0.49 0.70

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が6件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 5 1.25
中丹西 1 0.33
中丹東 8 1.60
南丹 26 5.20
乙訓 6 2.00
山城北 13 1.30
山城南 5 1.67
京都市 64 1.56
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