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<平成25年第35週>平成25年8月26日〜平成25年9月1日

今週のコメント

 京都府では風しん1件と減少していますが、全国的には都市部を中心に55件の報告となっています。また全国的に13例目の先天性風しん症候群の報告がありました。
 手足口病の報告が、再び増加してきています。京都府では、今週定点あたり4.88件の報告がありました。中丹東、南丹、乙訓の保健所管内、京都市では南区、右京区、伏見区、西京区において、警報開始基準値を超えています。稀に脳炎や髄膜炎を引き起こすこともありますので、発熱・頭痛・嘔吐が続く場合にはすぐに医療機関を受診するようにしてください。手洗いを徹底して予防に努めるとともに、発症時には水分補給こまめにして脱水にならないようにしましょう。
 今週、梅毒が1件報告され、京都府では累計8件となりました。梅毒は梅毒トレポネーマという細菌感染症で性行為感染症の一つです。下記のように急性・慢性に多彩な症状が消長し、症状の無い時期には血液検査のみが手がかりとなります。

 潜伏期:症状はありません。
 第1期:感染の約3週間後(10〜90日後)に、痛みの乏しい陰部潰瘍、口腔内潰瘍が出現します。局所のリンパ節が腫れます。
 第2期:感染の約1.5ヶ月後(半月〜3ヶ月後)に、全身のリンパ節の腫脹、筋肉痛、咽頭痛、また皮しんが現れます。
 早期潜伏性梅毒:感染後1年くらいは、第2期梅毒の症状を繰り返します。次第に症状は軽減していき、全く無症状な後期潜伏性梅毒に移行します。
 後期潜伏性梅毒:第3期までの無症状の期間です。
 第3期:数年後から30年後くらいの時期に、神経梅毒、心血管梅毒、ガマ腫を発症します。なお、第3期の症状を呈さず、潜伏して長期経過する場合も多いと考えられています。

 性行為(オーラルセックスやアナルセックスも含めます)による直接的な接触により感染し、感染源となるのは、特に第1期、第2期の患者の唾液、血液、精液、膣分泌物、あるいは患者の皮しんの浸出液です。第3期には感染性はほとんど無いと考えられています。治療の基本はペニシリンで、治療開始後すみやかに感染性は無くなると考えられていますが、治療後の再感染も起こりえます。病期により抗菌薬の投与期間が異なります。 近年ではHIV感染症との合併で注目されており、HIV感染を合併している場合には梅毒の症状や検査結果が非典型的になることがあります。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が6件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が3件報告されました
4類感染症 レジオネラ症が1件報告されました
5類感染症 梅毒と風しんが各1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 手足口病 4.88 4.25
2 感染性胃腸炎 1.96 2.83
3 ヘルパンギーナ 0.88 1.42
4 突発性発しん 0.50 0.67
5 水痘 0.46 0.35

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が7件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の手足口病地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 4 1.00
中丹西 6 2.00
中丹東 49 9.80
南丹 29 5.80
乙訓 35 8.75
山城北 39 4.33
山城南 5 1.67
京都市 194 4.73
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