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<平成25年第49週>平成25年12月2日〜平成25年12月8日

今週のコメント

 感染性胃腸炎の報告がさらに増加しています。全国的には定点あたりの報告数が13件を超え、京都府においても7件を超えました。特に中丹東、中丹西、乙訓の各保健所の管内では10件以上となっています。手洗いの徹底、嘔吐物などの適切な処理を心がけてください。
 RSウイルス感染症の報告が引き続き高水準で推移しています。3ヶ月を超える流行となっています。約90%が2歳以下の発症で、特に乳児における重症化に注意が必要です。また高齢者においてもRSウイルス感染症が重症の下気道炎を起こす原因となることが知られています。マスク着用、手洗い、うがいを徹底してください。
 インフルエンザの報告が、43週以降増加しています。今週全国の定点あたりの報告数が0.67件、京都府では定点あたり0.39件となっています。これまでのインフルエンザウイルスの検出の報告では、AH3亜型(A香港型)の割合が最も多く、次いでAH1pdm09、B型の順となっています。飛沫感染対策としての咳エチケット、外出後の手洗いなど、予防を心がけてください。
 例年冬から春にかけて増加する水痘の報告が増加してきています。水痘は水痘ウイルスの感染が原因です。いったん感染すると水痘が治った後もウイルスは知覚神経節に潜んでおり、免疫力が低下したりすると帯状疱疹として発症することがあります。水痘では、発疹が全身に出現し、発赤した丘疹から水疱を形成し、かさぶたを作って治っていきます。皮疹の全てがかさぶたにまでなれば感染性はありません。数日の間に次々と皮疹が出現していくので、水疱からかさぶたまで時期の異なる皮疹が同時期にみられることが特徴です。発疹出現後、大体6日間前後は感染性があります。合併症としては、皮疹への細菌感染、ウイルス性肺炎、脳炎、無菌性髄膜炎などがあります。治療は軽症例では対症療法が基本で、細菌感染を防ぐためにカチリという外用薬を塗ります。水痘ウイルスに対しては抗ウイルス薬があり、重症例や重症化のおそれのある場合に使用します。感染経路は、飛沫感染、接触感染、空気感染です。任意摂取(摂取率40%程度)のワクチン接種が発症予防に有効ですし、もし接種後に発症しても軽症で済みます。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が6件報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 報告がありません
5類感染症 報告がありません

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 7.43 13.11
2 水痘 1.35 1.69
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.26 2.08
4 RSウイルス感染症 0.89 1.39
5 流行性角結膜炎 0.88 0.56

■基幹定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が2件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が15件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 22 5.50
中丹西 37 12.33
中丹東 63 12.60
南丹 17 3.40
乙訓 41 13.67
山城北 67 6.70
山城南 - -
京都市 303 7.39
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