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<平成26年第6週>平成26年2月3日〜平成26年2月9日

今週のコメント

 インフルエンザの報告が続いています。京都府において定点あたりの報告数は29.63件と先週よりやや減少しましたが、南丹、乙訓、山城北の保健所管内で、また京都市内では南区、左京区、西京区で、30件以上となっています。流行の継続がしばらく予想されます。うがいや手洗いの励行、外出時のマスク着用、十分な栄養と休養などによる「かからない」対策を、また咳エチケットによる「うつさない」対策を徹底してください。
 直近の5週間では、2009年に新型インフルエンザとして流行したAH1(N1)pdm09の検出割合が最も多く、次いでB型、AH3亜型(A香港型)の順となっています。オセルタミビル及びペラミビル耐性のAH1pdm09が6道府県で報告されています。またAH1pdm09によるインフルエンザ脳症での死亡例の報告がありました。AH1pdm09による急性脳症に注意が必要です。
 感染性胃腸炎の報告はやや減少傾向ですが、乙訓保健所管内、京都市西京区、右京区で10件以上となっています。またノロウイルスによる集団感染の報告が全国的に見られます。引き続き手洗いの徹底に留意ください。
 侵襲性肺炎球菌感染症の報告が2件ありました。侵襲性肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌による髄膜炎や菌血症、敗血症といった重症の病態であり、成人では肺炎に併発することが多く、小児では感染部位がはっきりしない菌血症が多くなっています。また小児、成人ともに細菌性髄膜炎の主な原因菌の一つです。侵襲性肺炎球菌感染症の予防として、肺炎球菌ワクチンの接種が行われます。2歳以上で肺炎球菌疾患にかかるリスクが高い人および高齢者を対象とした23価肺炎球菌多糖体ワクチンと、2ヶ月齢以上6歳未満の小児を対象とした13価肺炎球菌結合型ワクチンの2つが発売されています。小児に対しては2013年4月から定期接種となっています。治療は、ペニシリン系の抗生物質の投与を行いますが、近年ではペニシリン系抗生剤への抵抗力をもったペニシリン耐性肺炎球菌が増えています。ペニシリン耐性肺炎球菌にも有効な抗生剤の使用、薬剤感受性試験に基づいた最適な抗生剤の使用が重要です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が1件報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 A型肝炎が1件報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢が1件、侵襲性肺炎球菌感染症と麻しんが各2件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 29.63 30.72
2 感染性胃腸炎 6.23 8.18
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.00 2.04
4 水痘 0.93 1.15
5 流行性角結膜炎 0.39 0.56

■基幹定点

無菌性髄膜炎が2件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が7件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 132 26.40
中丹西 134 26.80
中丹東 138 17.25
南丹 452 50.22
乙訓 225 37.50
山城北 531 31.24
山城南 95 19.00
京都市 1938 28.50
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