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<平成26年第7週>平成26年2月10日〜平成26年2月16日

今週のコメント

 インフルエンザの報告は2週前をピークに減少しています。京都府において定点あたりの報告数は26件となっていますが、乙訓、南丹の保健所管内、また京都市内では南区、西京区、左京区で、30件以上となっています。うがいや手洗いの励行、外出時のマスク着用、十分な栄養と休養、咳エチケットによる対策を引き続き徹底してください。先週までと同様に、2009年に新型インフルエンザとして流行したAH1(N1)pdm09の検出割合が最も多く、次いでB型、AH3亜型(A香港型)の順となっています。AH1pdm09による重症肺炎に小児では特に注意が必要です。またオセルタミビル及びペラミビル耐性のAH1pdm09の報告が9道府県にまで拡大しています。
 感染性胃腸炎の報告は減少傾向となっています。しかし全国的にはノロウイルスによる集団感染の報告が散見されます。引き続き手洗いを徹底してください。また吐物などの処理の際には適切な消毒を行い、二次感染を予防してください。
 急性脳炎の報告が1例ありました。急性脳炎は、ウイルスなどの病原体が感染することによる脳の炎症です。髄液検査、血液検査、神経学的所見などから診断されます。発熱、頭痛といった他の病気でもみられる症状が最初にあらわれることが多く、その後意識障害、行動異常、痙攣、麻痺など多彩な症状が出現します。なお、感染とは別の原因により神経症状をきたす脳症という病態があり、厳密には脳炎とは異なりますが、症状は脳炎と同様なため、区別が困難なこともあります。
 脳炎の原因の多くはウイルスで、他にマイコプラズマ、リケッチア、スピロヘータ、真菌、トリパノソーマなどの寄生虫が挙げられます。脳炎をきたすウイルスには、インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、麻しんウイルス、風しんウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどがあります。治療には、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスではアシクロビル、サイトメガロウイルスではガンシクロビル、マイコプラズマ、寄生虫などでは適切な抗菌薬、抗寄生虫薬などによる治療が行われます。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が4件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 急性脳炎が1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 26.00 28.18
2 感染性胃腸炎 5.38 6.22
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.08 1.75
4 水痘 0.90 1.06
5 流行性角結膜炎 0.59 0.54

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が10件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 145 29.00
中丹西 117 23.40
中丹東 125 15.63
南丹 338 37.56
乙訓 261 43.50
山城北 413 29.50
山城南 127 25.40
京都市 1594 23.44
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