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<平成26年第9週>平成26年2月24日〜平成26年3月2日

今週のコメント

 インフルエンザの報告です。3週連続減少していましたが、今週は先週より少し増加し、京都府における定点あたりの報告数は、25.77件となっています。乙訓、南丹、山城南保健所管内、京都市内では左京区、西京区、伏見区で、定点あたり30件以上の報告となっています。うがいや手洗いの励行、外出時のマスク着用、十分な栄養と休養、咳エチケットの徹底に引き続きご留意ください。直近5週のインフルエンザウイルスの検出状況ですが、先週までと変わりなく、2009年に新型インフルエンザとして流行したAH1(N1)pdm09、B型、AH3亜型(A香港型)の順となっています。ただ最近B型の検出割合が増加しており、今後B型の拡大の可能性があります。またオセルタミビル及びペラミビル耐性のAH1pdm09株の検出率は6%で、10都道府県とさらに拡大しています。
 感染性胃腸炎の報告ですが、今週は先週より少し増加しました。全国的にノロウイルスの集団感染が報告されています。引き続き手洗いを徹底してください。
 A型肝炎の報告が1件ありました。2011年以降、年間176人、158人、128人となっていましたが、今年は第3週以降急増し、今週時点で102件となっています。A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる疾患で、一過性の急性肝炎をきたします。2〜7週間の潜伏期間ののち、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、黄疸などの症状を起こします。特異的治療はなく、治療法は安静や対症療法が中心です。多くは1〜2カ月の経過で回復し慢性化しませんが、まれに劇症化(0.1%)して死亡することがあります。小児では不顕性感染が80〜95%と多いため、時に無症状のまま、集団発生の感染源となることもありますが、成人では顕性感染が75〜90%と多くなっています。国内の感染経路としては、魚介類の生食などによる経口感染や、性的接触などが報告されています。A型肝炎は糞便中に排泄され糞口感染によって伝播します。そのため感染性胃腸炎などと同様、特に排便後、調理前、食事前の手洗いが大切です。また上下水道設備が整備されていない国では、生水や氷、生肉、生野菜などから感染する可能性があり、十分に加熱された飲食物を摂取するといった注意が必要です。A型肝炎に対しては予防接種があります。危険性のある地域への渡航の際には接種も考えましょう。海外渡航のためのワクチンについては厚生労働省検疫所のサイトをご参照ください。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が4件報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 A型肝炎が1件報告されました
5類感染症 梅毒が1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 25.77 28.44
2 感染性胃腸炎 6.19 6.78
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.27 2.29
4 水痘 0.51 1.00
5 突発性発しん 0.27 0.43

■基幹定点

無菌性髄膜炎が1件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が3件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 102 20.40
中丹西 118 23.60
中丹東 198 24.75
南丹 306 34.00
乙訓 225 37.50
山城北 476 29.75
山城南 151 30.20
京都市 1568 23.06
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