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<平成26年第14週>平成26年3月31日〜平成26年4月6日

今週のコメント

 インフルエンザの定点あたりの報告数は、先週より半減し、4.72件となっています。2週連続して全都道府県で前週の報告数より減少しています。京都府において、警報はすべて解除されました。全国の直近5週間のインフルエンザウイルスの検出割合はB型、AH1pdm09、AH3亜型の順で、半数以上がB型で報告されています。うがい手洗い外出時のマスクを心がけてください。
 感染性胃腸炎の報告は横ばいで推移しています。引き続き、手洗いを徹底してください。
 A型肝炎の報告が1件あり、6件となりました。全国的は260件の報告となり、昨年の倍以上になっています。A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる疾患で、2〜7週間の潜伏期間ののち、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、黄疸などの症状を起こします。特異的治療はなく、治療法は安静や対症療法が中心です。多くは1〜2カ月の経過で回復し慢性化しませんが、まれに劇症化して死亡することがあります。国内の感染経路としては、魚介類の生食などによる経口感染や、性的接触などが報告されています。A型肝炎ウイルスは糞便中に排泄され糞口感染によって伝播しますので、感染性胃腸炎などと同様、排便後、調理前、食事前の手洗いが重要です。
 クロイツフェルト・ヤコブ病の報告が1件ありました。クロイツフェルト・ヤコブ病は、正常プリオン蛋白が何らかの理由で伝播性を有する異常プリオン蛋白に変化し、主に中枢神経内に蓄積することにより急速に神経細胞変性をおこす稀な致死性疾患であるプリオン病の代表的なタイプです。病因により、特発性(孤発性)、プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性、他のプリオン病からの感染による獲得性(医原性、変異型)の3種類に分類されています。2003年より五類感染症に分類されており、診断後7日以内に保健所へ報告することが義務づけられています。本疾患の有病率は100万人に1人前後で、男女差はなく、発病は50〜70歳代に多く、わが国のサーベイランス調査によると、孤発性が76.5%、遺伝性が19.0%、獲得性が3.9%となっています。治療は確立されておらず、孤発性症例では進行が速く1〜2年で死亡し、遺伝性や一部の孤発性症例は進行が遅く数年に及ぶものもあります。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が1件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました
4類感染症 A型肝炎が1件報告されました
5類感染症 クロイツフェルト・ヤコブ病と後天性免疫不全症候群が各1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 4.72 6.13
2 感染性胃腸炎 4.33 5.07
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.68 1.43
4 水痘 0.49 0.97
5 流行性角結膜炎 0.44 0.47

■基幹定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が7件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 48 9.60
中丹西 21 4.20
中丹東 34 4.25
南丹 45 5.00
乙訓 52 7.43
山城北 89 5.93
山城南 14 2.80
京都市 273 4.01
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