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<平成26年第21週>平成26年5月19日〜平成26年5月25日

今週のコメント

 感染性胃腸炎の報告が続いています。全国的に過去5年間の同時期と比較してやや多くなっており、京都府での定点あたりの報告数は、10.03件となっています。乙訓保健所管内および京都市西京区で、定点あたり20件以上の報告が続いています。十分な手洗いを引き続き心がけてください。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が続いています。京都市右京区および中丹東保健所管内で、定点あたり4件以上の報告となっています。全国的に例年よりやや多くなっています。治療にはペニシリン系薬剤が第一選択薬ですが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第一世代のセフェムも使用可能です。いずれの薬剤の場合も少なくとも10日間は確実に服用することが必要とされています。予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も推奨されています。
 レジオネラ症の報告が2件ありました。レジオネラという細菌による感染症です。レジオネラは元々土壌や水環境に普通に存在する菌であり、人工的な環境では給湯系、冷却塔、浴場などの水環境中のアメーバなどの原生動物を宿主としてその細胞内で増殖しています。病原体に暴露された誰しもが発症するわけではなく、高齢者や糖尿病などに罹患した患者など抵抗力の少ない人を感染させることが問題となります。循環式入浴施設や老健施設での集団感染の報告も知られています。診断には、尿中抗原の検出が、特異性が高く簡便迅速なため広く普及しています。また喀痰中の菌の遺伝子を検出する迅速診断も有効とされています。治療として、ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系など有効な抗生剤の使用、また予防として、感染源となる水環境に対する衛生管理重要です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が7件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 デング熱が1件、レジオネラ症が2件 報告されました
5類感染症 報告がありません

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 10.03 8.83
2 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.97 2.87
3 突発性発しん 0.54 0.65
4 咽頭結膜熱 0.43 0.62
5 流行性角結膜炎 0.39 0.58

■基幹定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が5件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が7件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 8 2.00
中丹西 21 7.00
中丹東 68 13.60
南丹 61 12.20
乙訓 99 24.75
山城北 87 9.67
山城南 3 1.00
京都市 395 9.63
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