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<平成26年第28週>平成26年7月7日〜平成26年7月13日

今週のコメント

 ヘルパンギーナの報告がさらに増加しています。京都市右京区や南区、山城南保健所管内において、警報レベルに達しています。口や喉の痛みで食事が摂りにくい場合は、脱水症を起こすこともありますので、こまめに水分摂取をしてください。まれに無菌性髄膜炎や急性心筋炎を合併することがありますので注意が必要です。感染者との密接な接触を避け、うがいや手洗いを励行してください。
 流行性角結膜炎の報告がさらに増加しています。京都市右京区と北区で警報レベルに達しています。感染力が強いので、タオルを共用しない・眼脂は手でこすらない・手をよく洗うなどを励行してください。
 夏に流行するその他のウイルス感染症として、手足口病があります。コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型が原因として多く、コクサッキーウイルスA6型、A9型、A10型なども原因となる感染症です。平成23年や25年のように流行する年と平成24年のように全く流行しない年があります。今年はこれまでのところあまり報告されていません。
 劇症型溶血性連鎖球菌感染症の報告が1件あり、3件目となりました。A群溶血性連鎖球菌による敗血症です。毎年100-200人の患者が確認されています。このうち約30%が死亡しており、きわめて致死率の高い感染症です。咽頭痛、38度以上の発熱、四肢の筋肉痛などの症状で始まり、急激に病状が進行し、数十時間のうちに軟部組織壊死、急性腎不全、成人型呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固症候群、多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることがあります。治療には、ペニシリン系抗菌薬が第一選択となります。さらに、血圧維持のための大量の輸液や、壊死に陥った軟部組織の除去が必要となります。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が8件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が3件 報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 アメーバ赤痢・劇症型溶血性レンサ球菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症が各1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.53 4.28
2 ヘルパンギーナ 3.15 3.73
3 流行性角結膜炎 1.22 0.71
4 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.05 1.99
5 水痘 0.63 0.83

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が22件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のヘルパンギーナ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 0.25
中丹西 2 0.67
中丹東 12 2.40
南丹 4 0.80
乙訓 18 4.50
山城北 21 2.63
山城南 16 5.33
京都市 156 3.80
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