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<平成26年第29週>平成26年7月14日〜平成26年7月20日

今週のコメント

 ヘルパンギーナの報告がさらに増加しています。首都圏の大流行ほどではありませんが、京都市南区、伏見区、右京区、山城南保健所管内において、警報レベルに達しています。ヘルパンギーナは、6歳までの小児に多く、突然の高熱、口腔内の水疱や発赤を主症状とするウイルス性の疾患です。エンテロウイルス(主にコクサッキーウイルス)が原因になります。典型的には2〜7日の潜伏期間後、突然38度以上の発熱をきたし、続けて口腔内に水疱が出現します。水疱が破れて痛みも伴います。その後2〜4日で解熱し、7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みで、食事や水分を十分に取れず、脱水になることがあります。こまめな水分摂取が推奨されますが、水分摂取が困難な場合は点滴が必要となることがあります。合併症として、熱に伴う熱性けいれんと、まれに無菌性髄膜炎や急性心筋炎を合併することがありますので注意が必要です。感染者の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染(飛沫感染)したり、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染(経口・接触感染)します。
 流行性角結膜炎の報告が続いています。京都市右京区で警報レベルに達しています。流行性角結膜炎はアデノウイルスによる感染症で、主に手を介した接触感染で拡がります。7〜12日の潜伏期間の後、結膜炎を発症し、結膜の充血や眼脂を認めます。2週間ほどで治癒します。
 咽頭結膜熱の報告も続いています。丹後保健所管内で警報レベルに達しています。咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症で、接触感染、飛沫感染で拡がります。患者は小学校低学年までの小児が多く、典型的には3〜5日の潜伏期間の後、38度を超える高熱で発症し、咽頭炎・結膜炎が生じて、喉の痛み、目の充血・眼脂・流涙・眼痛を訴えます。1週間ほどで治癒します。
 いずれの疾患も、感染者との密接な接触を避け、タオルを共用せず、手洗いをしっかり行うことが予防に重要です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が1件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が1件 報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 報告がありません

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 ヘルパンギーナ 4.16 4.94
2 感染性胃腸炎 3.39 3.89
3 流行性角結膜炎 0.89 0.60
4 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.88 1.67
5 手足口病 0.57 1.24

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が1件 報告されました

■眼科定点

急性出血性結膜炎が1件 、流行性角結膜炎が16件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のヘルパンギーナ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 5 1.25
中丹西 3 1.00
中丹東 15 3.00
南丹 14 2.80
乙訓 23 5.75
山城北 53 5.89
山城南 16 5.33
京都市 179 4.37
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