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<平成26年第32週>平成26年8月4日〜平成26年8月10日

今週のコメント

 ヘルパンギーナの報告はさらに減少しました。京都市伏見区以外はすべて警報レベルを下回りました。一方、流行性角結膜炎咽頭結膜熱の報告が増加しています。流行性角結膜炎は京都市右京区で、咽頭結膜熱は南丹保健所管内で警報レベルに達しています。
 咽頭結膜熱の報告は過去3年の同時期と比較しかなり多くなっています。咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症で、接触感染、飛沫感染で拡がります。患者は小学校低学年までの小児が多く、集団発生することもあります。症状としては、38度を超える高熱で発症し、咽頭炎・結膜炎が生じて、喉の痛み、目の充血・眼脂・流涙・眼痛を訴えます。症状が出る期間は数日間ほどです。感染力が強いので、予防のためタオルや食器は共有せず、手洗いをしっかり行ってください。
 腸管出血性大腸菌感染症の報告が3件あり、累計で45件となりました。昨年の同時期と比べほぼ2倍の報告となっています。引き続き食品の加熱処理に加え、調理前や食事前の手洗いや衛生に留意してください。
 クロイツフェルト・ヤコブ病の報告が1件ありました。クロイツフェルト・ヤコブ病は、脳に異常なプリオン蛋白が沈着し、脳神経細胞の機能が障害されるプリオン病の代表的なものです。病因により、特発性(孤発性)、プリオン蛋白遺伝子変異による遺伝性、他のプリオン病からの感染による獲得性(医原性、変異型)の3種類に分類されています。行動異常、性格変化や認知症、視覚異常、歩行障害などで発症します。数ヶ月以内に認知症が急速に進行し、しばしばミオクローヌスと呼ばれる不随意運動を認めます。発病より半年以内に自発運動はほとんどなくなり寝たきりの状態となります。本疾患の有病率は100万人に1人前後で、男女差はなく、発病は50〜70歳代に多くなっています。治療法は確立されておらず、多くの場合は、発病後1−2年以内に全身衰弱、呼吸麻痺、肺炎などで死亡します。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が3件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が3件 報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 クロイツフェルト・ヤコブ病が1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.11 3.26
2 ヘルパンギーナ 1.39 3.72
3 流行性角結膜炎 1.13 0.77
4 咽頭結膜熱 0.99 0.55
5 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.41 0.95

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が18件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

** グラフはありませんが、「水痘」が、京都府定点当り:0.41(全国:0.57)でA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と同じく第5位に入っています

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今週の咽頭結膜熱地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 7 1.75
中丹西 - -
中丹東 5 1.00
南丹 20 4.00
乙訓 1 0.33
山城北 5 0.50
山城南 - -
京都市 35 0.85
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