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<平成26年第36週>平成26年9月1日〜平成26年9月7日

今週のコメント

 第36週、咽頭結膜熱の報告が高水準で推移しています。京都市右京区と伏見区で、警報レベルに達しています。また流行性角結膜炎の報告が、引き続き京都市右京区で見られ、警報レベルに達しています。いずれの疾患も感染力が強いことが知られています。タオルを共用せず、手洗いを徹底してください。
 RSウイルス感染症の報告が例年と同様に増加しています。本格的な感染となるのは数週間先になるかと思われます。RSウイルス感染症は、年長児や成人では重症化することなく普通の風邪症状で済みますが、乳幼児では、上気道にとどまらず、細気管支炎や肺炎を合併することがあります。呼吸状態が悪くなり、入院治療を要する場合もあります。感染経路は飛沫感染や接触感染です。気道分泌物の付着した物の扱いに注意し、手洗いとうがいを心がけてください。
 E型肝炎の報告が1件ありました。E型肝炎は、E型肝炎ウイルスに汚染された飲食物を摂取し経口感染することで発症する急性肝炎です。衛生状態が悪く飲料水の管理が悪い発展途上国での感染が多く報告されていましたが、近年 渡航歴のない国内発症例やブタ、イノシシ、シカなどの生肉やレバーが原因となった例が報告されています。15日〜50日間の潜伏期の後、黄疸、食欲不振、肝腫大、腹痛、嘔気、発熱など臨床的にA型肝炎に類似した症状が見られます。通常慢性化することはありません。妊娠後期の感染で劇症化しやすいことが知られており、注意が必要です。抗ウイルス薬など特別な治療はなく、対症療法が基本となります。感染予防のためのワクチンはまだ開発されていません。十分に加熱された飲食物を摂取し、手洗いを励行してください。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が13件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が2件 報告されました
4類感染症 E型肝炎が1件 報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢・後天性免疫不全症候群と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.12 3.43
2 咽頭結膜熱 0.89 0.46
3 ヘルパンギーナ 0.79 1.99
4 水痘 0.59 0.45
5 突発性発しん 0.55 0.65

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が1件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が9件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の咽頭結膜熱地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 6 1.50
中丹西 1 0.33
中丹東 - -
南丹 3 0.60
乙訓 2 0.50
山城北 1 0.10
山城南 - -
京都市 54 1.32
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