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<平成27年第44週>平成27年10月26日〜平成27年11月1日

今週のコメント

第44週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数がさらに増加し、6.46件でした。新型ノロウイルスの流行も懸念されていますので、引き続き手洗いおよび食品の取り扱いを徹底し、患者との接触や、その嘔吐物や便の取り扱いにご注意下さい。
RSウイルス感染症の報告は微増し、定点あたり0.61件の報告でした。インフルエンザの京都府下の報告総数は5例でした。これからさらに増加すると見込まれますので、インフルエンザの予防接種を含めたご対応をお願いします。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は横ばい、伝染性紅斑の報告数はやや減少していますが、例年のこの時期より多い状態が続いています。また、京都府下の流行性角結膜炎の報告総数は6件でしたが、全国的には例年より感染者が多い流行が続いています。流行性耳下腺炎の報告数は減少しました。
患者の咳やくしゃみなどにより飛沫・接触感染する感染症の対策として、感冒様症状のある人に近寄らず、手洗いやうがいを励行するようにしてください。症状のある方は咳エチケットやマスク着用などの対策を行ってください。
全数報告対象の感染症については、結核レジオネラ症アメーバ赤痢、および水痘の入院例がそれぞれ1件報告されました。
入院例が報告された水痘ですが、9歳以下の患者が90%以上を占める小児の病気「水ぼうそう」で、例年冬から春にかけて増加します。水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる発疹性の感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、潜伏期間は2週間程度です。典型例では、発疹は紅斑から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮化して治癒します。発疹の出現前から発熱を認め、出現後も約6日間は感染性があるとされていますので、この間の二次感染にご注意ください。水痘の治療は対症療法が基本となりますが、合併症として、皮疹への細菌感染、熱性痙攣、肺炎、脳炎、無菌性髄膜炎などがあり、重症化することもあります。まれですが、成人発症の場合は重症化するリスクが高いと言われています。水痘ワクチンの接種が予防に有効で、1回の接種で重症化を、2回の接種で軽症の水痘も発症を予防できると言われています。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 1件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 レジオネラ症が 1件 報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢と水痘(入院例)が それぞれ 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 6.46 5.06
2 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.36 2.28
3 RSウイルス感染症 0.61 1.51
4 伝染性紅斑 0.36 0.47
5 水痘 0.35 0.41

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が 6件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 4 1.00
中丹西 18 6.00
中丹東 16 3.20
南丹 12 2.40
乙訓 47 11.75
山城北 36 5.14
山城南 5 1.67
京都市 327 7.98
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