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<平成28年第2週>平成28年1月11日〜平成28年1月17日

今週のコメント

平成28年第2週の報告です。
 インフルエンザですが、京都府下の報告総数が先週の174件から337件にさらに倍増しました。全国の定点医療機関当たりの報告数が4.11、京都府では2.79と、流行が拡がってきました。
 感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は5.97件とやや減少、左京区の警報が解除されました。西京区および乙訓地区では定点あたり10件を超える報告がありました。ノロウイルスは新型の流行が懸念されています。石けんでの手洗いや食品の取り扱いに留意し、感染者の嘔吐物や便は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤などにて消毒処理を行って下さい。
 流行が続いている流行性耳下腺炎ですが、定点あたりの報告数は減少し0.88件でした。中丹東では警報が続いています。引き続きご注意下さい。
特徴的な皮疹が両頬にみられ、りんご病とも呼ばれる伝染性紅斑の報告は定点あたり0.84件に増加し、南区の警報が継続しています。例年にない全国的な流行が続いていますのでご注意下さい。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告も定点あたり1.63件に増加しています。
咽頭結膜熱の報告はさらに減少し定点あたりの報告数が0.21件、RSウイルス感染症の報告も減少が続き定点あたり0.40件でした。
 全数報告対象の感染症については、カルバペネム耐性腸内細菌感染症、ジアルジア症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症および梅毒がそれぞれ1件報告されました。
 今週はジアルジア症の報告がありました。ランブル鞭毛虫による慢性下痢を主症状とする腸管感染症で、寄生虫による旅行者下痢症の中でもっとも報告が多いとされています。糞‐口感染で、人と人の接触や食品を介した小規模な集団感染と、飲料水を介した大規模な集団感染が知られており、途上国では3人に1人程度に罹患歴があると言われています。治療にはメトロニダゾ−ルなどの薬剤が用いられます。昨年(2015年)1年間で京都府下では報告がなく、近畿で16例、全国で80例の報告がありました。
 また、先週流行入りしたインフルエンザが拡がっています。発熱や咳などの上気道炎・呼吸器症状のある方は、早めに医療機関を受診しましょう。感染の疑いのある方は咳エチケット・マスク着用や手洗いを必ず行い、感染予防や感染拡大への対策を徹底していただくようお願いいたします。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 報告がありません
3類感染症 報告がありません
4類感染症 報告がありません
5類感染症 カルバペネム耐性腸内細菌感染症ジアルジア症侵襲性髄膜炎菌感染症侵襲性肺炎球菌感染症
梅毒が それぞれ 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 5.97 7.71
2 インフルエンザ 2.79 4.11
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.63 2.35
4 流行性耳下腺炎 0.88 0.88
5 伝染性紅斑 0.84 0.80

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎 が 5件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 2件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が 9件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の流行性耳下腺炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 0.25
中丹西 - -
中丹東 23 4.60
南丹 1 0.20
乙訓 5 1.25
山城北 3 0.38
山城南 6 2.00
京都市 25 0.61
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