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<平成28年第33週>平成28年8月15日〜平成28年8月21日

今週のコメント

平成28年第33週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は横ばいの2.58件でした。引き続き手洗いや消毒、食品の取り扱いにご注意ください。腸チフスの報告もありました。
流行性耳下腺炎の定点当たりの報告数はやや増加し1.08件となり、乙訓地区は警報レベルが続き、山城南地区が注意報レベルとなっています。全国では1.09件で、例年にない高水準の流行が続いていますのでご留意下さい。
手足口病の定点当たり報告数は0.76件に減少しました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は減少し、定点当たり0.59件でした。全国的には0.97件程度の報告です。また、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告がありました。
ヘルパンギーナの定点当たり報告数も0.53件に減少しました。全国でも定点当たり報告数が1.47件と減少しています。
咽頭結膜熱(プール熱)および流行性角結膜炎(はやり目)の京都府下の報告も減少しています。
夏風邪疾患の報告がさらに減少しました。流行性耳下腺炎の流行が続いており、全国ではヘルパンギーナの報告がまだ多い状況ですので、うがいや手洗いの励行、プールでの感染予防、タオルの共有を避けて目を洗う、などの対応を引き続きお願いします。
全数報告対象の感染症は、結核が3件、腸管出血性大腸菌感染症が3件、腸チフスが1件、レジオネラ症とレプトスピラ症アメーバ赤痢・急性脳炎・劇症型溶血性レンサ球菌感染症および侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。
京都府下で今年3例目となる腸チフスの報告がありました。腸チフスはサルモネラ菌の仲間であるチフス菌による感染症で、食中毒の原因となります。国外で感染し帰国後に発症する輸入症例が多くなっています。39℃を超える高熱が1週間以上続き、比較的徐脈、バラ疹、脾腫、下痢などの症状を呈し、腸出血、腸穿孔を起こすこともあります。診断には発熱時の血液培養でチフス菌を検出することが重要です。抗生剤で治療しますが、抗生剤が効きにくい耐性菌の出現が問題になっています。
重症で生命に関わる劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告もありました。咽頭痛・発熱などがみられましたらA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の可能性がありますので、早めに医療機関を受診してください。
今年になり京都府下で麻疹の報告はありませんが、各地で麻疹の流行の兆しがあるようです。ワクチンの接種歴がない方が、海外渡航先で感染して帰国する輸入症例がきっかけとなり、免疫がない方に感染し拡がることが懸念されます。抗ウイルス薬はなく対症療法が治療の中心ですが、麻疹はワクチンにより予防ができる感染症です。まだ麻疹にかかったことがなくワクチン未接種の方は、かかりつけの医師にご相談ください。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 3件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が 3件、腸チフスが 1件 報告されました
4類感染症 レジオネラ症レプトスピラ症が それぞれ 1件 報告されました
5類感染症 アメーバ赤痢急性脳炎劇症型溶血性レンサ球菌感染症侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 2.58 2.99
2 流行性耳下腺炎 1.08 1.09
3 手足口病 0.76 0.50
4 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.59 0.97
5 ヘルパンギーナ 0.53 1.47

■基幹定点

無菌性髄膜炎が 4件 、
マイコプラズマ肺炎が 6件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が 5件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の流行性耳下腺炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 - -
中丹西 - -
中丹東 3 0.60
南丹 1 0.20
乙訓 9 2.25
山城北 22 2.20
山城南 9 3.00
京都市 38 0.90
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