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<平成29年第10週>平成29年3月6日〜平成29年3月12日

今週のコメント

平成29年度第10週の報告です。
インフルエンザの報告数は定点あたり8.35件と減少し、警報レベル以上の発生数を認めている地域も南丹、右京区、南区のみとなっています。高齢者施設などでの集団感染が報告されていますので、引き続き留意してください
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.29件と先週と大きく変化していません。
流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、オウム病が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症後天性免疫不全症候群水痘(入院例)麻しんがそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が3件とマイコプラズマ肺炎が4件、眼科定点では流行性角結膜炎が5件報告されています。
今週麻疹感染が1件報告されました。麻疹ウイルスヒトからヒトへの空気感染(飛沫核感染)の他に、飛沫感染、接触感染など様々な感染経路で感染します。感染後に潜伏期10〜12日を経て38 ℃前後の発熱で発症します。特徴的な所見として、コプリック斑があります。発疹が出現する1〜2 日前頃に頬粘膜に、約1mm 径の白色の斑点としてあらわれます。コプリック斑は発疹出現後2日目の終わりまでに消失し、その後2峰性発熱とともに、特有の発疹が耳後部、頚部、前額部より出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕におよび、2日後には四肢末端にまでおよびます。発疹出現後3〜4日間で解熱します。多くは対処療法で改善しますが、中耳炎などの合併症もみられ、肺炎や脳炎で死に至ることもあります
本邦ではワクチン接種により、2015年3月にWHOより麻疹排除状態にあると認定されています。しかし、最近各自治体で輸入麻疹の報告が散見されます。感染力が非常に強い感染症であるため、東南アジアなどの海外渡航歴があり、発熱患者を診た際は「輸入麻疹」を鑑別に加え、病歴および必要に応じて麻疹IgM/G両抗体の測定を考慮ください

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 6件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 オウム病が 1件 報告されました
5類感染症 カルバペネム耐性腸内細菌感染症後天性免疫不全症候群水痘(入院例)麻しんが それぞれ1件、
侵襲性肺炎球菌感染症 が 2件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 8.35 11.09
2 感染性胃腸炎 4.29 5.59
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.50 2.61
4 流行性耳下腺炎 0.49 0.65
5 咽頭結膜熱 0.36 0.39

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が4件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 3件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が 5件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
乙訓 64 9.14
山城北 161 9.47
山城南 23 4.60
南丹 130 14.44
中丹西 40 8.00
中丹東 48 6.00
丹後 50 10.00
京都市 528 7.65
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