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<平成30年第21週>平成30年5月21日〜平成30年5月27日

今週のコメント

平成30年第21週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、6.86件と横ばいになりました。その他の感染症の報告も先週までと比べて著変ありません。 全数報告対象の感染症は、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、A型肝炎が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、梅毒 ・ 百日咳風しんが それぞれ1件報告されました。また、基幹定点の報告として、無菌性髄膜炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が5件、流行性角結膜炎が8件報告されました。
先週に引き続いてA型肝炎の報告がありました。A型肝炎はA型肝炎ウイルスに感染して肝炎を発症する疾患です。水と衛生の整備が不十分な開発途上国での汚染された食物や水、氷などの経口摂取、あるいはヒト-ヒト間の接触感染(糞口感染、性的接触)によって引き起こされます。国内ではカキやアサリなどの二枚貝を含む魚介類を食することによる、食中毒の事例も多く見られます。比較的長い2〜7週間の潜伏期間ののち、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐などの症状を起こしますが、非特異的なものがほとんどです。治療法は安静や対症療法が中心で、慢性化することはなく1〜2カ月の経過で回復しますが、劇症化して死亡する事例もありますので、カキの生食などにはリスクが伴います。食中毒の観点からは、排便後、調理前、食事前の手洗いが重要です。またA型肝炎は予防可能な感染症ですので、海外渡航時は事前にワクチンを接種しておくことも大切です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核 が 9件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症 が 2件 報告されました
4類感染症 A型肝炎 が 1件 報告されました
5類感染症 侵襲性肺炎球菌感染症 が 3件 、 梅毒百日咳風しん が それぞれ1件 報告されました
全数報告一覧へ

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 6.86 7.23
2 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.70 3.02
3 咽頭結膜熱 0.73 0.85
4 突発性発しん 0.52 0.61
5 流行性角結膜炎 0.44 0.94
■京都府の定点当りの報告数の一覧表へ 保健所別年齢階級別

■基幹定点

無菌性髄膜炎 が 1件、 感染性胃腸炎
(ロタウイルス)
が 5件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎 が 8件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
乙訓 60 15.00
山城北 40 4.00
山城南 4 1.33
南丹 16 3.20
中丹西 17 5.67
中丹東 24 4.80
丹後 19 4.75
京都市 348 8.09
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