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府民満足最大化を支える情報基盤構築プラン(平成20年12月策定)

1 改定の趣旨

  • 平成15年11月に整備を完了した京都デジタル疏水ネットワーク(以下「デジタル疏水」という。)は、府域をむすぶ高速・大容量の光ファイバ情報通信基盤(幹線2.4ギガbps)であり、地域の情報通信環境の向上と格差是正を目的に整備を行ったものである。
  • デジタル疏水は、行政、防災、教育分野で京都府や市町村の業務推進に不可欠な情報基盤となっているが、さらに、幹線を開放することにより、医療、産業、大学、放送等様々な分野で活用が進んでいる。
  • 一方、利活用が進むことで府民生活の基盤としての重要性が大きく高まっており、安定性・信頼性を一層高めた新たな情報基盤を、通信サービスの最新動向を踏まえながら、早急に整備する必要がある。

 

図1 京都デジタル疏水ネットワークの概要

2 成果と課題

(1) デジタル疏水の目標とその達成状況

  • デジタル疏水は、「新京都府総合計画(平成13年1月)」で構想され、「京都府IT推進専門家会議『提言』(平成13年9月)」、「京都デジタル疏水ネットワーク(仮称)整備検討委員会報告(平成14年6月)」をもとに具体化をした。
  • デジタル疏水の整備に当たっての目標と達成状況は下記のとおりである。

 

(2) デジタル疏水の現状と成果

<基幹的利用(行政、防災、教育)>

  • 行政、防災、教育の各分野において、コンピュータ(サーバ)の設置場所と庁舎、学校を分離し、最適な業務執行体制を整備する上で不可欠な基盤となっており、その利用は年々拡大している。
     行政:経営改革プラン実現の基盤(総務事務集中化、文書事務支援(電子決裁)等)
     共同化:統合型GIS(40万アクセス/月)、後期高齢者医療制度 等
     防災:防災テレビ会議、土砂災害監視、河川情報監視システム 等
     教育:超高速インターネット接続率全国一、高速インターネット活用授業、高大連携 等
  • デジタル疏水の利用は順次拡大しているが、帯域については特に逼迫することなく円滑に通信可能な状況にある。
  • なお、府立学校等においては、授業時の通信速度向上に対する要望が強いが、帯域のみでなく更新時期を迎えたネットワーク機器の機能向上の対策が必要である。

<民間利用>

  • 平成20年8月現在で85件、129団体の利用承認があり、全国トップクラスの利用状況となっている。
  • 利用内容は、医療、医療保険、大学、放送、産業、通信事業者等多岐に渡っており、府立医大を中心とした遠隔放射線画像診断ネットワーク(16病院が参加)やNHK京都放送局・KBS京都によるテレビ中継(全市町村から生中継が実現)など、全国的にも注目される利用事例が生まれている。
  • 昨今、利用件数の伸びは少なくなっている。高速・大容量・高品質で府内をむすぶデジタル疏水であるが、民間のブロードバンドサービスが拡大する中で、世界の市場で活動している企業等にとっては、手軽に世界に通じるインターネットの利用に向かう場合が多い。
  • 一方、セキュリティの確保が必要な遠隔画像診断ネットワークや保険者等のネットワーク利用が拡大するとともに、地域医療連携なども検討が進められており、公共的な分野でのデジタル疏水のニーズはさらに高まっている。

<ネットワークの連携>

  • デジタル疏水の整備にあたっては、関連のネットワークとの連携を重視しており、国の研究開発用ネットワーク(JGN2plus)や学術情報ネットワーク(SINET3)と接続し、利便性を高めている。
  • また、京都市が中心となって推進してきた京都リサーチパークの京都IX※や大学間情報ネットワーク(Univnet)とも連携し、利便性や信頼性の向上を図っている。
  • さらに、JGN2plusを介して、兵庫・京都・滋賀・福井・奈良・和歌山の6府県の情報ハイウェイを相互接続するプロジェクトを推進しており、防災情報システムの相互利用等を実現している。
    ※IX:Internet eXchangeの略。複数のインターネットサービスプロバイダや学術ネットワークを相互に接続するインターネット上の相互接続ポイント。

(3) 情報通信環境の変化

  • デジタル疏水の整備を呼び水に、府内のブロードバンドサービスエリアは大幅に拡大した。デジタル疏水の整備当時(平成14~15年)、府内の半数がブロードバンド・ゼロ市町村であったが、平成18年度末にはゼロ市町村を解消し、19年度末にはブロードバンド世帯カバー率は99%に達している。また、FTTH(光ファイバー)サービスは、26市町村中20市町村で提供されているが、市町村周辺部では未だに提供されていない地域が残っている。
  • 市町村周辺部に散在するブロードバンドゼロ地域解消や地上デジタル放送難視聴解消のためには、市町村と連携した総合的な対策が必要である。
  • 企業向けネットワークサービスでは、デジタル疏水整備時期に、従来のATM方式から広域イーサネット方式に主流が移り変わっており、デジタル疏水は当時の最新サービスを利用している。それ以降新たなサービスは提供されてこなかったが、一部地域ではNGN※対応の新サービスが提供開始されている。
    ※NGN:Next Generation Network。電話網やインターネットなどを統合した次世代のIPネットワーク

(4) 今後の課題

  • 今後、行政系では税務の共同化や外国人登録、防災系では消防無線の広域化など、重要なシステムでの利用が見込まれており、また、他の利用者からもさらなる安定性・信頼性向上に対する要望が強い。そのため、防災拠点等への回線の二重化等の検討が必要である。なお、二重化の手法には下図のような手法があり、拠点ごとに回線の利用目的と必要経費を比較考量し、最適な手法を採用すべきである。
  • また、行政系を中心とした今後の利用動向を踏まえつつ、最新の通信サービスも勘案し、適切な民間サービスの選択と適正な帯域の確保が必要である。
  • 教育では、超高速インターネット接続率全国一を実現し校内LAN整備等のハード整備も進展しているが、IT環境を教育内容の充実につなげるためのソフト施策の一層の強化が求められる。
  • 今回整備に伴うネットワーク工事については、前回整備と異なり、ネットワークを運用しながらの作業となるため、円滑な移行を実現するためには適切な設計・更新期間の確保が必要である。ただし、回線利用停止を伴わない移行作業は多くの経費と人手を要するため、利用者の協力を得ることを前提に、回線利用停止を伴う移行作業についても検討するべきである。

図2 回線二重化の手法

3 次期情報基盤の構築に向けて

(1) 基本的方向性

  • 次期情報基盤の役割は、地域の情報通信環境の改善など地域情報化の呼び水としての役割から、安心安全な府民生活を支え、「府民と京都府との情報共有のプラットフォーム」の役割へと進化すべきであり、このような役割を踏まえて構築を行う。

(2) 次期情報基盤の果たす機能

  • これまで、最適な業務執行体制を整備する上で不可欠な基盤として、行政、防災、教育の各分野で果たしてきた機能に加え、次のような新たな機能が想定される。

府政の透明化の推進と府民ニーズの把握

 ・行政情報の府民との共有(施策推進支援システム 等)
 ・コールセンターやFAQシステムの共同化

府民に多様なサービスを提供

 ・産業分野における人材育成への活用(丹後・知恵のものづくりパークに接続)
 ・府立医科大学を中心とした地域医療連携の推進
 ・大学と市町村等との連携による遠隔講座配信
 ・大学、民間企業等と連携した教育用コンテンツ整備の推進
 ・「授業の達人」等による模範講義のライブラリ化
 ・地域医療連携などに利用目的を限定した上で民間開放を継続(従来どおり、アクセス回線に係る経費のみ負担を求める。)

行政コストの最適化

・セキュリティの確保等を図り、業務共同化・連携をさらに推進(税業務共同化、市町村基幹業務支援システム共同化、消防無線の広域化、医療保険システム 等)
・先生の負担を軽減し生徒と接する時間を捻出するため、校務システムの導入拡大を検討
・大学連携の推進(府大・医大・工繊大 等)

広域連携を支える基盤

・関西広域連合(仮称)の設立に向けた動きを踏まえ、防災面等での近畿府県による情報ハイウェイの広域連携の取組を推進

 参考

1 検討委員会委員

(委員長・参与)

松山 隆司 京都大学大学院情報学研究科教授

(委員)

位髙 光司 京都商工会議所産学連携・新産業推進特別委員会委員長、 日新電機株式会社取締役会長
今井 早苗 マイクロソフト株式会社 パブリックセクター インダストリーソリューション部部長
浦尾 たか子 京南倉庫株式会社常務取締役
岡部 寿男 京都大学学術情報メディアセンター教授
加畑 満久 近畿職業能力開発大学校付属京都職業能力開発短期大学校助教授(ポリテクカレッジ京都助教授)
芝村 雅樹 財団法人関西文化学術研究都市推進機構計画調査部長
槌田 義之 財団法人京都高度技術研究所情報事業部長
新川 達郎 同志社大学大学院総合政策科学研究科教授
福田 幸男 京都新聞社論説委員
細井 浩一 立命館大学映像学部教授
鷲頭 雅浩 京都市総合企画局情報化推進室長
渡辺 康一 ウェブマックス株式会社代表取締役社長

(特別委員)

伊藤 剛和 奈良教育大学学術情報研究センター准教授 
余田 義彦 同志社女子大学学芸学部情報メディア学科教授

2 検討経過

第1回検討委員会(平成20年6月17日) 現状と課題、更新の方向性
第2回検討委員会(平成20年7月29日) 教育分野の利用、仕様、経費比較
第3回検討委員会(平成20年8月25日) 中間案について
第4回検討委員会(平成20年11月19日) 最終案について

お問い合わせ

政策企画部情報政策課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4389

johoseisaku@pref.kyoto.lg.jp

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