京都ジョブパーク 総合就業支援拠点

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実習を初めて受け入れるに際して、職場内で対応の基礎知識を学ぶための工夫

「職場実習」「企業実習」等、障害のある方が一定期間、実習生として企業で「働くこと」を体験することを実習と呼んでいます。実習の内容は一般事務から清掃、調理業務まで様々。企業内で実習を行うことで、実習生に就職に必要な力を身につけてもらうことができると同時に、「障害者雇用を考えているが、どういった業務が適切かわからない」「受入環境をどのように整えるべき?」といった悩みを持つ企業にとっても、実習は、障害のある方の特性や就業力を知るよい機会となります。

初めて実習を実施した企業の声を紹介します。

実習実施企業の声(実習生:知的障害のある10代男性、業務:清掃、実習期間:2週間)

障害のある方と接するのが初めてという社員も多く、どのような作業ができるのか、どう指導すればよいのか戸惑いの声もありましたが、休憩時間に積極的に会話することで互いに打ち解けていきました。実習当初は、何度も同じ内容を教えることもありましたが、覚えてしまうと正確にできるようになり、仕事に対する一生懸命な姿勢がうかがえました。

実習終了後には、社員から「実習生への細かな指示、心配りをした経験が、自分の業務の中で細部に気を配る意識につながった」等の声があり、業務改善への意識が高まりました。

 

実習受入までの社内調整

  • どのような業務を障害のある方に担ってもらうか
    →京都障害者雇用企業サポートセンターの助言を受け、これまで社員が毎日就業前に分担して行っていた社内各所の清掃を「清掃業務」として新設
  • 受入部署の社員の不安をどう軽減するか(何をどのへんまで準備したらよい?ずっと誰かがついていないといけないの?)
    →京都障害者雇用企業サポートセンターが実施する「障害者雇用受入準備セミナー」を経営層と人事担当者が受講し、障害特性への理解を深める
    セミナーでの気づきから、建物内に目印テープを貼り清掃場所を特定。清掃場所に応じた用具を準備。作業手順書・日報を作成
    受入部署の全従業員に対して人事担当者が、1.直接指示をしない 2.普段どおりに過ごす 3.実習生の障害特性・雇用の目的と概要を説明し、社内セミナーを実施。“実習期間が、実習生だけでなく社員もお互いに学び、成長する場となるように協力しよう!”と呼びかけ、意識合わせを行った

 

実習1 写真:洗剤に番号が振ってある

 

 

実習期間中の社員の反応

 

  • 実習生は毎日業務終了時に一日の振り返りを実習担当者と行い、よくできた・明日がんばることを〇△×で自己評価、実習担当者は金銀銅のメダルシールで評価することで、実習生と担当者双方のモチベーションアップにもつながった
  • いつも外食する社員が休憩室でご飯を食べ、実習生との交流時間を持つようにしていた
  • 1週目は従業員から話すことは少なく、戸惑っている様子があったが、人事担当者が「〇〇さんは音楽が好きで▲▲のライブにも行ったりするんだよ」、「〇〇さんのお昼ごはんは昨日カレーで今日は牛丼・・・。」等会話の糸口をつくり、話しやすい雰囲気を心がけることで、2週目は社員が積極的に話しかけるようになり、スマホで一緒に遊んで過ごすなど、笑い声が絶えない休憩時間であった
  • 業務中は清掃場所を通る従業員が必ず一言、実習生に労いの言葉を掛けていた。「今日もピカピカやな!ありがとう」「綺麗になると気持ちがいいね」。お互いが笑顔でいる時間が多かった。
  • 最終日は別れがつらくなり、涙、涙の感動的な朝礼となった

 

実習終了後の社員の変化

  • 休憩時間に“大人の発達障害”“知的障害”が話題に出るように。「昨日NHKで番組やってた」「ドキュメンタリーの番組やってたね」「様々な障害があるんやなぁ」「もっと知りたい」等、いつも休憩中はスマホに集中している社員間の会話も増えた
  • 障害特性を知ってもらおうと休憩室においていた資料は、皆が手に取ってくれていたせいか読み込んだ跡があり、“よい実習にしよう”と思って取り組んでくれた社員の存在を人事担当者としてうれしく思った

 

 

 

<参考>京都ジョブパークで提供している実習

京都ジョブパークの障害者就業支援コーナー「はあとふるコーナー」では、実習のコーディネートを行っています。通常は1~2週間程度ですが、1日でも可能。マッチングから実習開始までが速やかなため、企業にとっても比較的気軽に行えるとのお声もいただいています。

ほかに、職業能力開発促進法に基づき、京都府が各企業に委託して1~3カ月間実施する訓練のひとつ「実践能力習得訓練コース」もあり、月60時間以上の訓練が要件となりますが、受入企業には謝金が支払われます。

なお、実習中のケガや物損等については、賠償保険の範囲内で保障されます。

また、実習生・企業の双方が安心して実習が進むよう、必要に応じて、はあとふるコーナーのジョブサポーターが付き添うサポートもあります。

 

 

お問い合わせ

京都障害者雇用企業サポートセンター

ご利用時間 月曜~土曜日/9時~17時(日・祝、年末年始休み)
電話:075-682-8928
ファックス:075-682-8944

Eメール:support@kyoto-jobpark.jp


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