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雇用の分野におけるセクシュアル・ハラスメント(2)セクハラの定義、構成要素とその背景

改正男女雇用機会均等法

改正男女雇用機会均等法は、職場において行われる性的な言動で女性労働者の対応によりその労働条件につき不利益を受けること、またはその性的な言動により当該女性労働者の就業環境が害されることをセクシュアル・ハラスメント(以下セクハラ)と定義し、事業主に対し、防止のために雇用管理上必要な配慮をしなければならないとしています。

一般に前者をセクハラを拒否したことで労働条件に悪影響を及ぼすことから「対価型」といい、後者を「環境型」と称しています。わが国の均等法は女性労働者の地位向上のための法律なので、女性労働者を被害者と想定しておりますが、セクハラ相談事例からいっても男女いずれにも起こりうるのです。諸外国の例では性差別禁止法として両性を対象としているものもあります。ただ加害者は男性の上司、同僚、部下、顧客や取引先、被害者は女性従業員というケースが圧倒的に多くなっています。

均等法第11条(男女雇用機会均等法 平成18年改正)

第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対処するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする。

セクハラの構成要素

セクハラの構成要件としては、「性的な言動がある」「それが相手の意に反している」「職場の」「労働条件について不利益を受けるか、就業環境を悪化させるか」があげられます。

1 まず性的な言動とは何でしょうか。日本語で性というと生物学的性(セックス)をすぐ思い浮かべますが、それだけではなく性には社会的・文化的に形成された性(ジェンダー)があります。「女らしさ・男らしさ」をことさら強調したり、性別役割分担を押し付けたりすることはジェンダー・ハラスメントになるでしょう。ただ「女性であるという属性に基づくいやがらせは、一般的な女性差別の問題として取り上げることが適当な場合(いわゆるグレーゾーン)がある」と労働省の研究会報告は述べています。そこでその職場で「女らしさ」とするものの強調が、均等法第21条ないしその指針にふれるかどうかは個々の事例ごとの判断になります。

2 次に相手方の意に反しているかどうかは主観性が入ることを意味します。つまり性的な言動があっても合意の上であれば違法性がないので、被害者は意に反していることを示さなければなりません。その行為が意に反しているかどうかは、平均的な女性の常識で判断されるべきでしょう。

3 職場とは、物理的に日頃勤務している場所だけでなく仕事に関連して出張した所もあれば、勤務時間外に仕事をする場合、懇親会や接待の場であっても仕事のためであれば含まれます。

4 労働条件につき不利益を受ける場合とは、相手の対応によって不利益を与えることのできる地位にある人によって行われるのが通常であるため「地位利用型」ともいわれますが、その性的言動に対する女性労働者の対応がきっかけとなって解雇したり、配置転換、転勤、出向させたり、降格、昇給停止、賃金や賞与の査定を低くすることなどが例としてあげられます。それに先行するセクハラとの間には因果関係が必要ですが、それらの行為がないとの立証は加害者の側に課すべきでしょう。

就労環境が悪化する場合とは、労働省の方針によれば、「性的な言動により就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じ見過ごせない程度の支障が生じること」と書かれていますが、これでは「重大な悪影響」や「見過ごせない程度の支障」について使用者が否定すれば、女性従業員に立証責任が負わされ、女性従業員が一人や二人の職場などでは苦情を申し立てることが困難になります。なにが「重大な」か、なにが「見過ごせない」かは被害者の判断によるべきでしょう。環境型セクハラのタイプとしては、用いられる方法によって、発言型(何度も容姿を批判したり、性的な経験を尋ねたり、卑猥な話をしたりすること)、身体接触型(意に反して女性従業員の腰、お尻、胸等にさわったり抱きついたりすること)、視覚型(職場にヌードポスターを掲示したり、ポルノ写真を女性労働者の引出しに入れたり、宴席で裸踊りを見せたりすることが典型)に分けられます。

セクハラ防止が義務づけられる背景

セクハラの例にあがっている行為は以前からどの国でもあったといえますが、なぜこの30年ほど前から表面化するようになったのでしょうか。それには長い女性運動と国連の女性差別撤廃条約に基づく国際的取組があります。もちろん20世紀後半、女性の雇用労働化が急速に進行し、女性が本格的に男性とともに働くようになったことも背景にあります。70年代のアメリカでは学生運動、少数民族の市民権運動に続いてフェミニズム運動が燃え上がりましたが、職場でのあらゆる女性差別を告発する運動も盛んになるなかで、セクハラも表面化したわけです。法廷闘争が度重なるにつれアメリカの雇用機会平等委員会(EEOC)は80年にセクハラ防止のガイドラインを策定しました。それが世界各国に波及していきます。カナダでは「セクハラは性差別である」、「性差別は憲法違反である」「それゆえセクハラは憲法違反」とされます。EUでは、89年、マイケル・ルービンシュタイン氏の「職場における女性の尊厳、欧州共同体におけるセクシュアル・ハラスメント問題についての報告」が出され、その後91年に勧告・行動規範が制定されることになりました。この報告はまず1、性差別禁止法や男女平等法はセクハラが違法な性差別になることが明記されていないので不十分だと指摘し、2、使用者は雇入れの契約上、労働者の尊厳(dignity)を傷つけない義務があり、被害者に対する賠償だけでは事後的なものなので不十分であること、3、セクハラを受けずに働く権利を守るためには、予防のための効果的な法的措置が必要としています。このEUのガイドラインは、その後の各国の法整備のための基準となっています。

わが国では88年に女性グループによって最初のセクハラに関する印刷物が世に出ましたが、翌年の訴訟をきっかけとして急速にセクハラ相談が増加し、国や自治体も相談窓口を設けました。その後10年を経て均等法に明記されるに至ったものです。

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