行政文書解題 「そ」から始まる文書
2007年09月03日 更新
卒明細短冊
明治3(1870)年12月、府県貫属の明細短冊を翌年1月30日までに提出すべき旨の太政官達(京都府庁文書 明3-3「御達書」)にもとづいて作成された京都府貫属卒945名の明細短冊を編綴した簿冊8冊。明治2(1869)年の版籍奉還の際、政府は旧来の身分を華族、士族、卒族の3つに整理し、禄制改革を行った。同年12月、旧幕臣を各地方の貫属とし、翌3(1870)年12月、公卿をはじめ宮家所属の家臣も同様に地方の貫属として秩禄を支給することにした。卒とは明治初年に用いられた士族と平民の中間に位置する下級武士に対する身分呼称で、与力、同心などの旧幕臣、元宮家家来、元本願寺家来、元仕丁などをさす。短冊は約27×7.5cmの美濃紙で、一枚に氏名、住所、年令、旧役名、家系、俸禄、履歴等を自らが記載して提出し、それを京都府貫属掛がイロハ順に1頁に2人分ずつ貼りつけ、3冊に纏めたもの。現在は補修により八冊となっている。この短冊は毎年書き改めて提出され、同一人の短冊に追加貼付され、帰農帰商したものには朱書きの抹消があり、卒が廃止された明治5年1月以降も士族に編入されたものは明治7年まで短冊が残っている。なお華族明細短冊の所在は明らかではないが、士族明細短冊は現在京都大学法学部図書館が所蔵している。
園部県立庁始末
「京都府史」の附編旧五県立庁始末(園部、山家、綾部、淀、亀岡)の編輯にあたり明治8(1875)年から9年にかけて各旧県から提出させたそれぞれの事務調査書進達のうち、園部県のものの控と、後に船井郡役所が作成したその写しの2冊。他県の調査書類は残っていない。内容は明治初年から4(1871)年の園部藩(県)の県庁、総類、禁令、庁則、職制、担税、廩禄、貨財、出納についてまとめたもので、京都府史と重複するところも多く、これをもとに府史が編輯されたことがわかる。付箋貼紙による指示訂正や、兵部省徴兵方の往復文書など、府史にはみられない内容もある。また、進達目録によれば駅郵、学制、勧業等についても提出したことになっているが、この控は残っていない。なお、この調査編輯を担当したのは旧園部県の大参事太田弥広、少参事木瀬安吉である。
