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あいさつ

  明治32年(1899年)に京都府水産講習所として設立され、明治40年に宮津市鶴賀に同講習所が開所し、昭和17年に水産学校(現在の京都府海洋高校)と分離され、京都府水産試験場と名称変更されました。そして、昭和51年に宮津市小田宿野の現在地に移転、竣工がなり、機構改革により京都府立海洋センターと名称が変わり、現在に至っております。水産講習所として設立以来110年が経過した、平成21年(2009年)4月1日を区切りに京都府立海洋センターは、京都府の農林水産関係試験研究機関の再編統合により、京都府農林水産技術センター海洋センターに名称変更しました。長い歴史と伝統のある京都府で唯一の水産関係試験研究機関として、今後ともしっかり試験研究に取り組んでいく所存です。
  平成23年3月11日の東日本大震災の影響や急速な円高が我が国の経済活動の停滞に大きく影響し、最近におけるギリシャ、イタリア等、欧州での金融不安が世界的な経済不況を招いています。一方、我が国の水産業界を取り巻く環境は、漁業資源水準の低下、漁業従事者の高齢化、後継者不足、魚価の低迷、更には燃油価格問題等により、一層厳しさを増しています。府の水産業界でも同様の問題があり、低迷が懸念されます。
  漁業資源の減少の中、従来の「獲るだけの漁業」から「限られた海洋生物資源を守り育てながら利用する資源管理型漁業」への転換が求められ、平成23年度からは資源管理・漁業所得補償制度が導入されました。
  海洋センターでは、資源管理型漁業への転換を進めるため、府の基幹漁業の一つである底曳網漁業の重要漁獲対象種のズワイガニ及びアカガレイの資源管理方策を確立しました。そして、底曳網漁具の改良を実施する等、環境と資源に優しい漁業に貢献しております。また、平成20年漁期以降、底曳漁業者の方々の自主的な取組として、水ガニ(脱皮直後の雄ズワイガニ:単価が非常に安い)の禁漁を申し合わせ、世界的な漁業認証であるMSC認証の取組を一層推し進めていただいております。
  府のもう一つの基幹漁業である定置網漁業では、経営の改善・安定、コスト削減は重要なテーマです。定置網漁業にとって大きな脅威となる急潮がありますが、平成23年も5月の台風2号、9月の台風12号、15号により一部海域で被害が発生しました。こうした急潮発生に関して、迅速な情報提供に努めて、被害軽減、減災に貢献して、少しでも経営の改善に繋がるようにしております。近年の主要漁獲物であるサワラは、平成18、19、20年と3年連続漁獲量日本一になりましたが、多獲されるサワラの有効利用を進めることも漁獲物の付加価値向上に繋がることと考え、研究課題として取組を進めます。
  府のブランド水産物として初めて認証を受けた「丹後とりがい」の育成技術は海洋センターが開発した、我が国ではオンリーワンの技術です。この育成技術は、アサリ垂下育成にも応用され、一定の成果を挙げました。今後とも、このような革新的な技術開発に努めていきたいと考えます。そして、得られた情報はこのホームページに掲載していくこととしておりますので、できるだけ多くの方々の利用していただければと願っております。


京都府農林水産技術センター海洋センター所長 中津川 俊雄
(平成23年記)