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3-3 「病気の種類は?」その2

 今回は前回ご紹介した寄生虫、カビによる魚介類の病気に加え、細菌、ウイルスなどによって引き起こされるものを紹介します。

1.細菌性の病気

1)海産魚の細菌性の病気
  (1)ブリの連鎖球菌症
  (2)ブリの細菌性溶血性黄疸
  (3)ブリのノカルディア症
  (4)ヒラメのエドワジェラ症

 2)淡水魚の細菌性の病気
  (1)アマゴの細菌性腎臓病(BKD)
  (2)ニジマスの連鎖球菌症
  (3)アマゴのせっそう病
  (4)アユの冷水病

2.ウイルス性の病気(濾過性病原体によるものを含む)

 1)アマゴの伝染性造血器壊死症(IHN)
 2)クロアワビの筋萎縮症(濾過性病原体による病気)

1.細菌性の病気

1)海産魚の細菌性の病気

(1)ブリの連鎖球菌症

ブリの連鎖球菌症

写真-10

府内のブリ養殖場では、最もポピュラーな細菌性の病気です。
眼球突出が、病魚の症状の中では大きな特徴の一つです。他には鰓蓋の裏側や胸鰭等の付け根に膿瘍を形成します。

(2)ブリの細菌性溶血性黄疸

ブリの細菌性溶血性黄疸

写真-11-(1)

養殖ブリの体色が黄化することから、当初ブリの体色黄化と呼ばれた病気です。
この写真の病魚では眼球周囲および口唇部が黄化しています。急に死んでいくことがあり、死亡率はやや高くなります。 

特殊な培地で培養された原因細菌

写真-11-(2)

写真は、特殊な培地で培養された原因細菌です。非常に細長い、糸くずのような形です。でも、この原因菌がどの種類になるのか、未だに明らかになっていません。

(3)ブリのノカルディア症 

ブリのノカルディア症

写真-12

糸状菌の1種、ノカルディア・カンパチという細菌の感染によって引起されるブリ等の病気で、写真のように体の各所に膿瘍を形成し、切開すると膿が出て、見た目には気味が悪いものです。写真の右方では、膿瘍が自然に開口して潰瘍状になっています。慢性的に病状が進行し、衰弱した病魚は黒くなってやせていることが多いです。徐々に死んでいきます。

(4)ヒラメのエドワジェラ症

ヒラメのエドワジェラ症

写真-13

腸内細菌科の1種、エドワジェラ・タルダという細菌の感染で引き起こされる養殖ヒラメの最も代表的な病気です。腹部が脹れ上がって、腸管が肛門から出ています(脱腸)。腹部の脹れは腹水がたくさん溜まっているためです。夏の水温の高い時期に出やすく、死亡率は高くなります

2)淡水魚の細菌性の病気

(1)アマゴの細菌性腎臓病(BKD)

アマゴのBKD

写真-14-(1)

サケ科魚類に特有の細菌性の病気ですが、最近になってアユでも発生する事が知られました。
慢性病で、高い死亡率になることが多くあります。

腎臓全体が脹れて、白い腫物ができる

写真-14-(2)

写真のように、腎臓に特徴的な病状(腎臓全体が脹れて、白い腫物ができる)を示すことからこのような名前で呼ばれています。この病気では、極度の貧血を伴います。

(2)ニジマスの連鎖球菌症

ニジマスの連鎖球菌症

写真-15-(1)

府内のブリ養殖場で最もポピュラーな病気であった病名と同一の名前ですが、原因菌が異なります。でも、この病気も府内のニジマス養殖場では非常によくみられる病気です。外観では、眼球突出が特徴です。夏の水温の高い時期に発生します。

原因菌の顕微鏡写真

写真-15-(2)

原因菌の顕微鏡写真です。名前のとおり、球形の菌体が連鎖状につながっています。

(3)アマゴのせっそう病

アマゴのせっそう病

写真-16

サケ科魚類の病気の中では、世界的に最も古くから知られ、日本国内でも最も一般的な細菌性の病気です。府内のアマゴ養殖場でも一番よく発生する病気の一つです。成魚では体側に脹れ上がった患部ができ、切開すると、写真のように血膿がでてきます。稚魚ではやや症状は異なります。  

(4)アユの冷水病

アユの冷水病

写真-17

近年、アユ養殖業界ばかりでなく、新聞、釣雑誌等のマスコミでも取り上げられることが多くなったアユの病気です。養殖場の中だけでなく、アユ釣シーズンの前に河川に放流されたアユにおいても発生して、問題となるためです。最近、府内の河川でも発生しました。原因はフラボバクテリウム・サイクロフィラムという、細菌です。

2.ウイルス性の病気(濾過性病原体によるものを含む)

1)アマゴの伝染性造血器壊死症(IHN)

アマゴの伝染性造血器壊死症

写真-18

日本国内で発生するサケ科魚類のウイルス病の中では、最も一般的な病気です。府内のアマゴ養殖場でもよくみられます。主に稚魚で発生し、鰓の貧血が特徴的です。死亡率は非常に高くなることが多く、発生すると大抵取り上げるか、放置するほかありません。腎臓にある造血組織を壊死させることが、この病名の由縁です。   

2)クロアワビの筋萎縮症(濾過性病原体による病気)

クロアワビの筋萎縮症(濾過性病原体による病気)

写真-19-(1)

府では、府下沿岸の磯に生息する重要漁業資源であるクロアワビの栽培漁業を進めています。人工的に種苗(稚貝)を作って(種苗生産といいます)、天然海域に放流しています。この種苗生産、育成過程で稚貝に発生するのが、この病気です。原因は、ウイルスに代表される濾過性病原体ですが、原因ウイルスの特定はできていません。

腹足には白い粟粒のようなものがうっすらと見える

写真-19-(2)

上の写真は、病貝の外観です。外套膜や腹足(足の部分)がヤセて、腹足には白い粟粒のようなものがうっすらと見えます。左の写真は、別の病貝の貝殻の外唇部(一番外側の部分)です。一部の病貝では外唇部が部分的に欠けたようになったり、欠けた部分の貝殻内側が赤褐色になったりします。
この病気は、4月下旬~7月に発生します。病気にかかった稚貝の約半分が死亡します。

 

お問い合わせ

農林水産部海洋センター

宮津市字小田宿野1029ー3

ファックス:0772-25-1532

ngc-kaiyo@pref.kyoto.lg.jp

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