研究こぼれ話(アカアマダイの標識放流)
海洋センターではアカアマダイの移動や成長、放流効果などを調べるために、これまでは放流魚の目印としてアンカータグを付けて放流してきました。アンカータグは樹脂製の値札のような形をした標識で、魚類用の標識として一般的に用いられています。 →研究こぼれ話(サワラの標識放流)を参照して下さい。
しかし、アンカータグはアカアマダイに対しては問題であることが最近の研究でわかってきました。アカアマダイは巣穴を作り、その巣穴で生活するという生態を持つことから、アンカータグを付けると巣穴を作る際に邪魔になったり、タグが抜け落ちたりしてしまうことが明らかになったのです。
そこで、平成19年から、蛍光イラストマー標識を使用しています。蛍光イラストマー標識とは、魚の皮下に蛍光シリコーンを注入するもので、生物への負担が少ないため、小さい生物にも装着が可能です。海外では体長8mmの魚や0.2gのエビに用いられた例もあり、日本では10年以上前からトラフグの標識放流に使用されています。アカアマダイに使用する際には頭部に少量のイラストマー標識を注入しますが、放流2年後であっても肉眼により確認することができます。更に、LEDライトを照射すればイラストマー標識が光ってより確実にわかります(下右の写真)。
イラストマー標識のアカアマダイは、これまでに4尾が延縄漁業により放流場所付近で再捕されました。このことから、アカアマダイはそれほど大きな移動は行わないと考えられます。今後、京都府の漁場でイラストマー標識を付けたアカアマダイが多く再捕され、ひいては資源の増大を期待したいと思います。
アカアマダイの人工種苗を放流しました(丹後の海からの情報(平成22年2月))へ
(漁船漁業担当)
