研究こぼれ話(藻場造成域のアワビ)
京都府では、ホンダワラ類の藻場を人工的につくる藻場造成を行っています。また、造成された藻場を有効に利用するために、藻場造成域では毎年クロアワビ(1,2)の人工種苗が放流されており、海洋センターでは放流貝の成長を定期的に調査しています。調査は潜水して放流貝を発見し、殻長を測定するというシンプルな方法です。しかし、クロアワビは夜行性で昼間は物陰に隠れる習性があり、さらに藻場造成域には奥まった隙間がたくさんあるため、放流貝を見つけるのはとても大変です。ときには、逆さになって岩の隙間にいる放流貝を探すこともあります。
これまでの調査によって、平成18年に造成された宮津市養老大島地先の藻場造成域では、一部の放流貝が漁獲サイズ(殻長10cm超)に達していることが分かりました。今年の夏には潜水漁法によって数個体が漁獲されており、これらは全て放流から約2年経過した個体でした。京都府で放流されたクロアワビ人工種苗は、放流から約3半年後に漁獲サイズに達するため、来年にはさらに多くの個体が漁獲されると期待されます。
(増殖担当)
